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進化


 ジャイアの話を詳しく聞くと、Aクラスを中心に有力な力を持つ生徒が消えているらしい。先の女神教の襲撃もあり、明らかに異常事態だと学校側は認識した。


 シリルが精神体で学校を偵察すると、ダンジョンには結界が張られていた。

 多分、生徒たちはダンジョン奥にある施設に集められ、そこから洗脳ないし、各支部へ送られるのかもしれない。


 ――くそ、ミヤビの事は自分の感情抜きに置いといて……、これが撤退って事か……。

 ていうか、あいつにあげた魔石はどうした?


 シリルが念話で俺の問いに答える。


『一度捨てられた形跡があります。……ただ、誰かが持っているようです。すみません、結界の中のようで状況がいまいちわかりません』


 そうか、一旦その事は忘れよう。


 マリサが控え目に手を上げる。

「……あ、あのね、洗脳は時間がかかるのさ。うちみたいに絶望していた子じゃなければ特に……。本部には洗脳部屋があるのさ」


 シリルが説明を補足する。


「女神教が動いてから、まだ時間は経っていません。ですので生徒たちが無事な可能性が高いです」


「あと、ダンジョンの5層に裏ルートがあって、そこの結界を通り抜ければ転送陣で本部にいけるのさ」


 そういえば大切な事をシリルに聞き忘れていた。


「ていうか、学校を裏切っている奴って誰? そいつの事知らなきゃヤバいよね?」


「……すみません。それを聞く前に……」


「じゃあ仕方ねえ。うん、俺はいま、この別宅にいる人たちは全員信じるぜ。だって一緒に飯食った仲だろ? まあ、裏切られたらしゃーねーって思える」


 俺がそう言った瞬間、居間の扉がバーンと開いた――


「あらあら、マサキ君、困っているのね? 話は聞いたわ。わたくし達円卓ガールズもお手伝いいたしますわ」

「ああ、このギルバード、マサキが困っているのなら力になるさ」

「マサキといると飽きないから面白いよね! 新型ゴーレムの力を試せる時だよ!」


 俺は首を横にふる。


「いやいや、これは俺と女神教の問題――」


 ギルが俺の言葉を遮る。


「違うよ。これは学校に対する宣戦布告でもあるんだよ。……女神教に加担している生徒の断罪もしないといけない。これは貴族の務めでもある」

「あら、ギルと意見合うのは久しぶりね? マサキ君が可愛いって話した時以来じゃない?」


 二人は笑いながら見つめ合う。って、本人がいない時に何話してんだよ!? くそっ……。ハカセは早速ジャイアに指示を出していた。すっかり助手が板についている。


 俺は頭をかきながら三人に言った。


「あー、わかりました。……じゃあ友達としてお願いするよ。……ある程度、話がまとまったらすぐにでも学校へ行く」


 三人は嬉しそうな顔で頷いた。

 参ったな、そんな顔されるとは思わなかった。





 俺たちはゼンジが作ってくれた朝ごはんを食べながら今後の方針を決める。


「まずは攫われた生徒たちの救出だ。それとは別に、女神教の教祖を叩く」


 至ってシンプルな目標である。

 これがただの学生なら実行に移すのは不可能だろう。

 だが、いまこの場には【覇王】である俺、【魔帝】であるエリさん、【剣帝】であるギル、【開発帝】のハカセがいる。

 それに魔王ビビアン、勇者アリス、元司祭のマリサとスバル――


 過剰とも言える戦力であった。

 だが、


「……女神教はしぶとい。どこかの国が叩いても絶対に生き残った」


 ギルの言葉が身に染みる。あいつらは狂信者だ。それに洗脳して罪のない人を手駒にしている。許されない事だ。


 そういえばシリルの姿がなかった。


『すみません、あまり長い時間現世にはいられないので……。こちらからサポートします』


 オッケー、俺もそっちの方が心強い。俺が暴走しそうになったら止めて欲しい。

 あっ、そうだ。俺の【覇王】ってエリさんたちも強化できるのかな?


『魂の繋がりほど強化はないですが、通常の強化は可能だと思われ――』


「おし、ちょっとみんなと魂つなげるわ。――【繋がりの覇道】」


 勝手に能力名が口に出ていた。俺がそれを言った瞬間、身体からごっそり何かが抜けていくのを感じた。

 な、なんだこれ……、超きつい……。

 俺の魂がみんなと繋がっていくのを感じる……。

 マジ、意識が……。


 ふと、俺の手に温かさを感じた。ヒカリが心配そうな顔で俺の手を握りしめてくれた。

 俺は笑顔でヒカリに答える。

 ……カッコいい所を見せなきゃな。……なにせヒカリは俺のマブダチだからな……。


『た、魂の繋がりを確認しました。……すみません、帝系スキルを進化させるんて聞いたことありません。そ、それにこの数は……、ここにいる全ての人との繋がりを……』


 なんだ、またシリルが驚いている。……まあ俺は悪くない。これで、きっと、誰も死なないはずだ。


 俺は眠くなり、支えてくれているヒカリによりかかる。

 ヒカリは俺を膝に寝かせて頭をポンポンしてくれた。

 ははっ……、超安らぐじゃん……。てか、ヒカリも眠そうだな……。


「あら? あらあらあら? な、なにかしらこれ? ――【魔帝改】? あら……眠気が……」

「私のスキルにも変化が……、か、身体が……」

「【開発王女】だって! なんだろう? 強くなったかわかんないけどカッコいい!」

「ぼ、僕もスキルが……【剣士】から【剣聖】に……聖系スキル!?」


 なんかみんな強そうな感じだ。良かった。これで、俺も――


『魂の繋がりにより眷属【友達】の力をご主人様に上乗せします。……急激な力の上昇により、一旦意識を止めてアップデートします。数分で終わりますので……、いまはヒカリ様に甘えて下さ』


 うん……もう限界だ……。また、あとでな……。


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