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11話:ひっそりとレベルアップ

 わたしは片目をつむって「迷宮」に飛び込んだニャ。

 中は薄暗く一瞬何も見えにゃい。目が慣れるのに少し時間がかかるのニャ。つむっていた目を開けると、暗さに慣らして(にゃらして)いた目に光が飛び込んでくる。幸い魔物はいにゃかったけど、最悪入った瞬間やられることもあるのニャ。


 久しぶりの「迷宮」はあいかわらずジメジメしているニャ。床は板張りで壁は土壁っぽく所々に木の柱があり、天井も板張りニャ。こんにゃ作りでにゃんで腐らにゃいのかニャ?


 左右を警戒していると兵士の二人が飛び込んできたニャ。まだ若い兵士で10代後半くらいに見えるニャ。


「君たちはそっちを見張ってニャ」

「「は、はい」」


 入り口を入った所は少しだけ広くにゃっているけど、部屋というほどではにゃく左右に通路が見えるニャ。右の通路を見張ってもらってる間に左の通路に飛び込み先をうかがうと・・・空中を泳いでいる巨大メダカたちと目が合ったニャ。


 シャアアアアアアアアアア!!!!


 メダカたちは歯をむき出しにして襲い掛かってきたニャ。数は6匹。わたしはダガーを両手に逆手持ちして突っ込み、12個の破片にしたニャ。ちょうどその時ソフィー様とニンフェアが入ってきたニャ。


「プルーニャ」

「左ニャ。右は撤収よろニャ」

「ん。兵士さんたちボクについてきて、そっちは危ないよ。ソフィー様はプルーニャの後ろに」

「わかりましたわ」


 やっぱり指示を出すのはニンフェアが向いてるニャ。わたしは動いてるほーが楽ニャ。


「すぐに移動しよう。ここにいたらすぐ見つかってしまう」

「アイアイニャ~」


 それから30分ほど魔物を倒しにゃがら移動して、地下2階への階段前まできたニャ。

 魔物は階層をまたいでの移動はできにゃいらしく、階段の中間あたりは安全地帯ににゃってるニャ。


「ここで休憩しよう。兵士さんたちは階段の上下に分かれて、常にソフィー様を挟むようにしてね。」

「「わ、わかりました」」

「ソフィー様お水飲むニャ?」


 わたしは【揚水の杖B】を階段に刺して杖の頭を捻る。チョロチョロと水が出てきてソフィー様の持つコップを満たしていくニャ。


「ありがとうプルーニャ」

「どーいたしましてニャ♪君たちも飲むかニャ?」

「「いただきます」」


 休憩中ニンフェアが背嚢を漁って腕輪を取り出したニャ。


「ソフィー様、これをつけておいてね。不可視の盾を作ることのできる腕輪だから」

「わたし、宝石商にでもなったみたいですね。腕輪、指輪、イヤリングにペンダント、アミュレットにティアラまで」


 成金趣味みたいにゴテゴテしてるけど言ったら怒られるニャ。


「成金趣味みたいだね」


 言っちゃったニャ。ニンフェア・・・ソフィー様苦笑いしてるニャ。


「どれもソフィー様の命を守るための物だからはずさないでね」

「ニンフェア、そろそろ話してくれるかしら。何があったの?」


 わたしも聞きたかったニャ。


「財務大臣のリッチ侯爵が「迷宮」を奪いに来た。おそらく旦那様が王都に呼ばれた件と関係してるのかな」

「なんですって!?」

「「迷宮」から産出する富は莫大だからね。独占したくなっちゃったんじゃないの?」


 みゅ~めんどうにゃことににゃってるニャ。


「お父様は無事かしら・・・」

「影がついているからね。最悪でも王都脱出はできると思うよ」

「わたしたちはどーするのニャ?」

「予定通りソフィー様の”レベル”上げを行うよ。出口は固められてるしね。強行突破するにもソフィー様が簡単に死なないようにしとかないと」


 ふみゅ、ニンフェアも気づいてるよニャ?ソフィー様すでに”レベル”上がってるって、たぶん2つニャ。

 ここに移動するだけでもそこそこ狩ってるし、人数が予定の半分以下ににゃってるから上がりやすくにゃってるのかニャ?


「装備品の確認をするよ。各自点検してね」

「わかりましたわ」



 点検して気づいたことは・・・食料が足りにゃい・・・


「がんばって4日分か・・・」

「申し訳ありません!兵站担当でありながら、迷宮の町で購入しておりませんでした・・・」


 兵士さんの一人が頭を下げて謝罪してるニャ。


「まあ、急に「迷宮」に入ったからね・・・水があるだけましか」

「どーするのニャ?戻るのかニャ?」

「いや、・・・地下4階に降りよう。あそこまでなら明日には行けるし引き返しても脱出までは食料も持つ。運がよければ魔物素材の「肉」がとれたはずだよ」

「うぇ・・・アレ食べるのニャ?・・・」


 地下4階ではいくつか「お肉」素材を落とす魔物がいたニャ。まずくて食えたものじゃにゃかったけどニャ・・・


「ソフィー様いいかい?」

「「迷宮」内のことはニンフェアたちにまかせますわ」

「君たちは、あー・・・そういえば名前も聞いてなかったね。ボクはニンフェア、そっちがプルーニャね」

「よろしくニャ」

「あ、はい。自分はアレサンドロ・フェラーリです。アレクと呼んでください。ナターレ領工兵部隊長です。」


 そう言ってローブのフード部分を後ろにずらしたニャ。2m近くある身長で文字通り見上げるほどの大男だニャ。顔は穏やかそうにゃんだけど、傷だらけで歴戦の強者(つわもの)風に見えるニャ。


「わたしはルカ・デルーカです。兵站部隊にいました。」


 もう一人の小柄にゃ兵士さんも顔を見せたニャ。そばかすのある愛嬌のある子だニャ。


「あらためて、ジプソフィーラ・ディ・ナターレです。皆さんよろしくお願いいたしますね」

「ところで、ルカ『ちゃん』?ルカ『君』?」

「・・・・これでも男です・・・」


 ま~華奢にゃ体つきに声まで高いから(おんにゃ)の子かと思ったニャ。ニンフェアもわかんにゃかったみたいだし。


 わたしとニンフェアは大きめのローブで、体つきから顔まで隠しているニャ。わたしたちも顔を見せた方がいいのかニャ?チラッとニンフェアを見ると小さく首を振っていたニャ。まあニンフェアはともかく、わたしは耳が人族じゃにゃいからバレバレだしニャ~


「それではいこうか」

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