17話 新婚生活
「今日!結婚式だ⁈」電話口の向こうから、署長の北田の怒鳴り声が、響く。
「古川!結婚式ってのは、あらかじめ、何ヶ月か前に申し出るものじゃないのか!」と続く。
隆二は、「すいません!のっぴきならない事情で、今日になりました!」と半ば開き直って申し出た。
署長の北田は、「わかった!高本と三川に祝儀もたせて、向かわせる!今度から、もっと早く言え!」と言う言葉に「今度は無いと思います!」と口答えすると、「うるさい!暫く、休め!」と言って電話を切られた。
隆二と香の結婚式は、無事に執り行われた。
前日の夜に知らされた遠方の親戚からは、ブツブツと「もっと早くしらせろ!」と顰蹙を買ったが、皆、祝福してくれた。
香の両親は、長野から、大量のリンゴと共にかけつけた。
香も「どうして、お前はいつも突然なんだ?」と叱られたが、両親は安心した様子であった。
2月 千葉市 大宮 警察官舎
「智也いいか?手を離すぞ!」と官舎の前の坂道で、智也は、補助輪なしの自転車に挑戦している。
智也は、スイスイと自転車を乗りこなす。
隆二と香は、微笑んでその様子を見ている。
隆二が「こりゃ、上手い!レーサーにでもするか?香さん!いや香!」と香に聞くと、「あの子が、なりたいって言うなら反対しないけどどうかしら?」と隆二の手を握った。
隆二は、「よし、〝ポケバイ〟をやらせよう!素質を見てやる!」とバイク乗りの魂に火がついた。
夕焼けが3人の新しい家族を見守っていた。




