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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

隣の部屋のアイアンメイデン

作者: べろにかん

◇◆◇◆



「あ、初めまして! 隣に越してきた鏡谷アリスです! これよかったら、食べてください!」



 朝っぱらからチャイム音が部屋の中に響き、その音によって起こされた俺――江月レンヤはイライラしながら玄関へと向かっていたが、扉を開けた途端、眼の前に美少女がいた。


 艶やかな金髪に透き通るような青い瞳。どこかあどけない幼い顔立ちだが、体つきの方は全然幼くなく、出るとこ出て、しまるとこしまっているグラマラスボディをお持ちな少女がそこにはいた。



「わからないことばっかりで迷惑をわけると思いますけど……これからよろしくお願いしますね! レンヤくん!」



 何故、俺の名前を知っているのかと思ったが、よくよく考えれば表札に書いてあった。


 それにしても、なんと眼福な少女なんだ……肌もつやつやしてるし、可愛いし、眼も大きいし、可愛いし、まつ毛も長いし、可愛いし。なんて完璧な少女だ。



「こ、こちらこそ。えっと……外国の方で……?」


「はい! 小さいころは日本に住んでたんですけど、生まれはイギリスで、こないだまでロンドンに住んでました! 今年から○○大学に通うんですよ! 留学です!」


「あ、○○大学ですか? 俺と同じですね」


「そうなんですか!? それじゃあ大学でもお世話になりますね!!」



 眩しい笑顔を浮かべる彼女はとても魅力的だ。こんなかわいい子が隣に引っ越してくるなんて俺はなんて運がいいんだ……これからの四年間楽しくなりそうだ!


 折角なので、自分の部屋に誘ってみると「喜んで!」といい、予想以上にノリノリで部屋の中に入ってきた。


 昨日、彼女が買ってきてくれたケーキを紅茶と一緒に出すとすごい喜んでくれた。


 彼女いるけど、まぁたまにはハメ外してもいいよな! アイツとは違ってのほほん系の明るい子だから話してて結構、楽しい。


 あぁ……こんな子が隣に引っ越してきたなんて本当に夢みてぇだ。



「レンヤくんは彼女とかいるの?」


「え? まぁ一応ね」


「……ふーん、そうなんだ。レンヤくんの彼女かー、見てみたいなー。写真とかないの?」


「あるよ。これが俺の彼女」



 スマートフォンで彼女と夢の国に行った時の写真をアリスさんに見せる。アリスさんは写真をまじまじと見ている。


 俺の彼女の名前は桜木ユイカ。黒髪ロングの清楚な美人だ。高校で知り合い、弱小バドミントン部の部活動で一緒で、引退試合で告白したら成功した。


 見た目もよく、性格もよく、頭もよくて、運動神経もいい高校時代は学年のマドンナ的な存在だったユイカと付き合えたのは最早奇跡に近かった。


 今まで俺が惚れた女は俺を裏切るような奴ばかりだったが、ユイカだけは本当に女神のような天使だ。だから、俺は彼女を裏切るような真似は絶対にしない。



「……可愛い子だね」


「だろ? 俺も本当にこいつと付き合えて幸せ者だよ」


「幸せ者かぁ……そうだね」



◇◆◇◆



「フフ……あぁ、どんどん綺麗になってくよ……流石、美人さんだね。他のブサイクとは比べ物にならないよ」



 私は眼の前に転がっている手と足を縛り上げられ、口に猿轡をされている黒髪の綺麗な女の子の太ももをナイフで切りつける。


 そして、切り傷から出てくる血を手ですくい、体中に塗りたくる。これで、私はどんどん綺麗になってく。



「あなたが悪いんだよ……? あなたが私のレンヤくんに手を出すから……小学校の時、いじめられてた私を助けてくれたレンヤくんを私から奪う気?」



 涙を流しながら呻いているこの子のお腹を思いきり蹴りつける。私は今、下着と網タイツしか身に着けていない。室内だけど、ヒールを履いている。よりこの子を苦しめたい。


 私からレンヤくんを奪ったこの子を。


 私は小学校の時にいじめられていた。周りの子達からすれば、私のような日本語の話せない子は異常だと思ったのだろう。


 しかし、レンヤくんだけは私を助けてくれた。レンヤくんが私を助けてくれたあの瞬間から私はレンヤくんの虜になってしまった。


 それと同時にレンヤくんを守らないといけないと思い、レンヤくんを苦しめる奴は全て排除してきた。



 中学一年でレンヤくんに告白された女子が学年にその事をバラした。中学三年で罰ゲームとしてレンヤくんに告白した女子、高校一年で出会った頭の悪そうな黒ギャルはレンヤくんと性行為をした挙句に金を巻き上げた、高校二年でレンヤくんを痴漢扱いしたクラスのリーダー系女子。


 全員、私が殺した。


 それぞれがチャームポイントとした場所を入念に傷つけてあげた。


 最初の子は顔、二番目の子は足、三番目の子は胸、最後の子は髪。



 そして、私からレンヤくんを奪ったこの子は……すべてだ。すべてを奪ってやる。



「さーてっと……そろそろいいかな。すべてを同時に壊してあげるよ」



 私は彼女の髪を引っ張りながら、あるものの置いてある場所まで連れて行くと、虚ろだった彼女の眼は変わった。それは恐怖というものが含まれている。



 私が今から使うのはアイアンメイデン、鉄の処女ともよばれている拷問具だ。開閉する扉のついた大きな人形で、中には空洞がある。そして、空洞の中の至る場所に鋭い針がついていて、扉を閉めるとその針が中にいれた人の全身に突き刺さるというものだ。


 最早、死刑用の道具といってもいいかもしれない。


 私は今まで殺してきた子達も最後はこれで殺してきた。



 私がこれを愛用する理由。これを使うと、血が大量に手に入れられるのだ。中の人の血が。



 私は小さい時に友達だった女の子に怪我をさせてしまったことがあった。その時、私はそのこの血が顔や腕に大量についた。



 そして、それを洗い流すと私は驚いた。


 血がつく前よりも私は綺麗になっていた。


 どういう原理かはわからなかったけど、私はもっと綺麗になりたかったけど、誰かを傷つけるわけにもいかなかった。



 しかし、レンヤくんを傷つけた連中なら心置きなく殺し、血を利用できた。



 私はレンヤくんの為に、人を殺し……さらに私も綺麗になる。まさに一石二鳥だ。



 私はレンヤくんの彼女だった人をアイアンメイデンに入れて、猿轡を取り外した。涙を零しながら彼女は私に命乞いをしてくる。



「お願い……助けて……」



「……だーめっ」



 そう言って、私はアイアンメイデンの扉を閉めた。


 中からはかすかに彼女の悲鳴が聞こえてくる。流石、お父様の会社が総力を上げて作ったアイアンメイデン。性能がいい。


 私は中に入った人の血が集められた桶を持ってバスルームに行く。


 バスルームの扉を開けて、生臭い鉄の匂いに私は興奮する。お風呂には、最近殺したレンヤくんに関わった女の血が入っている。一週間以内だからまだ鮮度は大丈夫。


 私は桶に入った血をその血の風呂の中にいれた。



 これに入って……私はもっともっと綺麗になる。全身で綺麗になって、レンヤくんを私の虜にする。私からレンヤくんが離れないようにする。



 レンヤくん……全部、あなたのためだよ。



 私は……アリスは、あなたが大好きです。



◇◆◇◆

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