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聞きたくない言葉
「……世界が悪いんだ。こんな世界が、すべて悪い」
女が呟いた。
涙を零しながら、弱々しく首を振って。
声は細く、風に溶けそうだった。
「あぁ、俺たちはただ生きていただけなのに……どうして、こんな目に……」
男が触発されたように言葉を継ぐ。
燃える街を、ぼんやりと見据えながら。
――聞きたくない。
「私たちはただ、静かに暮らしていただけなのに……なのに、どうして……!」
老婆が声を振り絞る。
唇が震え、皺の刻まれた頰を涙が伝う。
――聞きたくない。
「すべて……すべて、燃えてしまった……」
誰かが、ぽつりと零す。
――うるさい。黙れ。




