26話:総力戦
「ゴボッ!!・・・」
「プルーニャが死んでしまいます!!ニンフェア!!・・・」
振り返りニンフェアを見るとニンフェアの足がガクガクと震えています。
「そんな・・・”爆発魔法”が効かないなんて・・・」
わたしはニンフェアに走り寄り平手打ちをしました。
パンッ!
「考えるのは後になさい!このままではプルーニャが死んでしまいます!」
「ソ・・・ソフィー様・・・はい・・・はいっ!」
ニンフェアがポケットに手を突っ込むと魔石を取り出し、
「【雷撃2】!」
さすがのトカゲも光の速さは躱せないのか雷撃が命中します。しかし数秒するとたいして効いていないのか、ロングソードを構えニンフェアに突っ込んできます。ニンフェアは後ろを振り向き、部屋の奥へと走り出しました。
「ソフィー様!プルーニャを部屋に引きずって、扉を閉めて!!」
「え、あ、はい!わかりました!」
ニンフェアには何か考えがあるのでしょう。わたしはプルーニャを助けに走ります。
「【雷撃2】!」
後ろで雷鳴が轟、稲光がわたしの前に影を作ります。プルーニャ死なないで!
プルーニャの腕を取り必死に引っ張ります。わたしより小柄なのに中々動きません。ぐったりしている人ってこんなに重いのですね。わきの下に両手を入れ、腰を入れて引きずりながら部屋に入れます。ふと視線を感じ左を見ると・・・ゾクッ!
「ト、トカゲ!!」
もう1匹いました!ゆっくり歩いてきます。わたしは必死にプルーニャを引きずると、急いで扉を閉めます。その瞬間、
ドンッ!!!
「きゃあ!!」
トカゲが扉に体当たりをしてきたようです。しかし一度閉まった扉はびくともしないようで入ってこれないようです。少しちびりました・・・
「プルーニャ!?」
「あ・・・うぅ・・・ゴホッゴホッ」
また血を吐きました。内臓をやられたようです・・・
「はやく!回復を使ってください!!」
「あぅ・・回・・・ふ・・・」
プルーニャの手から力が抜けました!?・・・死んじゃう!?わたしはプルーニャに抱きつき、
「お願い!!【回復】して!!」
その瞬間頭に飾っていたティアラが輝き緑色の光がプルーニャを包みます。
「あぅ・・・がはっ・・・か・・【回復2】ニャ・・・」
ぱぁっと輝きが増しプルーニャの傷が癒えていきます。同時にティアラが光を失い砕け散りました。
そうです、確か王女のティアラに回復1回の効果がありました。他にも何か・・・
「ソフィー様助かったニャ・・・ありがとニャ」
回復したとはいえプルーニャはまだ立ち上がれません。背嚢から魔石を取り出しプルーニャに渡します。
「これで回復してください!」
「ソフィー様?・・・」
わたしは背嚢からプルーニャ調教電撃ムチを取り出すと、トカゲに向けて走り始めました。
「護りの腕輪(不可視盾5回)、幸運の指輪(運命操作1回)、身代わりのアミュレット(即死回避1回)、魅惑のペンダント(魅了2回)、電撃のムチ(雷撃4回)これだけあれば!」
勢いでトカゲに向かって走りますが、どう戦えばいいのでしょう・・・武器はこの電撃ムチのみ。叩けばいいかな?・・・最悪でも、即死回避1回があるので何とかなります!たぶん・・・きっと・・・おそらく・・・
トカゲの背中が見えますがニンフェアの姿が見当たりません。一体どこに?トカゲの顔が上を向いています。その視線の先をたどると、黒いローブを脱ぎ捨て光る羽から鱗粉を振りまきながら、空中に浮かんでいるニンフェアの姿が・・・飾りだって言ってたのにっ!?
「【雷撃2】!」
ギャオオオオッ!!
ニンフェアはトカゲが迫ると電撃で動きを止め、次の瞬間トカゲの背後に現れます。
「【短距離転移1】!【爆発3】!」
爆発魔法を放ちますがトカゲの背中は堅い鱗に覆われており、攻撃が当たってもすぐに反撃が飛んできます。
ジャラララ!魔石を湯水のように使い空中をあちこち現れては魔法を放ち、消えては現れて魔法を放つを繰り返しています。ダメージがどの程度入っているか分かりませんが、トカゲが着ていた革鎧はちぎれて無くなっています。トカゲは爆発だけは嫌がっているのか、常に顔は隠しています。きっと顔面に受けるのはまずいのでしょう。これしかありません!
「ニンフェア!わたしが動きを止めます!その隙に爆発魔法を!!」
「なっ!?ソフィー様ダメだっ!!」
わたしの持っているアイテムを使えば!わたしはプルーニャ調教電撃ムチを振りかぶり、トカゲに突撃します。
「ソフィー様ダメニャ!!」
トカゲがわたしを一瞥し煩わしそうにロングソードで薙ぎ払います。
ガキン!!私の前に不可視の盾が現れトカゲの一撃を防ぎます。
「やあああああっ!」
トカゲはわたしのムチを軽々とかわし再びロングソードで薙ぎ払おうとして、
ガキンッ!再び不可視の盾が防ぎます。トカゲがイラついたのか連撃を放ってきます。3,4,5!・・・護りの腕輪の使用回数が切れたタイミングで、
「今!」
わたしはトカゲに飛び込みプルーニャ調教電撃ムチをトカゲの足にぶつけました。
「雷げ・・・!」
雷撃を放つ瞬間にトカゲがロングソードを振り下ろしました!
ザクッ!!
ロングソードはわたしの幸運の指輪だけを切り裂き地面にめり込みました。幸運の指輪(運命操作1回)の効果はこんな感じなんですね。
「雷撃!!」
バリバリバリ!!!!
「ニンフェア!爆発魔法を!!」
バリバリバリ!!!
「【短距離転移1】!」
バリバリバリ!!
ジャラララッ大量の魔石が地面を跳ね、ニンフェアがわたしの横に現れます。
残り1回!電撃ムチの効果が消えます!
バリバリバリ!
「【爆発3】!」
ドゥンッ!!
ニンフェアがトカゲの顔の前に手のひらを突き出すと、爆発魔法がさく裂しました!トカゲの頭が吹き飛び、反動で体は空中で一回転して地面に落ちました。一回転する時にトカゲの爪が少し腕をかすめました。
「痛っ・・・」
トカゲが光の粒になって消えると、何度もレベルが上がった感じがしました。これはなんと言いますか、酔いそうですね・・・
レベルアップのおかげでプルーニャの怪我も、わたしが迷宮で初めて負った怪我も癒え、みんな無事です。無事ですが・・・
「まいったニャ」
「予想以上だね」
「疲れましたわ・・・」
・・・たった1匹に壊滅状態にされました・・・
大量にあった魔石は半分以下になり、わたしのアイテムは回復の王女のティアラ、不可視の盾の護りの腕輪、運命操作の幸運の指輪、プルーニャ調教電撃ムチとことごとく使用回数が無くなり失いました。
得たものはいくつかのレベルとトカゲの魔石一個・・・
あとは、ニンフェアが飛べるという事実!
「ニンフェア!あなた本当は飛べましたのね!?」
「いや、あれはその・・・そ、そういえばソフィー様、ボクは新しい”スキル”を3つ手に入れましたがソフィー様は?」
「新しいスキルですか?あれ?なぜ鑑定も使わずにスキルが見えるのでしょうか?・・・【完全記録1】が消えています・・・代わりに・・・非表示【F52】0「年齢制限」?、時間遡行2、魅了1、付与魔術:加速1、鑑定1・・・が、ありますね・・・どういうことですかコレ?・・・」
「「えっ?・・・」」
二人が固まってしまいました。なんでしょう見るからにあやしい、非表示【F52】0「年齢制限」って・・・これでは何もわかりません。時間遡行2?これって最初から持っていたスキルですよね?魅了1・・・なんでしょう、かわいくなれるのでしょうか?付与魔術・・・聞いたこともありませんね・・・鑑定・・・鑑定1!?




