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アルカンシエル  作者: 下弦 鴉
第三章 秘められしモノ
43/80

43、旅行ってのは、どこだってテンションが上がるもの

 「おぉ……」

 「すっごぉい」

 「夢みたい」

 「これ、ホテル?」

 「ホテルですよ」

 いつもニッコリ三枝さん。うん、ホテルって事は分かる。分かるんだけど、汐見の家並みにすごいよね。ワンダフル、ビューティフル、ベルギーワッフル! あれ、またなんかデジャヴなミスした気がする……。気のせいですよね、うんうん。

 「お部屋へご案内いたします、ついてきてください」

 「はーい♪」

 楽しそうな女性陣。まあ、いいんだけれど、矢吹のスキップは不気味だ。

 「なぁにボーっとしてんのよ、有澄に波月。おいて行くよぉ」

 「あ、ありありさぁ…」

 何その笑顔。何そのルンルンスキップ。何でそんな可愛い声で俺らなんて呼ぶんだよ。

 「まあ、行こうか」

 「そだね、波月」

 珍しくハイテンションで、女の子らしい矢吹に、違和感がありすぎる。というか、怖い。怖い通り越して恐ろしいよ。



 「では、私はこれにて失礼いたします」

 「はい」

 「お食事の時間になりましたら、お迎えに上がりますので、7時にはお部屋にいるようお願いいたします」

 「はーい」

 「それでは、3日間、よい1日をお過ごしくださいませ」

 「はいはーい」

 そう言って、三枝さんが出て行った瞬間。

 「ひゃっほー! ふかふかだ、ふっかふかだよソラにぃ!」

 「良かったね、ウミ。でも、あんまりベッドの上で跳ねちゃいけないよ」

 「すごいよ、景色良すぎ! ねね、有澄、本当にすごいよ!」

 「そりゃあ、一番いい部屋らしいからね」

 「お風呂も広いよ、ソラ。みんなでは入れそうなくらいだ」

 「露天風呂もあるらしいよ、夜行ってみる?」

 「行く!」

 食らいついたのは、波月だけじゃなく、ウミも矢吹もだ。妖精達も興味があるみたいだし。

 「ねね、ソラにぃ」

 「ん?」

 「来れて良かったね」

 「だねぇ」

 寝室からテケテケと出てきたウミが、俺が腰掛けてるソファの隣に座って、腕を抱いて微笑む。うむ、幸せです。あ、でもあの人に殺されそうだなぁ、この光景……。

 とりあえず、簡単な部屋の間取りを紹介します。はしゃいでる矢吹がうるさいのはご容赦くださいませ。

 俺らが3日間過ごすこの部屋は、ホテルの最上階。最上階にはココともう一つの部屋しかないそうで、広いのは当たり前。普通の平屋より広いかも? で、そんなココだから、迷う事はなさそうだ。ココまで来るのは大変だけど……。

 っと、そんな事より部屋の紹介をしないとね。部屋に入ってすぐは、広めの廊下。右側に全身が映る鏡、少し進んだ左側に、洗面所。異様に大きい鏡に大理石でできた洗面台、生まれてはじめてみたよ。で、波月がはしゃぐお風呂場は、そこの右側。泡風呂にもなるらしい。でも、あまりにも広いから、逆に緊張しそうだ。そこの反対側が、小奇麗なお手洗いになっているようです。

 さらに進むとリビングに出て、家? って聞きたくなるような光景が広がる。ホテルの最上階だけど。馬鹿でかいテレビは地デジ対応。DVDも見れるしゲームもできる。しかも無料で。これをテイクアウトはなしですか? なしですよね、すみません……。正面に広がる、前面鏡張りの窓の外は、お城のようなバルコニーが。そこに出ると、海が良く見える。外でお茶できるように、テーブルとイスもちゃんとある。さすがというか、すごいよね。感心すらしちゃいますよね。

 「有澄、ねぇ有澄」

 「んだよ」

 「夕飯まで、まだ時間あるよね」

 時計を見る。まだ4時過ぎ。全然よゆーで時間あるじゃん。

 「いってらっしゃい」

 「探検したいんだけど……って、先に許可出さないでよ!」

 「え、なんで」

 「もっとこう、楽しそうにしたら?」

 「え、楽しそうだけど?」

 「私達じゃなくって、アンタよアンタ!」

 「え、俺?」

 「そんな仏頂面してないでさ、はしゃごうとか思わないの?」

 「んー、思うよ。というか、はしゃぎたいんだけど、うん」

 「何よ」

 矢吹の眉が、不安げによる。心配はさせたくない。

 「よし、探検しようか!」

 「私も行く!」

 ウミが元気よく挙手する。だから、修学旅行じゃないってば。

 「俺も行くよ」

 波月までもが挙手をする。でも可愛いから、許せちゃいますねぇ。あ、もちろん妹のウミだって可愛いよ!

 「じゃあ、みんなでいこっか」

 「さんせー!」

 テンションが下がることを知らないようです。というか、下がらないよね。下げられないよね、こんな所じゃねぇ。

 「ささ、ソラにぃ! 早くいこーよ!」

 「わ、分かったから! 分かったから引っ張らないで!」

 ウミの腕力は、俺をも超える。……え、もう十分承知? ですよねぇ……。

 「ったく、どこでも有澄はトロいんだから!」

 「んだとぅ!」

 「何よ、事実でしょ!」

 「まあまあ、旅行まで来て喧嘩を止める気はないよ」

 「ご、ごめん……」

 こ、この人、人をる目をしていたよっ……!

 「さあ、夕飯前に探検を済ませちゃおう」

 「ありありさ!」

 「ワクワクするわぁ♪」

 「何があるかなぁ♪」

 みんなが楽しそうで良かった。俺も楽しまなくっちゃ、これは損ですよね!


おはばんにちわ。寒くなってきて、そろそろと冬眠時な下弦です。(ぇ


本当に最近寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

鴉だからって外ばっかり出て行くわけがありません。こたつにみかん、パソコンにストーブ、お鍋はおでん。そんな季節になってきました。お体にはお気をつけくださいませ。


さてさて、環境に悪い事ばっかりやり続けていいのか? とは思いつつ、寒さに弱い私をどうかお許しください……。


まあ、今回の後書きはこれだけなんですがね。

冷たい目線は送らないでください、凍え死にます。ごめんなさい、申し訳ない。


ではでは、長々と失礼いたしました。

地球温暖化を気にしながらも、暖かい部屋より。

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