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夢の中の貴方

作者: 蒼青井
掲載日:2025/03/01

今日も布団に入ると天井を見つめる時間。

……眠れない。羊を数えても、ホットミルクを飲んでみても目がさえてしまう。

そんな夜、私は決まって妄想をしている。


こんなとき、そばに誰かがいてくれたらいいのに…。

優しくて、穏やかで、でも少し意地悪な人がいい。

私の今日の出来事を笑いながら聞いてくれて、退屈な夜を特別なものに変えてくれる人。


そんな妄想をしながら目を閉じると、不意に風が吹いた。

潮の香り、波の音、思い描く夢の中で目を開けると、知らない世界にいた。


そこは雲一つない空、星が輝いていて、目の前には海があり、水面には白い月が映る。

静かで綺麗な、理想の場所。


ここは私の思い描く夢の中のはず。

でも、目の前に立つ彼の姿は、あまりにも鮮やかにイメージされてリアルだった。


「やっと来た?」


出会って早々、問いかけられた。

銀色の髪に、夜よりも深い青の瞳。

肩上までの程よく長い髪が風に揺れている。

私の想像で作られた理想の彼がいた。


「貴方は……?」


私も問いで返してみる。


「君が望んだ人」


彼は優しい声色で微笑んで、私の手を取る。

指先が触れると、心地よい温もりが広がった。

私より大きな彼の手に、しっかりと握られる。

夢なのに、触れられた感覚のリアルさに驚く。


「眠れない夜は退屈だろ?」

「うん、そうなの」

「じゃあ、少しだけ話そう」


彼は私を海辺の岩に案内し、隣に腰を下ろした。

横に私も腰掛ける。

さざ波の音が心地よい沈黙を作っている。


「ねえ、いつからここにいたの?」

「いつからだろ?ずっと、君が来るのを待ってた」

「私の夢の中で?」

「ふふ、まあね」


くすりと笑う声が優しく響き、夢の中の、彼の声が心に残る。


「こうやって君と話してみたかったんだ」

「私と?」

「そうだよ、でも残念、今日はここまでみたいだ」


夢の中の視界がぼんやりとしてきて、まぶたが重くなってきた。

彼は名残惜しそうにこちらを見ているようだった。


「また会える?」

「もちろん、君が望めば会えるはずさ」


夢の中で、さらに夢へ落ちるような不思議な感覚になる。


…また会えるといいな。


それは声にはならず、視界が途切れる。

彼ともっと話したかったという思いや、別れる寂しさを心の奥で感じとりながら、私はふわりと意識を手放した。

眠れぬ夜のお供、第二弾です。

今回はより寝る時の状況に近付けるよう、妄想という形にしてみました。

また会えますように…

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