Scene4 ケ・ン・カ・ノ・ア・ト
この部屋で1番大きい植木鉢の倒れる音がした。割れることはなかったものの、その音は鈍く、けたたましい。
そして、その音を立てたのはわたし自身、その原因を作ったのは他でもない目の前の彼だ。
この状況を把握できずに瞬きを繰り返している彼を睨みつけると、その手には空になったココットとプラスチックの小さいスプーンが握られている。
買い物から帰ってきて冷蔵庫を開けた瞬間に犯人はわかっていたものの、その決的証拠を目の当たりにすると怒りは更にこみ上げてくる。
わたしは普段はまったくと言っていいほど怒らない。友達からも怒ってるところを見たことない、怒ってる姿が想像つかないともう何年も言われ続けている。
だから、この怒りという感情を抱くのは本当に何年ぶりかも思い出せないくらいで、その扱い方を完全に忘れてしまったらしい。俗に言う「キレてる」状態だろう。
「お、おい・・・歩美、どうした?」
そう問いかけるのは主犯もとい、私の彼氏の柴崎蓮だ。
「どうしたも、こうしたもないでしょ!!」
まるで自分の罪を理解していない様子の彼を怒鳴りつけて、わたしは本棚として使っているカラーボックスの上に乗ったウサギのぬいぐるみを投げつけた。
「うわっ、ちょっと歩美!」
小さい頃に観ていたアニメで、主人公の友達の母親がストレスが溜まるとトイレに籠もって大きなウサギのぬいぐるみをサンドバッグ代わりにしているシーンがあったのをふと思い出した。
あのときは笑って観ていたが、まさか自分が10数年後に似たようなことをするとは思わなかった。
だが、ウサギのぬいぐるみに罪はないので、あの子を殴ってストレス発散しようとはいかないのが今のわたしだ。
「わたしのプリン食べたでしょ!!」
普段は出さないような大きい声で言った。
「え?これ?」
まるで身に覚えはないよ、みたいな表情を一瞬浮かべた彼に対して更に怒りが沸いてくる。
「そう!わたしの大好きなやつ!!知ってるでしょ!?何度も話したじゃない!」
「そ、そうだっけ?ごめん・・・。」
わたしと話したことさえ覚えてないのか・・・。
「最近の蓮君は勝手すぎるよ!わたしのことなんて何も考えてないでしょ!!」
そう言いながらわたしはカラーボックスの上に出しっ放しにしていたマンガや雑誌を彼に続けざまに投げつける。
決してわたしはプリン1つ食べられたくらいでここまで怒っているわけではない。
確かにあのプリンは大好物だ。昨年の春から1人暮らしをこの部屋で始めて、最初に見つけた楽しみと言っても過言ではないと思う。
大学からは少し離れているが、田舎の箱入り娘のわたしにはこの街は治安も良くて馴染み易かった。
そして、このプリンは駅前の商店街の外れにある小さくてオシャレなケーキ屋さんの人気商品だ。
素材にこだわってるからなのか、手間がかかるからなのか、1日20個しか販売されないため、時間帯によってあったりなかったりする。
だから、午前中に授業が終わった日や、休みの日にお昼前から商店街に行く用事がある日はついつい買ってしまうのだ。
ただし、あまり日持ちしないので数日で食べきれる量しか買わないようにしている。
その最後の1個を、わたしの楽しみを彼は奪ったのだ。
「おい、歩美!!謝るから!プリンだったら俺がまた買ってくるからさ!!」
そんなことで怒ってるんじゃない!という言葉を飲み込んで無言で彼を再び睨みつける。
声を出さなかったのは涙が出ると思ったからだ。
何故か今ここで泣きわめいたら負けな気がした。
少しずつ歩み寄ってくる彼は、もう投げる物はないだろうと考えてるに違いない。
正確にはこれを投げるとは考えもしてないという感じだ。
でも、今のわたしは文字通り頭に血が上っている。
それに手を伸ばした瞬間、彼が何か言った気がしたが、それに耳を傾ける余裕はわたしにはなかった。
数日前、サークルの後輩の二階堂理沙ちゃんと、その友達で美容系の専門学校に通っている七瀬ひかりちゃんがうちに遊びに来ていた。
そして、わたしは有り合わせの材料で晩ごはんを作りながら2人の会話を聞いていた。
「理沙、大樹君と順調みたいじゃん♪」
「別に、これまでとたいして変わってないよ。」
「嘘つきー、この前2人が手ぇ繋いで歩いてるところ見ちゃったもーん。」
ケラケラ笑うひかりちゃんと、照れながらムッとしている理沙ちゃん。
一人っ子のわたしにしてみれば、この2人と一緒だと妹ができたみたいで妙に嬉しい。
大樹君というのは理沙ちゃんの彼氏で、以前にわたしがレシピを教えてあげた手巻き寿司のおかげで付き合い始めた(本人談)らしい。
「そう言うひかりこそ王子様は見つかったの?」
そんな理沙ちゃんのふてぶてしい声が聞こえてくる。
「ぜーんぜん。なんかさぁうちの学校、女子が多くて。まぁイケメンも少しはいるけど・・・。なんて言うの?こっちの業界ってオネェが多いってよく聞くじゃん?じゃあ、いつそっちに目覚めるんだろうって入学する前は思ってたのね。で、3ヶ月ちょっと経った今は、たぶん生まれつきホモなんじゃないかなぁと思ってる。」
「何それ?男同士でベタベタしてるの?」
生まれつきホモという言葉が可笑しくて噴き出してしまった。ボーイッシュな理沙ちゃんのことだから、そういう光景にはアレルギーを示すと思ったが、案の定そうだったみたいだ。
「いや、もちろん露骨に手を繋いで歩いたりとかじゃなくて、なんか雰囲気が独特って言うか、女子が立ち入れない感じ?しかも今時の男子どもは華奢な連中が多いから、余計にボーイズラブっぽいんだよね。」
相変わらずひかりちゃんはケラケラ笑っている。
「キモいからやめてよ、その話。そういえばバイトは順調なの?」
「んー、飲食店って初めてだから覚えること多くて大変だけどね。でも女の子少ない職場だからみんな優しくしてくれるし。それに最近ではお客さんも女の人が増えてきたらしくて、この前も綺麗なおねーさん3人組がカウンターで飲んでたよ。」
「え?そのおねーさんって・・・」
「違う違う!こっちは本当のおねーさん!!オカマじゃないよ!」
「もー、さっきから何言ってるの?ホント、ひかりちゃんの話は面白いなぁ。」
ごはんの準備が出来たのでわたしはキッチンから顔を出して言った。
「あゆちゃん!ごはん出来た!?」
待ってました!と言わんばかりにひかりちゃんが問いかけてくる。
「うん。今持ってくね。」
「先輩、私も運ぶの手伝います。」
体育会系の理沙ちゃんはいつも先輩に対する気遣いや礼儀を忘れない。年下ながら凄いと思う。
今日のメニューはホウレンソウのお浸しと厚焼き卵、鶏のから揚げ。全部お母さんに作り方を教わったものだ。
「美味しかったー!」
「先輩、いつもご馳走様です。」
食事を終えた2人の満足そうな表情を見ているとわたしも嬉しくなる。
「喜んでもらえて良かったぁ。」
「やっぱり料理上手っていいですよねぇ。私ももうちょっと頑張ろうかな。」
そのとき何故か妙な視線を感じたが構わず続けることにした。
「大樹君のために?」
「もー、先輩まで・・・」
「おっきい。」
わたしに何か言い返そうとした理沙ちゃんを遮って、ひかりちゃんがそう呟く。 そして、その妙な視線の招待が彼女だと気づいた。
「あゆちゃん、おっきい。」
次の瞬間、彼女はわたしの左胸を鷲掴みしていた。
「きゃあ!ひかりちゃん、ちょっと!!」
「ひかり!!何してんの!!」
「今まで気付かなかった。あゆちゃんがこんなにいいモノ持ってたなんて。」
「いいから離してよー!」
自分で言うと自慢のように聞こえるかも知れないが、わたしは胸が大きい方だ。そして、これがコンプレックスでもある。いつからかなのかは覚えてないが、猫背になりがちだったり、薄着をしなくなった。真夏でもTシャツ1枚というのは周囲の視線が過剰に気になってしまい、出歩くときは必ず何かを羽織っている。
「あー、ごめん。でも羨ましいよ、あゆちゃん。」
私の胸を掴んでいた右手に視線を落としながらひかりちゃんは謝ってきた。
「そんなことないよ・・・。」
自宅なので薄着だったし、女の子同士だからと思って気にも留めなかったが、やっぱり見ている子は見ているんだと思った。
そんなにいい身体だとは自分で思っていないのに。
「あ、そういえば蓮先輩元気ですか?最近あんまり顔出さないですけど。」
理沙ちゃんのことだから、この空気を変えようと別の話題を振ってくれたのだろう。気遣いはありがたいと思いつつ、実はこのことが最近のわたしの悩みの種なのだ。
「うん、元気だよ。最近は前ほどしょっちゅう逢ってないし、一緒にいる時間も短くなっちゃったけどね。それに・・・」
「何かあったんですか?」
たぶん、わたしが露骨に表情に出していたのだろう。理沙ちゃんが心配そうに聞いてくる。
「あのね・・・逢う回数も減ってるし、その時間も短くなってる割に・・・でも・・・毎回エッチだけは欠かさずしてるんだよね・・・。」
「え!?それってセフレじゃん!?」
ひかりちゃんのその一言は今のわたしには余りにも痛烈だった。
セフレ。
ここ何日かその言葉が頭から離れない。あのあと理沙ちゃんは
「歩美先輩に失礼だし、蓮先輩はそんな人じゃない!」
とフォローしてくれたが、わたしの心は晴れなかった。
翌日に
<あゆちゃん、昨日はごめんね。>
とひかりちゃんもメールをくれたが、別に彼女のことを責める理由もない。言われるまで気付かなかったというか、目を背けていたことだったのだろう。
わたしたちは付き合っている。何処にでもいる大学生のカップルだ。
わたしは蓮君のことが大好きだし、彼の方から付き合ってくれと言ってきたのだから向こうもそう思ってくれてると信じていたい。
だから、身体の関係があってもそれは普通なことだし、むしろお互いが五体満足なのにそれが全く無いのだとしたら、きっともう恋人同士とは言い難いだろう。
2人ともハタチ。ましてや男の子は最も盛り時なことぐらい一般常識として頭では十分理解しているし、周りの友達の話を聞いてる限りでも例外はいない。
これが普通なんだ、関係を求められて断ったら彼は傷付くんじゃないだろうか、私が自意識過剰なのかもしれないと何度も考えては、この胸の内を打ち明けられずにいるのだ。
向こうに今まで何人か彼女がいたのは知っているが、わたしは男の人と付き合うのも、恋人として手を繋ぐのも、キスもエッチも何もかも蓮君が初めてだ。
免疫というか経験値がないだけ、と自分に言い聞かせながらも、最近の彼の態度を見ていると「セフレ」というのは正に自分のために用意された言葉なんじゃないかと思えてくる。
ゴールデンウィーク明けくらいから授業とバイトが忙しくなったとかで逢う回数は減っていき、以前のように丸1日デートということもなくなった。
それ自体はたいして気にしていない。4年間の中でそういう時期もあるというのは何となくわかっていた。
でも、逢う頻度の差はあれど、彼が今ほど身体の関係を求めてくることはこれまでなかった。
大好きな蓮君に触れられること自体には決して嫌悪感を抱いたりしない。
それでも中学、高校と女子校だったことや、1人暮らしを始めたばかりの頃に電車の中で痴漢に遭ったことがわたしの中で引っ掛かっていて、あまり積極的な気持ちになれないのだと思う。
周りはひかりちゃんのように羨ましいと言ってくれるが、わたしの記憶の中で胸が大きくて得したことなんて皆無だ。
肩は凝るし、体型的に着れない(というか着たくない)服もたくさんある。だから体型を隠したくて、わたしは本来のサイズよりも1つ大きい服しか選ばなくなった。
今日は午前中で授業が終わったので、帰ってきてからそんなことをぼんやり考えているうちに外は暗くなっていた。ケータイを見ると蓮君から数分前にメールが届いている。
<今日はバイトが早く終わったから、今から歩美の部屋に行っていい?久しぶりに歩美の作ったごはんが食べたい。>
こんな気持ちになっていても、やっぱり逢いたいと思ってもらえるのは嬉しくてすぐに返信した。
昨日作ったけんちん汁の残りがあるし、焼き魚とかならすぐに作れると思い、近所のスーパーに買い物に行こうと思った。
ところが昼過ぎからぼーっとしている間にエアコンを点けてなかったので結構汗ばんでいる。
蓮君が来る前に部屋を涼しくしておこうとエアコンのスイッチを入れ、出掛ける前にシャワーを浴びようと洗面所に向かった。
部屋着のTシャツとショートパンツを脱いで下着姿になった自分が鏡に写ったのを見ると、昨年の夏休みにサークルのみんなと海に行ったときのことを思い出した。
そして、そのとき女の子の中でわたしだけは最後まで水着姿になることはなかった。
当時はまだ蓮君と付き合っていなかったし、何より男子に身体を見られるのがどうしても嫌だった。
いや、付き合っている今でも仮に2人で海やプールに行ったとして、わたしは水着だけになることはない気がした。
頭から少し熱めのシャワーを浴びながら、胸に手を当てて思う。
自分はなんでこんな体型なんだろう。こんな身体の何処がいいのだろう。
「お邪魔しまーす。」
「蓮君、ごめん。お塩切らしちゃったからちょっと買い物行ってくるね。」
「うん、行ってらっしゃい。」
塩なんて最もよく使う調味料を何故切らしたのか。
せっかく来てくれた蓮君を待たせて悪いという気持ちになりながら入れ違いでわたしは再び買い物に出掛けた。もう19時半を過ぎているというのに7月の夜は蒸し暑い。
それでもわたしは外を出歩くのにこの1サイズ大きいサマーニットを欠かさず着ている。
今日はごはんを食べながらでも、その後でもいいから蓮君ときちんと話をしよう。
面倒に思われてもいいから、わたしのことが本当に好きなのか確かめよう。
いくら家から1番近いとはいえ先ほどと同じスーパーに塩だけ買いに行くのも気が進まなかったので、同じ商店街の中のコンビニまで足を延ばすことにした。
その途中で必ず通るのが『EGG’smile』という店名が可愛く書かれた看板が印象的なケーキ屋さん。
店内にはカフェスペースもあり、こだわりの卵を使ったスイーツははどれも本当に美味しい。わたしのお気に入りのプリンもそのひとつだ。
もう今日は閉店のようで、以前に少しだけ話したことのある店員さんがせっせと片付けをしているのがガラス越しに見える。次の瞬間わたしと目が合い、彼女はにっこりと微笑んでくれた。
まだ高校生だと言っていたが、あのツインテールは10代の特権かもしれないと思いつつ微笑み返した。
ショーケースの傍に「本日は特製プリンは完売しました」と書かれた黒板を見つけて、今うちに1つだけあるそれは連君と話し終わった後に2人で半分こして食べようかななどと考えながらその場を後にした。
しかし、事件は起こった。
部屋に戻ってきて冷蔵庫にしまっていた魚の切り身を取り出そうとしたときに気付いた。そこにあったはずのわたしの大好物がなくなっている。
リビングに置いている1番大きな観葉植物の植木鉢を蹴飛ばして
「わたしのプリン食べたでしょ!!」
と怒鳴った。
今、わたしの手には小さな植木鉢が握られている。部屋にはわたしが投げたぬいぐるみや本が散乱し、彼は明らかに動揺しながら歩み寄って来る。
「歩美、よせって!!自分が何しようとしてるかわかってんのかよ!」
「うるさい!!連君こそわたしにしてることわかってんの!?」
「え?」
「忙しいのはわかるよ?でもメールの返事も最近は全然くれないし、電話もほとんど出てくれないし!しかもたまに何時間か逢えたと思ったら、すぐにエッチばっかりで・・・わたしのこと本当に好きなの?それとも身体目当て!?」
ダメだ。もう勢いが抑えられない。
「エッチしたいだけなら他の子でもいいんじゃないの?わたしは・・・わたしは蓮君の玩具じゃないっ!!」
そう言って右手に持った植木鉢を投げつけようとした瞬間に左手で手首を掴まれ、右手で頭を包む形で彼の胸元に抱き寄せられた。
「歩美・・・ごめんな・・・。俺、今歩美が言ったようなことを思ってるわけじゃないから。ちゃんと歩美のこと好きだよ。本当にごめん。」
そう耳元で囁かれて急に身体の力が抜けてきた。気が付くと植木鉢を手放していて、割れはしなかったものの足元に土が零れているのがわかった。
「俺、今まで1人の人とこんなに続いたことなくてさ。でも、歩美は俺が初めてだろ?だから、言い訳みたいになっちゃうけど・・・どうすればいいのかわかんないことも多くて・・・。歩美がそんな風に思ってるの気付けなくてごめんな。」
力と怒りが抜けたわたしの目からは涙が溢れていた。彼の優しさと、手や胸から伝わってくる温かさで胸がいっぱいだった。
「でも、歩美と身体目当てで付き合ってる気はないし、もちろん歩美の身体は好きだけど、それだけっていうか、当然玩具だなんて思ってないから。」
「蓮君・・・酷いこと言ってごめん・・・」
その場にへたり込むわたしに合わせて彼も姿勢を低くしながら、さっきと同じように優しく抱きしめてくれた。
今はこのままでいたいと思いながらかった、どれくらい時間が経ったかわからなかったが、気持ちが落ち着いたわたしは彼の手をほどいて、軽く涙を拭ってから精一杯の笑顔でもう一度言った。
「わたしこそ・・・ごめんね」
そこで改めて我に返ったわたしは
「お腹空いたよね?すぐに作るから待ってて。」
と言ってキッチンに向かった。まだ涙が少し零れる。
「うん、部屋は俺が片付けておくよ。ありがとう。」
時計の針はもうすぐ11時を刺そうとしていた。
けんちん汁の入った鍋を火にかけながら、この人と付き合って良かったと心の底から思った。
「出来たよ、お待たせ。」
☆フライパンで焼き魚 材料(2人分)☆
・お好みの魚の切り身・・・2切れ ・ネギ・・・適量 ・塩・・・適量
・サラダ油・・・適量 ・レモン(1/8カット)・・・2切れ
① 魚は取り除ける小骨などは先に抜き、キッチンペーパーなどで表面の水気をきっちり拭き取る。
② ネギは食べやすい大きさにカットしておく。
③ 熱したフライパンにサラダ油を注ぎ、盛り付けるときに上になる面から塩を2つまみほ ど振って強火で焼いていく。
④ 焼き色が着いたら中火にして、焼けていない方の面に塩をひとつまみ振り、魚をひっくり返したらネギも一緒に焼く。
⑤ 串などを刺して中まで熱くなっていれば出来上がり。レモンを添え、塩気が足りないようなら盛り付けた後にも軽く塩を振る。
AYUMI‘s Point♪
「最初に水気をきっちり拭き取ることで生臭みが取れて、味も入りやすくなるよ!」
☆けんちん汁☆
☆タマネギ・・・1/4個 ☆ニンジン・・・1/2本 ☆ごぼう・・・1/3本
☆里芋・・・2個 ・しいたけ・・・2個 ・こんにゃく・・・1/2個
・木綿豆腐・・・1/2丁 ・胡麻油・・・大さじ1 ・塩・・・ひとつまみ
・水・・・適量 ・味噌・・・適量 ・細ネギ(小口切り)・・・適量
① ニンジン、タマネギ、里芋は皮を剥き小さめの一口大に、ゴボウも水洗いして取れる皮は取り除いて同じくらいの大きさに、椎茸も同様に切り、木綿豆腐とこんにゃくは手でちぎる。
② ①で切った☆を胡麻油を敷いた鍋で軽く塩を振って中火で炒め、タマネギがしんなりしてきたらこんにゃくと豆腐も加えて軽く炒め、水を注ぎ沸くまで強火で煮る。
③ 沸騰したら中火に落とし、ニンジンや里芋に串が通るくらいまで柔らかくなったら味噌を溶いて、もうひと煮立ちさせる。
④ 器に盛りつけたら細ネギをちらす。
AYUMI‘s Point♪
「豆腐とこんにゃくは手でちぎることで味が染みやすくなるよ!飲むというより食べるスープのイメージで具だくさんに♪」
「やっぱり、歩美の作る料理は美味しいよ。」
「ありがとう。いつも田舎っぽいものばっかりでごめんね。」
「ううん、俺も1人暮らしだから、あんまりこういうの食べる機会ないし。歩美、もう時間も時間だから今日は泊まって行ってもいい?俺も明日はバイトも授業もないからさ。2人でプリン買いに行こう。」
「本当に?」
「うん、さすがに今回は奢るよ。好きなだけ買っていいよ。」
翌日、わたしたちは手を繋いで商店街を歩いていた。
蓮君が時々左腕を摩っているのは昨日の夜、腕枕をしてくれたからだ。せっかくカッコイイと思ったのに、目が覚めたときに腕が上がらないと言っていたのが面白かった。
あれほど無理をしなくていいと言ったのに。
「それにしても、昨日の歩美は恐かったよ。あんなの投げられたら、当たり所によっては死ぬぜ、マジで。」
「ごめんってば。」
笑いながらそう言う蓮君にわたしも笑いながら謝った。
「でもさ、気になることとか不満があったらちゃんと言ってくれていいから。溜め込まないようにな。」
その言葉が素直に嬉しかった。ちゃんと気持ちが通じ合えてると思った。
「うん・・・じゃあね・・・」
わたしは悪戯っぽく笑いながら言った。
「またメールの返事なかったら、今度こそ植木鉢投げる。」
蓮君の表情は苦笑いを通り越して引きつっていた。
<怒っても、泣いても、傷ついても、傷つけても、
たった一言の『ごめんね』が仲直りのおまじない。>




