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STRANGE  作者: おもち!
1/6

世界のもう一つの顔

「こちら『(カラ)』、目標回収しました」


「了解。直ちに帰還せよ」


薄仄暗い、何処か不気味さを感じるコンクリート打ちっぱなしの迷路のような建物の中を駆け抜ける者が1人。

黒いパーカー

黒いジーパン

黒いスニーカー

狐の仮面

のその者の容姿は不審者そのものであった。

会話相手らしき者は存在せず、イアホンを通した無線機器での会話であることが分かる。

そして不審者の手元には、血と思しきものが付着したナイフ。

状況だけで言えば殺人後の逃走している不審者で間違いないだろう。

しかし、通常のナイフとは違う点がひとつ。


「うわっ、また出てきた」


()()()()()()()()突如としてナニカが現れる。

黒くもやがかっているが、辛うじて人型であるということが識別出来る『それ』は不審者の右手にあるナイフへと一直線に飛びかかる。

ダン、と『もや』が足を踏み込めば、20mはあったであろう距離が2秒とせずに詰められる。


「司令部......今日戦闘ないって聞いたから装備無いんですけど」


恨めしげに不審者は呟く。返事はない。


「しかもなんかすごい速度で迫ってくるし......」


と秒速15mはありそうな速度で向かってきた『もや』を横に跳んで避ける。

『もや』は勢いもそのままに建物にぶつかり、大きなひび割れを作って霧散していった。

実はこれを回収しようとした時にも同じ現象が起きており、不意打ちで一度奪取されている。

再び、イアホンに音声が届く。


「出口はそこから100m、直進して2つ先の曲がり角を右に曲がった後に左方面に向かえばある」


「愚痴は聞いてくれないのにナビゲートはしてくしてくれるんですね」


軽口を叩きながら不審者が足を踏み込む。

トンッという軽やかな音に反してその速度は先程の『もや』よりも速いようにすら見える。

コンクリート打ちっぱなしの建物内を異常な速度で走り抜け、右に曲がり、左方面に進む。

その先は行き止まりになっていた。


「空、これより帰還します」


「直ちに回収品は本部に持ってくるように」


「はいはい分かってますよ......」


が、不審者は行き止まりになっていることなど気にしないと言わんばかりに壁に向かって歩いていく。

壁にぶつかり、押しのけられる———————ことはなく、すぶすぶと体がコンクリートに呑み込まれていく。

次の瞬間に、不審者は路地裏へ出現した。


「相変わらず出口がどこに繋がってるのか分からないのバグだよなぁ......」


そうぼやきながら、静かな夜街を1人の不審者が駆け抜ける。

一分もしないうちに小さなビルの前に辿り着き、ビルの中へとその姿を消した—————————————





この世には、一般的に知られる顔ともう一つの顔がある。

一般的に知られる顔、というのはいわゆる科学的なものだったり、既に証明されたものでありふれた世界だ。

そしてもうひとつは、『それらから逸脱した』世界である。

科学的に証明できない物体、それに準ずる体質の人間。

そういったものが少し前、ほんの七年ほど前から日本各所に『異常空間』と呼ばれる空間とともに現れるようになった。

そして、それに伴って異常物体及び異常体質者を回収、研究する機関も作られた。


『箱庭』


国が置いた異常物体及び異常体質者の回収、研究機関であり、同時に”俺”が勤めている場所でもある。

学生の身ながら働くことができているというのは、ある種の幸運なのだろうか。

それとも、関わってしまった以上辞めることが出来ない呪いのようなものなのだろうか。


「はい、回収しました。お疲れ様でした」


受付研究員、おそらくは新人研究員の言葉で現実世界に戻る。


「あの......いや、研究員さんに言っても仕方ないんですけど」


「どうしました?」


「上の方に「任務の危険度の基準どうなってんだ」って伝えてもらえないかなって」


「あぁ......空さんだと言い難いですもんね。分かりました、お伝えしておきます」


「ありがとうございます。じゃ、俺はこれで」


そう言って、ビルの出口へ再び向かう。

出口のガラス扉に、黒パーカー黒ジーパン黒スニーカーに狐の仮面の不審者が映る。


「格好、改善した方がいいかなぁ......」


誰に向けた訳でもない独り言を呟きながら家へと帰還する。

国家研究機関『箱庭』

俺が勤める企業にして、異常物体及び異常体質者の回収、研究機関の中で最大手とも言える国家事業である。

何故学生の身分でそんなところへ勤めているのかと言われれば、七年前のちょうどあの日にもうひとつの世界に関わってしまった、というのが原因だろう。

幸いうちは両親が海外へ消えてから連絡が取れず、何故か諸々の支払いのみがされる家だけがあるから夜遅くの仕事が出来るのだが。

『箱庭』では、異常空間と呼ばれる存在し得ない空間に特定の入り口から入り、内部にある異常物体を回収することが俺の仕事である。

異常物体、なんていうのも長ったらしい上に堅いため、箱庭内では基本的にこう言った呼び方がなされる。


           異常物体(STRANGE)

一話で主人公の名前が明かされてないのはどうなんでしょう......

あと今回話を見てなにをしてるのか分からない人、多分正常です。

次から説明をちゃんの入れますので何卒......

※11/23 大幅な修正、もとい改変を入れました

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