地上の楽園
(警戒音が)鳴ればなるほど、心惹かれているということはあるものです。
これには何かの意図があって、私にだけサインが送られているのではないだろうか、というような考えも起こってきます。「自衛官募集」というのとは若干意味合いが違うのではないか、と更に考えます。
下手な考え休むに如かず、ということばが浮かんで頭を振りました。
私はパンを買いに来たのであって、楽園に行こうとしているのではないのだ、と思いだしました。
多くの思いを振り払って、コンビニに入ります。
と、その時入口のドアにあのまた下手な画が描かれたビラが貼られているのに気づきました。気づいても無視してとりあえず、パンの売り場に行って眺めていましたが、動揺したのか選ぶことができなくなって目についたものを二つ掴んでレジに戻りました。あんなビラをなぜ貼っておくのか、と若い店員を問い詰めても埒がないので黙っておきました。そしてそのまま帰ろうとしましたが、どうにも気になってドアの前でビラを見ていました。
下のほうに小さな字で主催「エヘン省」と書かれているので、どうもこれは、国家プロジェクトであるらしいことがわかりました。こんなものはインチキ宗教かサギのグループかと思っていたんだけれど、どうもそうではないらしい。税金を使って役人が計画したもののようです。
「地上の楽園」計画はかってあったようです。10万人の在日朝*人の帰国事業がそれでした。かの将軍の夫人もこの時期、海を渡ったのでした。ただ他の人間はほとんどク*、失礼、悲惨な生活を余儀なくされたようです。当時日本の政府も政党もこぞって賛成した事業であるといいます。どうして地上の楽園が北朝*にあると信じたのでしょう。でもそれは50年も前の話で、この楽園とは関係ないんだろうと思われますが、どっちにしても胡散臭いことには変わりがありません。
国のやる殺人は合法だし、戦争でたくさん人を殺せば英雄になれる。もちろん勝った場合ですが。インチキ宗教や サギのようなことを国が大々的にやると許されてしまうような歴史があります。そして騙されたり傷ついたりする者は愚者であるということです。
でもちょっと興味あるな、取りあえず失業中でやることないし、と心浮わつく私でした。




