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プロシュート  作者: ボクノート
第1章 気づき力
16/21

「安心、安定そして」

治療中のランプが消え重いドアが開いた。

中から白衣を着た医師が出てきた。

「先生、うえはは、うえはは、」

俺はしがみつくような勢いで聞いた。

怖い顔をした医師の口が開く。


「運がよかった。後遺症もない。もう少し時間がたてば麻酔も切れるだろう。」


難病の時が止まっていただろうか。

「成功・・した・・んだよな・・」

俺は誰に聞いたかわからないが声がもれていた。

「そうだよ顕!やったぞ!」

池真が俺に言った。

「よかった・・・・・」

咲はそう言って泣き崩れた。

「急いで報告しないと両親にこのことを真っ先に伝えなくては。」

緒方先生は喜びを隠しつつ職務を全うしようとしていた。

「先生も喜んでくださいよ。」

池真が茶々を入れた。

「おぅそうだな。」

先生から笑みがこぼれた。


どのくらいの時間がたっただろうか。

うえはは麻酔が切れ、目を覚ました。

うえはが目を覚ました時目の前にいたのは顕だった。

「顕・・・・・」

うえはは顔を赤らめていた。

うれしかった。なぜかわからない。しかし、目を開けたときに顕がいてくれたことそのことがうれしかった。

「うえは・・・」

俺は思わず声がもれた。

一瞬、俺とうえはしかいない空間になった。

目が合っただけで俺が言いたかったことが伝わった気がした。

(うえは、無事でよかった。)

(ありがとう。顕)


そんな空間も長くは続かなかった。

「うえはーーーーー」

咲は泣く目をうえはに押し当てるように飛びついた。

「咲、心配かけてごめんね。」

「うんうん。無事でいてくれてほんとによかった。」

「俺も心配したぞ。」

池真がとっさに突っ込んだ。

「池真もありがとう」

うえはから笑みがこぼれていた。

俺はそれを見てほっとした。


それから退院まで俺は病院に通い続けた。

もちろん池真や咲と一緒に行くこともあったが、一人で行くことが多かった。それを求めいていたのかもしれない。

退院までどのくらいかかっただろうか。


最後の精密検査を終え、無事うえはは退院した。


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