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アルカンシエル  作者: 下弦 鴉
最終章 ユネプロミス―約束―
60/80

特別編 虹の平凡ではない一日。 前編


やっとコラボ第二弾です。やっと第二弾にして最後のコラボです。


ガルー・ブレスト先生作『平凡ではない日常。』とコラボ編であります!

ですが、バトルはありません。バトルはありませんよ。大切なので2k(以下略

なので、激しいバトルをご期待の皆様、原作を読んでいただけると作者としては嬉しいです。

だってバトルなんか私、書けへんねんもん! スピード感なんて全くだせないねん! それでもええんか? ええのか!?


……取り乱しました、失礼いたしました。

前書きでグダグダやるつもりはあったんです(オイ

それでは、本編どうぞお楽しみくださいませっ!

 その日、緊急事態だとか何とか言って、木戸先生から召集があった。折角学校は春休みになり、しばらく穏やかな日々を遅れると思ったに。あー、誰か。俺の休みを返してくれ!

 そうして、派遣部全員が部室に集まった頃、思いつめた表情で木戸先生は入ってくるなり、こう言った。

 「お前ら、ちょっと祭りに行ってこい」

 『はい……?』

 もうこれも恒例だな。完全なハモリ。真剣な顔で言う事ではないのは痛いほどわかる。

 「あれだ、あれのお礼だ」

 いやいやいやいや! あれって何だよ! どれのお礼!?

 「何の事ですか?」

 聞きたい事を言ってくれたのは千里だ。……あれ、なんかデジャブ?

 「ほら、結構前にパソコンでも依頼を引き受けてただろ? それで、ずっと前に感謝状が来ててだな。なんでもお礼がしたいらしいぞ」

 「ず、ずっと前のものなんでしょ? それってありなの?」

 かなり戸惑いを見せる明。確かに、ずっと前のものじゃ相手も忘れているだろうし、今更言っても迷惑になるんじゃないか?

 「あぁ。連絡してみたんだが、いつでもどうぞって言ってたぞ」

 その依頼者に感謝すべきだな。相手は今更連絡が来るなんて思ってなかっただろうし。

 「なぁ、何の事だ?」

 「あの頃は殊日と零はまだいなかったからな」

 「ちょぉっと出張してたんだよ~」

 「つー訳だから、お前ら明日は休みだ。その人との待ち合わせ場所には、俺がバス出してやるから安心しろよ」

 そして、木戸先生はどこからだしたのか、バスの運転手さんが被っている帽子を指で回していた。誇らしげに見えるのはスルーしていいか?

 「って明日!?」

 「そう、明日だ。何か問題でもあるのか?」

 「いや、別に……」

 そんな目で睨まれたら言い返しにくいだろ。『そんな急にありかよ!?』って言いたかったよ? 言ってやりたかったけど無理じゃん。あんな目で睨まれたら言い返せねぇじゃん。……仕方ねぇ、明日予定してた買い物は明後日にするか。

 「ならいいだろう。祭りは午前10時から午後8時までだそうだ」

 「結構長くやってるんですね」

 「桜祭りと言う事からして、夜桜も楽しむためだろうな」

 「へぇ~、桜祭りなんてあるんだぁ」

 「やっぱ、屋台とかもあんのかな?」

 「普通の夏祭りとさして変らないらしい」

 「ほう、腕がなるな」

 にやりと笑うのは凛水。……コイツ、正気か!?

 「お前も来る気かよ!」

 「当然だ。派遣部・・・である事には変わりないだろう? 差別される理由はない」

 「うっ……」

 確かにそうだ。この姿でいる限りは、コイツも派遣部の部員か……。

 「最近は悪霊ナイトメアと戦いっぱなしだったからな。うんと羽目を外して来いよ」

 そうにこやかに木戸先生は言うと、プリントを一枚机に置いて出て行った。それにはこう書かれていた。


 『校門前に8時集合 持ち物は各自適当に』


 ……それだけしか書かれていない。裏返しても真っ白で、表にすればこの一行だけがやけにはっきり浮かび上がって見えた。

 「……折角だ、楽しもう」

 狼牙が静かにそういうと、みんな頷いて返した。

 「たまにはパーッと遊んだっていいよね♪」

 「はは! だよなっ」

 「祭りなんて久しぶりだからなぁ」 

 「僕らも行っていいのかな?」

 「問題ないだろう。先生も羽目を外して来いと皆に言っていたからな」

 「明日が楽しみね」

 「じゃ、また明日。8時に会いましょう」

 上から未来、炎人、俺、千、狼牙、千里、零の順に言った。。それそれどこか嬉しそうな顔をしているから、本当に明日が楽しみで仕方ないんだろう。

 「また明日、な」



                      *



 そして当日、誰一人遅れる事無く(逆にみんな早すぎて)予定より早く出発する事が出来た。

 「そーいえば、そのお礼をしたいって人誰なんですかぁ?」

 「有澄ソラ君だ」

 「ふ~ん」

 自分から聞いといて興味なさそうな反応だな……。確か、年下の男の子だったよな。虹の妖精を捕獲してくれるように、依頼がきたんだったか。いっぴ……いや、1人も保護できなかったのに、お礼なんてしてもらっていいんだろうか。

 「つーか、千。それはなんだ」

 「え?」

 「その射的の屋台から持って来ました的な銃だよ」

 「そのまま射的の銃だね」

 「へー、そうなのか」

 ……っておいおい! ちょい待て!

 「やるからには本気でやらないと、屋台のおじさんに失礼でしょ? だから、My銃持ってきたんだ」

 「……ほどほどにな」

 「潰れない程度に気をつけるつもりだよ」

 にこやかにそんな事を言ってくれるな。絶対潰すだろ。潰す気だろ、そんなもん持ってきてる時点でよ。

 「みんな気合い入ってるわね」

 隣に座る明が耳元で囁いた。

 「そんな気合い入れて何するつもりなのかしら」

 「……店を潰さない程度に遊ぶつもりなんだろうな」

 千のように分かりやすければいいんだが、みんな服やら雰囲気やらでその熱気が伝わってきてしまう。祭りを悪霊ナイトメアとの戦いに重ねているように思えるのは、俺だけか?

 「そろそろ着くぞ」

 『はーい』

 シンクロ返事をして、それぞれ身の回りを整えた。ふと外の景色を見れば、先ほどまでは建物に囲われていた道に、ちらほらと桜が見えるようになった。そのまま川沿いをバスは走り、広場のようなところへ着いた。

 「待ち合わせ場所はココなんだが……まだいないみたいだな」

 窓から見る限りでは、老夫婦や犬の散歩をしている人、小さい子が友達と走っていく姿しか確認できない。俺の記憶の中にあるソラ君は、あんな小さくはなかったしな。

 「とりあえず、お前ら外で待ってろ。ここにずっとバスがあるのも、この狭い道じゃ邪魔にしかならないから」

 そうして、俺達が全員バスから降りると、「夕方には迎えに来るから」と言い残して木戸先生は去っていった。降りてみれば、なかなかに広い広場の中心辺りにポツンと残された俺達。何を言えばいいのか、何をすればいいのやら。知らない場所に置いて行かれて、手持ち無沙汰になった俺達は、とりあえずソラ君が現れるのを待つしかない。

 「あ、あの……」

 「うお!?」

 急に背後から声をかけるものじゃない! 気配がなかったぞ! ……もしや、悪霊ナイトメアか!

 身構えて声をかけてきた人物を見て、一気に力が抜けてしまった。

 「なんだ、ソラ君じゃないか」

 「お、おひぶさたしておりすま!」

 「え……?」

 今のは日本語? それとも……何だ?

 「ソラにぃ、話すなら日本語でね」

 彼のわき腹にチョップをいれたのは、確かソラ君の妹のウミちゃんだっけ?

 「えっと、ごぶさしぶりでした。ようこそ、櫻台へ!」

 まだかろうじて日本語じゃない所がある気がするんだが、気にしちゃいけないのか? これはツッコミをいれてはいけないのか?

 「ソラ、とりあえず落ち着こうか」

 あわあわしているソラ君の隣で、苦笑いしているのは奈津君。俺、結構人の名前覚えてんな。

 「馬鹿は馬鹿らしくていいじゃない。お久しぶりです、わざわざ遠くからお疲れ様でした」

 ウミちゃんの隣で毒を吐いているのは……真璃さんだな。

 「いえいえ、そんなに遠くもなかったですから。あの、それで、可愛いあの子達は……?」

 頬を赤らめながら何を聞いている。期待に満ちたその目で、何を求めているつもりだ。

 「ローグ達ですか? さっきまで一緒だったんですけどねぇ」

 「そうですかぁ」

 あからさまにため息をつくな、失礼だろ。てか、未来と千里も残念そうにしてんじゃねぇって!

 「立ち話をするためにわざわざ来て頂いた訳でもないですから、早速祭りに行きましょうか」

 お、やっとソラ君からまともな日本語が。

 「こんな大人数でぞろぞろ歩くのは、迷惑ではないか?」

 「確かにそうですねぇ」

 大方俺ら派遣部のメンバーだけどな……。

 「この前みたいに、適当に分かれますか」

 「そうだね♪」






 そして、屋台潰し祭りは始まってしまった……。


これも前・中・後編と続くので、本編が2話投稿されてから、次へ進む形になります。ずばり、前のコラボと一緒の流れです。更新遅い&サブタイがパクリチックなのもそのせいです。


さて、次回は本編ですが、これの前の話、56話目のサブタイを書かずに投稿してしまったのですが、一体何人にバレたんでしょう……。

いつも、

話数を書く→サブタイを考える→浮かばなかったら小説本文(書く内容があれば前書きも)→あとがき(書く内容があれば)

という流れで書いていまして……。

あれはわざとじゃないんです! 『浮かばないから書かないでいいやぁ』なんて一ミリたりとも思ってませんでしたから! 自分の馬鹿げたミスなんです! わざとじゃ……わざとじゃないんだぁぁぁぁぁぁ!


はぁ……はぁ……。


まあ、レアといえばレアな瞬間だったのですが、友達に半笑いの電話を頂かなかったら気付かなかった危険があったり……。


言いたい事はそれだけです。しいて言えば、恥ずかしさのあまり叫ばずに入られなかったんです。それだけなんです。

冷たい目で見られようがなんだろうが、鴉はめげません。挫けません、勝つまでは。


それではまた次回まで、しばしさようなら!

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