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僕らのおはなし  作者: 私さん
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財布

今日一日散々だった。あのあと営業先で怒られひたすら勇太と謝り続けた。

朝スられた場所である商店街を歩く。

ここらへんでは見かけない男の子が1人立っていた。

その奥には身に覚えのあるロングコートの男がいてその男の子にぶつかった。

「あ、待てこのやろう!今あいつ絶対スリやがった…!」

給料をもられる大人ならまだしも?まだお小遣い制であるだろう男の子からスるのは…とロングコートの男を捕まえようと走る。

ロングコート男もそれに気づき、走り出す。

突っ立っている男の子の横を通り過ぎようとする。

「待って!いいの。いいから…。」

男の子に叫ばれ思わず足を止める。

「君、今絶対あいつにスられたよ!」

「うん知ってる。でもスリ返したから。」

にししっといたずらっ子のように笑った。

「おじさん、今朝スラれてたよね?じゃじゃ〜ん、これな〜んだ?ピンポンピンポ〜ン大正解‼︎お財布で〜す!」

男の子はポケットから俺の財布を取り出し、またにししっと笑った。

「返してほしい?」

「うん。」

「じゃあついてきて。」

「え、」

男の子は俺の財布を持ったまま歩き出したので仕方なくついていくことにした。


「着いた〜。ここ入って。」

「え、確かここって…。」

着いたと言われた場所は噂大好き商店街名物のミチコばあちゃんから聞いた「呪いの劇場」だった。

「呪いの劇場」は昔、この商店街の名物の劇場ですごく有名だったそうだが、ある公演で大失敗し潰れてしまったとか。

大きな劇場だったためすぐに次の買い手が見つかり劇場は再開したが1回目の公演で大失敗をしたらしい。

そのあとも次々と買い手が現れ公演をしたがどの公演も全て1回目で大失敗したらしい。

それ以来買い手はいなくなり人も寄り付かなくなったらしい。

どの公演も失敗したのは有名だった頃の責任者の怨みのせいだとか。

こんな小学生のような話は信じない方だが昨日後輩の勇太がここで「お腹すいた…。ご飯…ご飯はどこ〜?」という声を聞いたというのを今日の昼休みに聞いたばかりだ。

「何い?怖いの?」

俺の周りの年下はうざい言い方しかできないらしい。

「まさか。入ればいいんでしょ。」

「うん。入ったら3階に上がって。」

言われた通り中に入り3階まで上がった。

3階に上がると白の扉があった。

「開けていいよ。中に入って。」

言われるがまま中に入った。

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