お金がほしい!③
「やあ、君が悠真くんかい?」
そう話しかけてきたのは、緑色の尻を持つ男だった。
「彼は、金物屋の田中さんじゃ」
サル爺が紹介すると、田中はビシッとポーズを決める。
「よろしく!」
「……よろしくお願いします」
悠真は、戸惑いつつも頭を下げる。
「そして、彼が金物屋の北村さんじゃ」
「もう食べられないよー……」
なぜか、カレーを食べながらふらふらと登場する北村。
黄色の尻が特徴的だ。
「……あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。カレー食べると力が出るんだよね〜」
根拠のない理論を展開する北村。
「そして、最後が金物屋の藤木じゃ」
「……邪魔だけはするなよ」
そう言って、メガネを持ち上げる男。
尻はピンクだった。
「てゆうか、副会長の藤木さんじゃないすか!?何やってるんです!?こんなところで!!」
彼は、北町商工会議所の藤木だった。
「…おれは街の発展のためなら、何でもやると言っただろう!」
高らかに宣言する藤木。振り向きざまに、猿のポーズを決めた!
悠真は、何も考えないことにしたが……
「あの、なんか金物屋多くないですか?」
悠真は、思わず疑問を口にする。
「ふふふ……」
サル爺は意味深な笑みを浮かべた。
「サルレンジャーのメンバーは、すべて金物屋なのじゃ!!」
「なんでですか!?」
悠真のツッコミが響く。
「理由なんて簡単じゃ! 金物屋のネットワークは強固じゃからな!!」
「いや、意味がわからないんですけど!?」
悠真は混乱しながらも、目の前の事実を受け入れるしかなかった。
こうして、悠真は、金物屋に囲まれながらヒーローショーに挑むことになった。




