04
前回、ショウタのジョブが無職という事実を知ってしまった。それにどこかにいる女神も探さないといけない。では、前書きはこの辺で。次は後書きでお会いしましょう。
「無職ってどう言うことだ!?」
自分が想定していた言葉のどれにも当てはまらない言葉にショウタは驚きを隠せずにいた。
「い‥‥いえ。無職、すっぴんとも呼ばれているジョブは滅多にいないんですよ」
「じゃあ何か特殊な能力とかが備わっていたりするんですか?」
まだチャンスはある。ここで隠された能力があるのなら俺は無職と呼ばれてもいい!
淡い期待を抱いくが、返ってきた答えはあまりにも残酷な言葉だった。
「残念ながら‥‥ショウタさんの元々のステータスでは器用さが少し高いくらいで、他にはなにもありません。普通なら無職でいられる期間は赤ちゃんの時だけなんです。成長して少年になる頃にはなにかしらのジョブになっていることがほとんどなんですけど‥‥」
「なに? じゃあ俺は赤ちゃんと同レベルってことか!」
強みがねぇ! さっきまでの俺の淡い期待をを返してくれ!
「ショウタさん落ち着いて下さい! すっぴんにも特技はありますよ」
「本当ですか!? どんな特技?」
「武器を携帯するにはそれに適したジョブにしないといけないんですが、すっぴんならどの分野の武器でも装備できるんですよ。ただし下級職のみの武器にに限りますが‥‥」
「そんなに特技じゃねぇ!」
最弱職じゃねぇか‥‥エクスカリバーが持ち上がらないわけだ。
「ショウタさんは器用さのパラメータが高いので冒険者以外にも商人や鍛冶職人になるのもオススメですよ」
「いえ‥‥冒険者でお願いします。これ以上惨めな気持ちは嫌なんで」
弱々しく言うショウタに苦笑いしながら受付嬢は静かにうなずいた。
「経験を積めば他のジョブに転生もできるので頑張って下さい。では、こちらはギルドに所属している証明になるギルドカードです。受け取って下さい」
「ありがとうございます‥‥」
受付嬢に見送られながら俺は出口に向かった。「元気出して」「いい職見つかるよ」「無職の兄ちゃん頑張れよ!」
酒飲みを含む数人が俺を励ましてくれてる声が聞こえるたびに目から塩水が流れてるような気がした。
とぼとぼ街の中を歩き回っているといつの間にか街の外に出ていた。
「いつの間にか街の外まで来ちゃったな」
そこでふとあることを思い出した。
そういえば女神はどこだ? この街にいるって言ってたけどどこにもいなかったよな。
まぁ‥‥あのポンコツ女神のことだ、どこかで道草でも食ってんだろう。
などと考えていると、どこか遠くの方から声が聞こえてきた。
ーーけてぇ。
‥‥ん? なんだ。
前方で犬のようなものに追いかけられてる誰かが泣きながらコチラに向かって走ってきている。
タァァスゥゥケェェテエエエ!!
目を凝らしてみると見たことのある人がいた。
少し白みがかったブロンド長髪。スラッとした手足。
あまり主張はしてないが、しっかりある胸。そしてあの顔! 間違いない、女神だ!
「ムショォォ! 助けてぇぇぇ」
えっーーなんでこっちに来るんだよ! こちとら武器すら持っていない弱職冒険者だぞ!
「やめろおお! こっちに来るな馬鹿やろぉぉ!」
俺も女神から逃げるように街の方に向かって全力ダッシュをする。
後ろの方から「待ってよぉぉ」と言う声が聞こえたような気もするが今の俺にはなにも聞こえない。
いや、聞きたくない!!
ハァ‥‥ハァ‥‥
なんとか逃げ切れたみたいだな。あぁ怖かった。
膝に手をつき息を整えつつ目を横にやると、地面に手をついて嗚咽している女神の姿がそこにはあった。
「おい女神! なんでモンスターに追っかけられてるんだよ!」
女神は、ちょっと待てと言わんばかりにこちらに手のひらを広げてる。
んなこと知ったこっちゃない! ショウタは話を続ける。
「お前のせいで酷い目にあったんだぞ! 転生させる前にちゃんと説明してくれよな」
ガミガミと女神に文句を言うショウタ。
女神はそれらを全て断ち切るかのようにショウタの肩に手を置き、青ざめた顔で一言のみ発した。
「‥‥吐きそう」
「頼むから、俺の前で吐くのはやめて下さい」
こうしてーーなんとか女神を見つけることができました。
《女神カナがパーティに加わった!》
続く
はい。ここまで読んでいただきありがとうございます。やっと女神と出会うことができましたね。でも無職なのは変わらない。でも一人仲間が加わったのは大きい(?)ですね。作品が気になった方は是非ブックマークと評価をしてもらえると嬉しいです。