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昭和レトロ自販機来客簿〜悩めるお客様のあたたかい夜食〜  作者: 地野千塩


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エピローグ

 オートパーラー・オリーブの店主は、毎日朝四時に起き、五時には出勤する。


「おぉ、今日もよく晴れてるな」


 転主は車を停めると、店に向かい、店舗の様子をチェックした。使用済みのうどんやそばの器は、所定の場所に片づけられている。自動販売機の様子も、ざっと見る限り、異常は無さそうだ。


 最近、知り合いの同業者コインレストラン・佳味の店主から譲り受けた自動販売機も元気に稼働中だった。みそ汁の自動販売機で、当初はぼろぼろで手がつけられなかった。もうダメかとも思ったが、コインレストラン・佳味の店主と協力し、なんとか復活させた。自動販売機も手入れをしたら生き返るらしい。


「お、来客日誌見てみよ」


 店主はテーブルの上にある来客日誌をめくる。最近はお悩み相談の場と化してしまった。お客様が悩みを書き、店主が返事を書くこともすっかり日課となった。


「受験勉強が辛いか……。気持ちはわかるぞ。まあ、人生と比べたら受験はまだ優しい。頑張れ」


 店主はお悩み相談の返事を書き込み、ノートを閉じた。


 ちょうどその時、野良猫二匹が迷い込んできた。今日の野良は黒猫と、白猫。オセロみたい二匹だったが、人懐っこい。


「おぉ、野良たち。ここに餌はないよ」


 とはいえ、野良猫の可愛さに、店主も目尻が下がる。しかたがない。猫の餌でも買ってくるか。


「ま、この店は自由だしな。君たちもいつでも来ていいぞ」


 そう呟き、野良猫の頭や背中を撫でる。朝陽も明るい。今日はよく晴れてる。


「はぁ。今日も頑張るか」


 店主は伸びをし、さっそく猫の餌を買いに行くため、車の方へ向かう。


 さて、今日のお客様はどんな方たちだろう。


 とりあえず、今日の第一号のお客様は野良猫らしい。予想外だったが、それはそれで悪くない。なんでもアリだ。自由でいこうじゃないか。


「ちょ、車までついてくるな。お前ら、元気だな」

「ニャ!」

「ミャー!」


 野良猫たちの鳴き声が響いていた。

ご覧いただきありがとうございます。一応第二作目ではありますが、完全に独立している話なので、どこからでも読める形式です。


次は番外編短編の更新予定です。よろしくお願いします。

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