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プロシュート  作者: ボクノート
第1章 気づき力
11/21

「究極の選択」

俺は胡坐(あぐら)をかいて座った。

実際のところ一番楽な姿勢はオネエ座りである。しかし、俺はオネエではない。も一度言おうオネエではない。誰かさんのように。とにかくオネエ座りをしたかった。

しかし、なんとなくうえはの前でオネエ座りをするのは気が引けた。そこで胡坐をかくという決断に至ったのだ。

「なんか飲む?」

「いいよ、いいよ。病人をこき使うほど落ちぶれてない」

「気を使うなんて、気持ち悪い」

「俺だって気を使うことだってあるさ」

たわいもない、いつもの返しである。

「じゃあ本題、なんだけど・・」

そこで俺は今日ここに来た意味をうえはに説明した。


話し終わると

「はい。これ。」

とオネエに渡されたものを渡した。

「なんか。見友ちゃんにも迷惑かけちゃったな。」

「病人なんだから、あいつだって理解してるよ。」

「そうなんだけどね。学校行ったらあやまっとこ」

「心配性だな」

すると

「部活のことなんだけど・・」

うえはが低いトーンで語り始めた。

「私はさ、部活がなくなることは正直いやだよ。それはそうだよ。今まで大切にしてきたものがなくなっちゃうんだよ?誰でも悲しくなるでしょ。」

泣き出しそうであった。

それでもこう続けた。

「少なくとも私は部活はなくしたくない。」

うえはから何か強い意志を感じた。

「でも私は幽霊部員は嫌だよ。部活はあるものじゃなくて参加するものだから。」

俺が思った通りであった。

うえははこの部が大好きであり、そんなことはとうにわかっていた。こんな話をうえはにして申し訳ないと思うくらいであった。

「でも最終的に。ほんとに究極の選択になったときだよ。幽霊部員を入れるなら廃部にするしかない。」

こんなことをいうとは思わなかった。

けど、そこまで部を思ってくれていたと思うと正直うれしかった。

「まぁほんとにそれは究極の選択だな。それは避けたいね。だからこそさ、何か方法をと思ったんだ。」

「今すぐには考え付かないかな。でもやる気は人一倍あるから」

その言葉に俺は勇気づけられた。うえはは笑っていた。

「今日はこの辺にして俺は帰るわ。早く治して明日は学校行かないと!」

「うん。ありがと。」

「しっかり考えとけよ。明日聞くからな」

俺は冗談交じりに言った。

「わかってます。部長」

また笑ってくれた。俺はほっとした。それと部長と言われたのが少しだけ照れ臭かった。

「まっ・・・・」

ドアが閉まった。


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