ざまぁされる
「このように、お義姉さまは私をおとしいれようとしたのです!」
(……決まった!)
私、ヘンリエッタはニヤリと顔をゆがめた。
会場中の目が私のお義姉様、ファーリアに集まっている。
気弱で従順、優しくて大人しい性格のファーリアは、突然起こった理不尽な断罪劇についていけず、真っ青な顔でただ震えている。
ファーリアの婚約者であり、私の影の恋人でもあるエドモンドが、私に続けて用意された台詞を言い、みんながさらにどよめく。
ファーリアはもう今にも倒れてしまいそうだ。
私は私の勝利を確信した。
その時。
「ファーリアは無実だ。ヘンリエッタとエドモンドこそがこの騒ぎの張本人。特にヘンリエッタは悪質な嫌がらせをファーリアに繰り返していた。証拠はこれだ!」
無数の音を込める魔術具をばらばらっと義弟サーファが投げ出すと、私とエドモンドが交わるあからさまな音と共に、私たちが数々の悪事の計画を立てる会話が響く。
「このようにヘンリエッタはファーリアを追い落とし、王族であるエドモンドの家に嫁ごうとしていた。ヘンリエッタこそ追放されるべきだ!」
……アレ?まずい?
エドモンドがおたおたしているのが見える。
チッ、お坊ちゃんはこれだから弱くていけない。
お義父さまが会場の一段高い場所にある椅子から立ち上がった。
「ヘンリエッタ、愛しい娘をこんな目には合わせたくないが……国外追放させてもらおう」
私の5年間の苦労が……。
王族であるエドモンドは追放を免れた。
けれど、後妻の連れ子で庶民の私は罰から逃れられない。
私は一番粗末なドレスで金貨の入った袋を握り、国境に放り出されてしまったのである。