16話 結婚式
隆二の後ろに隠れた香は、隆二の腕をギュッと握る。
隆二は、覚悟を決めて、すくっと立ち上がり、
「香さん、いや、香は俺の女房になる!智也も俺の息子だ!生活環境は何の問題もない!お引き取りいただきたい!」と言い切って香の顔を見るとまるで、少女のような潤んだ瞳で隆二を見ている。
松田は、「そうは、言っても離婚理由が納得出来ない!智也の親権は、争わせてもらう!大体、本当に結婚するのか?俺を追い返す為のでっち上げじゃないのかい?」と松田も引かない。
隆二は、「ふん!何を言ってる!明日、結婚式だぞ!色々準備があるんだ!お引き取りいただこう!」と啖呵を切った。
『明日!』全員が驚いた!
松田は、「分かりました、今日は帰りましょう!
智也の事は、こちらの弁護士から連絡致します。
ところで、明日の結婚式の会場は?花でも送らせてもらいますよ!」と疑いの眼差しで聞いた。
隆二は後に引けなくなり、「えっと‥ち、千葉神社だ!」と大見栄を切った。
「それからな!弁護士で争うって言うなら、こっちにも考えがある!」と隆二は続ける。
「ほう!考えとは?」と松田は聞いた。
「えっとな!えっとな‥松田電気の製品は二度と買わん!」
全員がずっこけた。
『どうするんだ、隆二!』と婆ちゃん以外が松田が、帰った後に隆二に詰め寄る。
婆ちゃんは、「隆二!香さんに言う事があるじゃろ?」と真剣な顔で隆二を見つめる。
隆二は覚悟を決めたように、香を見つめ「香さん!その場の流れ‥それだけじゃないんだ!アンタが好きだ!智也も好きだ!結婚してくれ!」と告白した!
香は、「智也?隆二兄ちゃんがお父さんでもいい?」と聞いた。
智也は、「いいよ!お母さんは?」と聞き返した。
香は、一歩下がり、智也を後ろに正座させ、
三つ指をつき、「不束者ですが、宜しくお願いします」と隆二に答えた。
婆ちゃんは、「さあ!明日結婚式じゃ!花嫁衣装はワシの白無垢でいいかい?忙しいぞ!」と準備に取り掛かった!
隆二は立ち尽くし、ぽかーんと口を開けた?




