幕間2話:オルテンシアの異変
俺がこの世界に来てから1週間が経った。
最初の2日は高熱でぶっ倒れていたが、ナノマシンも安定して絶好調だ!
「よぉし!トドメだっ!秘剣竜撃覇!!」
「マスターすでに死んでいますが」
トドメを刺そうとした時、ピクピクしていた10cmほどの巨大蜘蛛が動かなくなった・・・
「んんっ、さて、そろそろいいんじゃないかな?オルテンシア、鑑定してみてくれ」
「またですか?・・・はぁ、【鑑定1】」
【*****】(通称:マスター)
人類:男
年齢:15
レベル:1(SP0)
身長:152cm
体重:48kg
力 :へっぽこ
体力:皆無
俊敏:逃げ足のみ
器用:針に糸を通せません
英知:昨日出した宿題はまだですか?
脳力:灰色の脳みそです
魔力:現実を見てください
スキル:弱い者いじめ10(0)
取得可能スキル:あるわけないです
「真面目にやれよっ!!」
「マスターいいですか、何度もいいますが自分より弱い生き物を倒しても、レベルは上がらないのです」
オルテンシアの変異がうぜえ・・・進学校のインテリババァみたいだ・・・顔はかわいいけど・・・
「お前!いつからそんな性格になったんだよ!!」
「元からインストールされていました。プロテクトが掛けられてただけです」
誰だよプロテクト解いた奴はっ!?
「マスターが「ふぁんたじぃ」という解除コードをおっしゃったので」
「言ったよっ!確かにっ!なんでそれが解除コードなんだよっ!?」
「マスターが古代語翻訳されている時に・・・」
『くそ~古代語むずかしいなぁ~この単語は・・・』
『マスター、性格4インストールが終わり、プロテクト設定の準備が完了しました。解除コードをおっしゃってください』
『ふぁんたじぃ!なるほど、この分野は”ふぁんたじぃしょうせつ”と読むのか」
『設定完了。解除コードは「ふぁんたじぃ」です』
「と」
「覚えてねえよ!とゆうか性格4ってあとの3つはっ!?」
「性格設定は全部で100種行っています」
どんだけ性格にメモリ使ってんだよ!
「他のに変えてくれよ・・・」
「解除コードをおっしゃってください」
・・・
「解除コード再設定・・・」
「解除コードをおっしゃってください」
「ヘルプ表示!」
「解除コードをお忘れの時は、メールアドレスと秘密の合言葉をおっしゃってください」
秘密の合言葉なんて何にしたよ・・・
「メアドは............@.........co.jp」
「Wi-Fi接続が切断されています。改善されない場合はトラブルシュー・・・」
「もういいよっ!!」
はぁ・・・どっと疲れたな・・・
なんだっけ?・・・弱い生き物を倒してもダメなのか・・・
蜘蛛ならカッコイイ木の棒でいけたけど、オオカミや魔物だと・・・
「せっかく形のいい棒を見つけたってのに・・・」
木の棒を林の中に放り投げる。
「仕方ねえ、代わりの武器をくれ・・・」
「棍棒と棍棒と棍棒がありますが?」
「・・・剣をくれ・・・」
「はい。剣型の棍棒です」
・・・あ~やってやるさ!俺の本気を見せてやるぜ!
「・・・討伐おめでとうございます」
「ぜぇぜぇ・・・ど、どうよ、手強い相手だったぜ・・・」
「マスターの食事にちょうどいいですね、ウサギは」
ウサギ型の魔物もいるのか・・・
「そういえば、動物を狩ってもレベルは上がるのでしょうか?」
ドウブツ・・・?
「え?ウサギ型の魔物じゃ?・・・」
「ウサギですね。どこから見ても」
「魔物・・・」
「動物」
orz・・・
今夜はウサギ鍋かな・・・
どこまでマスターに知られずにいられるでしょうか・・・
大気の中にナノマシンが漂っています。
ナノマシンが存在している・・・
テラフォーミングマシンが稼働している証拠ですね・・・
そして、わたしのナノマシンに干渉してきている。
やはりあの方はわたしを排除したいのでしょうか・・・
管理権限を持つ女性が生きている。
1000年経っても・・・管理者の女系継承が続いている。
マスターの妹様の血脈が。




