二首 君の黒髪は……
男子から、憧れの女子への歌。
花筏とは……
川などの水面に散った花びらが連なって浮かんでいる様子です。
黒髪の
川に流るる
花筏
触れず撫でれず
風が吹き去る
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公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
▼小説家になろう 公式企画サイト
https://syosetu.com/event/haikutanka2023/
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気になる同じクラスのあの子は、いつもこの時間にこの道を通って登校する。
手入れの行きとどいた、長く綺麗な黒髪がトレードマークのあの子。
どこか、桜並木のある場所から歩いてきたのだろうか?
流れるような黒く綺麗な髪に、いくつもの桃色の桜の花びらを付けている。
あの髪の毛は柔らかいのだろうか?
いい匂いがするのだろうか?
花びらを取るふりをして触ることも出来るが……
しかしそんな勇気も度胸もなく、
撫でることも、触れることも叶わず、
無情にも風が花びらを吹き飛ばしてしまう。
花びらや風でさえも、勝手にあの子の髪に触れて撫でていくというのに……
こうして今日も季節が変わってゆく。