「救急車」
「昨夜、うえはさんが家で倒れ今も意識がなく集中治療室で治療中であるということがわかった。」
俺は時が止まった感覚だった。
うえはが倒れた。
あのうえはが。
昨日元気だったあのうえはが
意識がないだって?
なわけあるか。
あいつは元気だったじゃないか。
俺は自問自答をしていた。
昨日うえはの一番近くにいたはずの俺があいつの変化に気づくことができなかったなんて。ありえない。どうしてだ。なにがあったんだ。
俺は不安でいっぱいだった。
今にでもこの不安から開放されたくて今すぐにでもうえはに会いたかった。
「今から私はうえはさんのところへ向かいます。」
担任がそう言うやいなや俺は
「俺も行きます。」
無意識に立ち上がっていた。
「あたしも行かせてください先生。」
咲だった。
「俺もです先生。このままでは心の整理がつきません。」
池真は真剣であった。
「しかしそうなってしまうとみんなとなってしまう。さすがに私の車には乗り切らない。」
すると、
「その三人を連れていってください先生」
見友であった。オネエ言葉を使わない見友であった。
「いや、でもそれはみんなの意見では···」
「いいわヨネ。みんな」
オネエ言葉に戻った。
すると、周りからは口々に
「早く連れていってあげて!」
「三人に俺の思いを託した。」
などみんなが賛同してくれた。さすが見友である。さすがオネエNo.1だった。
「ありがとうみんな」
俺はみんなに感謝をした。
「じゃあ行くぞ三人、ほんとにみんなありがとう」
先生もみんなに感謝をして俺たちはうえはの元へ急いだ。