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他力本願

作者: とおる
掲載日:2023/01/23

これは私だけの物語だから、こうやってあなたが読むことのない手紙を書いてもいいんですよね。

あなたに直接伝えるには、この気持ちは黒くて、醜くて、直視できないものだから、ここに書き溜めて、浄化されそうな文章に囲まれて美しいものになればいいな。

まあ、直視できないのは私だけかもしれませんが。


あなたはいつでも、私のこんなぐちゃぐちゃした泥水のような感情から一つ一つの砂粒を見つけ出そうとその目でじっと見つめてくるんですよね。私が我慢できずに紡ぎ出す言葉の糸をくみ取り、砂粒を洗い流してくれるんですよね。

私のすべてを受け止めてくれたって誤解しちゃうから、やめてほしい。

私が受け止めきれない私を受け止められると、私の劣等感が、私の自己嫌悪が、私の嫌いなものが全部全部、さらけ出されてしまうから。もっと自分が嫌いになる。嫌いなのに、それは螫峨@縺上※、諢帙♀縺励>時間で、あなたに受け止めてもらえる自分に依存してしまう。あなたとの時間に、依存してしまう。


螂ス縺と依存の違いは何でしょうか。

自分のことが嫌いで嫌いで仕方がない私は、これ以上人を螂ス縺になってもよいのでしょうか。

他人にありのままでいいんだよと言われる、ありのままの私が螂ス縺って言われる。ありのままの私はこんなに自堕落で、醜くて、努力もできず、他人をただ羨み、妬み、できないままでいる自分を愛してと叫ぶただの子供なのに。

だから、隠しているんです。「いい子」「お調子者」「真面目そう」「面白い」「暗い」「明るい」「意外と普通」「かわいい」「考えすぎ」「優しい」いろんな仮面をかぶって、くるくる表情を回して、社会人ごっこをしました。あなたは私の社会人ごっこの舞台裏を見て、螂ス縺になってくれたのでしょうか。

頑張って生きる私が螂ス縺なら、頑張ることを止めて社会から逸脱しようとする私の事は、あなたは螂ス縺になってくれるのでしょうか。

こうやって私は、試してしまう。私は、他人の眼が怖いのです。他人が私を評価するのが怖い。他人の眼は、私自身の眼になり替わってしまう。誰かに「えらいね」と言われると、えらい子になろうとする。誰かに「できない子だね」って言われると、できない子でいようとする。そのくせ、誰かに期待されると裏切りたくなる。それで見捨てないことを、確かめたくなる。ほら、あなたも私のことを見捨てるんだ。って安心する。寂しくなる。


寂しい。寂しい。寂しい。螂ス縺。螂ス縺。螂ス縺。

そうやって直接伝える出来る関係性を構築するのは、どうしてこんなに難しいのでしょうか。

あなたにこの気持ちを伝たとて、私は自分の事を認めることはできないのでしょうから、幸せにはなれないのでしょう。

「あなたにとって幸せになるってどんなことなの」と、あなたは前に問いてきましたよね。

私はその答えをまだ見つけられません。でも、今のようなこんな虚無感を抱いて生きるのはとても嫌です。これがなくなれば、私は幸せなのでしょうか。そんな希望を抱くこと自体が、不幸とも思いますが。


だれか、私を、幸せにしてください。その言葉を吐くには厳しい社会に飛び込んでしまったようです。私は○○ができます、そんな風に売り込まないと、しょせん売り残ります。今私にあるのはただ「女」というラベルだけです。それももうすぐ市場価値はなくなるでしょう。

あなたは売れ残りそうなこの商品を、引き取るおつもりですか。やめてください、私に未来の希望を見せないでください。もう、期待するのは疲れました。

最近、よくフラッシュバックするのは親しい人の裏切られた顔と言葉です。「どうしてあなたはできないの、みんなできるのに」「ちゃんとやってないでしょ」「どうしてできないの」「残念に思った」「こっちの身にもなって」「やってないからできないんでしょ」「やらないならもういい」「何も言うことはありません」

ごめんなさい。ごめんなさい、ちゃんとやりますから許してください。ちゃんとするから、お願い、許して。

朦朧としながら、呟くのです。涙と鼻水で汚れた顔で、下をうつむいて。

でも、あなたのような人が現れると、私はすがってしまうのです。

助けて、ここから私を、助けて。って、手を前に出したくなるのです。

でも、私がそれを許さないので、この気持ちもいつも私の1300ccぽっちの脳内で完結してしまいます。私は、私が幸せになることを許してくれません。どうか、どうか助けてください。


これは、気持ちを伝える手紙のつもりでした。でも、伝えようとする気持ちは直視することはできませんでした。でも紆余曲折して出てきたのは、私自身の救いの願いでした。

ここから救い出して、言葉を洗い流してください。


そしたらきっとこの言葉を、私も見ることができる気がします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 助けを求める切実な気持ちがひしひしと伝わってきました。 確かにこのひとは決して強いひとではないのかも知れない。それでも、こんな風に思うことは私にだって、あなたにだって、本当はある。そんな気が…
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