なつかしのオーダー
なつかしいオーダー
さっき寄ったレトロなお店の雰囲気そのままに
男女4人で出かけた初めてのデート
映画のタイトルはもう忘れてしまったけど
見終わったあと
喉が渇きすぎて
立ち寄った喫茶店で注文した、
あのときの味だけは
いまも忘れずにいる
ストローで勢い余って飲んだ
喉を通る感覚のことも
隣に座るより
正面に座られたほうが緊張したこと
ずいぶんと覚えている
あのときは、ただ笑うだけで良かった
それ以上のことを話してもらっても
聞いたことすべてをココロの中に
収めることはできなかったから
あなたは
いま元気で過ごしていますか
風の噂で、遠くの街で
自分の夢を叶えていると聞きました
あのときの
あなたの言葉を思い出せないのは
少し、残念ではあるけれど
なつかしさがこみ上げてきた分
幸せでいて、と思うのでしょう