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新入大学生と不思議な指輪の異世界探索  作者: 蜜柑(みかん)
第一章  発端
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第十一話  クエスト 野盗退治Ⅰ

 シスターから聞いた僕の職業は具体的な職業を示すわけではなく、その場にいたレイナ、シグレ、クーンも一緒に沈黙した。


 ちなみに階位は九だった。


「シスター。その『イレギュラー』というのはどんな職業ニャ?」


 猫人族であるクーンが代わりに聞いてくれた。


「私もこの職業を見たことがありませんし、教会関係者からも聞いたこともありません。ですが、珍しいことではありません。十万人以上の人がこのトレドだけでもいるのですから、定まった職業だけとは限らないのです。年間数種類の新しい職業が発見されています。そこの男性の方、お名前を教えてください」

「はい、シュウジ=クロダと申します。みんなシュウと呼んでいますのでぜひそう呼んでください」

「私はマリアンヌ=ワイズといいます。マリーと呼んでくださいね。シュウは苗字持ちなのですね。それでは教会の方に報告はしておきます。こちらへ顔を出して定期的に報告してくれると私達としては非常に助かります」


 目を付けられてしまった僕はなんとなく居心地が悪くなって教会を出る。


 今度は気を取り直して武器屋へ案内してもらう。



 教会から武器屋へ行くにはトレド中心の城塞から離れて、ニーナばあやの魔素屋の方へ戻る途中にあった。


 案内された武器屋は、大通りに面していて綺麗な店構えである。当然働いしてる人も人間ばかりである。


「いらっしゃいませー」


 店に入るなり、気持ちの良い声が響く。


「何をお探しでしょうか?」

「剣と杖、それに短剣を見たいんだ」


 昨日の夜のうちに話し合って、それぞれの得意な得物を僕は剣、レイナは杖、シグレは短剣と金属バッドにすることに決めていた。案内されるままにそれぞれの武器を眺める。ふと綺麗に装飾された剣があって手に取ってみた。


「そちらは宝玉の剣といいます。金貨十枚と大変お買い得になっています」

「げっ!」


 落とさないようにそっと元の場所に戻す。金貨十枚だと手持ち資金ではとても足りなかった。装飾のない剣も最低金貨一枚で、この店の剣などの武器はすべて高かった。


「レイナはどう?」


 レイナは前回この世界に来た時にオークを倒して獲得した赤い宝石のついた杖を使っていたが、今回は警察に没収されていて当然こちらには持ち込んでいない。


「うーん、悪くはないですが……」


 歯切れが悪い。


 シグレも同じ意見で、一度僕らは店を出ることにした。


 それから通り沿いにある大きな店に数件立ち寄ったが、どれも同じだった。武器なしだと不利なので、仕方なくどこかの店で買ってしまおうという雰囲気になったときに指輪がつぶやいた。


『あそこはどうじゃ? おぬしたちの求めるものが売っているのかはわからんが、魔素が店の中から流れ出しておるぞ』


 指輪の言った店というのが、通りから一本中に入った道の角にあって、木製のボロ小屋だった。店先に剣をぶら下げていなかったら、誰もわからなかったと思われる。


 入ってみるだけと思って僕ら三人とクーンは店の扉を開けた。


 店内は狭く薄暗いが、剣・短剣・斧・槍・杖などのよくみる武器と鎧・盾など防具が店内に敷き詰められるように置かれていた。そのうちいくつかは色のついた宝石が埋め込まれていて、オークの杖と雰囲気が似ていた。


「なんじゃい」


 店奥から男性の声がする。


(だれもいないな)


 そう思ったら店のカウンターから、


「ここじゃ」


と声が聞こえてきた。


 よく見るとカウンターの下にヒゲおじさんが立っているではないか。


「ドワーフだニャ」

「そうじゃ。ここの店主じゃ。ひやかしか?」


 ケンカ腰で用件を聞いてきた店主のドワーフはガデッサと名乗った。


「武器を探しているんだ。性能のなるべく良くて安いやつがほしい」

「フン! そんな奴が欲しいんじゃったらいくらでも店があるじゃろう」

「どの店のも高いんだ。それにここは……魔素に満ちていた」


 そういって手元にあった一本の杖を手に取った。


「前にオークを倒した時に赤い宝石がついた杖があって、それを使っていたことがあったんだ。宝石がついていると魔素が通りやすいみたいで、仲間の術が威力を増していた。それに似た武器を作れるんじゃないのか? ほかの店にはそのタイプは売られていなかった」

「お願いします。どうしても強い武器がほしいんです」


 レイナがそう言うと、またフンと言ってそっぽをみたガデッサは、ふと視界に入ったものに目が留まったらしい。


「おい、貴様の持っているその棒はなんだ?」


 どうも金属バットのことを言っているらしい。バットを渡して見せると、


「軽いな」


と感心したようだった。僕らからすれば当り前だ。中が空洞になっていることを伝えると、今度は印刷された表面のメーカーロゴが気になったようだ。


「すごい綺麗な細工だな」


 ガデッサがバッドに興味を持った様子を見て、バット一本よりも全員に確実な武器が欲しかった僕はある提案を持ちかけることにした。


「いまおじさんが眺めているバットと交換で武器をもらえないか?」

「なにぃ~」


 唸るような返事だ。


 ガデッサはしばらく悩んで『わかった』と言った。


(取引成立だ)


 僕らはそれぞれに得物を選び始める。


 僕は長剣とナイフを選び、そのうち長剣には黄色い宝石が埋め込まれているものにした。初めは違う色を選んだが、魔素を通してみると黄色い宝石がついている長剣の方が圧倒的に魔素の通りがよくて、手にも馴染んだためその感覚を優先した。


「お前、雷を扱えるのか?」


 店主の興味は次に僕に移ったらしい。


「はい。練習中ですが」

「フン! そいつは試作で作ったやつだ。俺が作っているのでそんじょそこらの剣よりはるかに切れ味はいい。しかも魔石付きでな。材質は鉄だが、初心者には十分すぎるだろう」

「なぜ初心者だとわかった」


 シグレが聞くと、ガデッサはクーンを指さした。


「戦闘に役に立たない猫人族と一緒に武器を選んでいるからさ」


 クーンは怒るかと思ったがうなだれて両耳が倒れてしまった。


「そうなんだニャ。僕らだけで戦闘をこなすのはなかなか難しいんだニャ……」


 結局、レイナは木製で以前と同じく赤色の魔石付きの杖、シグレは短剣と剥ぎ取り用のナイフにした。


 クーンからは冒険者やるなら倒した魔物の討伐を証明するものが必要となると言われたので、それを確保するためのナイフもつけてもらった。防具も欲しかったが、金属バットを渡しただけでは足りず、それが限界だった。やむなく僕らはニーナばあやからもらった服とローブで我慢することにした。


 全員で武器屋を後にして、今度は冒険者ギルドへ登録に向かった。



 ガデッサの武器屋から大通りに戻って、さらに門の入り口側へ歩くこと数分、待望の冒険者ギルドにたどり着く。


 そこは大通りに面していて三階建ての建物、敷地は広く整備され、建物の裏側には訓練用と思われる草原、さらにその後ろにも一階建てだが広い建物があった。クーンはそこを魔物解体に使ったり、討伐した魔物を鑑定する場所だと言った。

 

(いよいよか)


 ワクワクしながら四人で冒険者ギルドの門をくぐった。


 一階は一つの大きな部屋の造りで、玄関から反対側にカウンターが設置されて受付のギルド職員がいた。受付係も、受付に並ぶ人も複数いて、職員と活発なやり取りをしているようだ。中には大声で職員を怒鳴りつけている奴もいた。


 その横には広い掲示板が設置されていて、乱雑に張られた依頼書と思われる紙がびっしりと並んでいる。


 ほかのスペースは休憩所となっていて、テーブルとイスが十数組並べられ、ほかの冒険者達が思い思いに座って雑談をしていた。すでに酒を飲んで顔を赤くして盛り上がっている者もいた。


(昼間から酒か。こっちにも酒好きが多いことには変わらないのか)


「こっちの列だニャ」


 僕、レイナ、シグレの三人でクーンの案内に従って列に並び、しばらく待つと職員に呼び寄せられた。職員は人間族の女性で、綺麗な服装をしていた。


「冒険者ギルドへようこそ。私は受付職員のアイルと申します。クーンと一緒ということは、三人は冒険者登録でしょうか?」


 その後僕らの冒険者登録はスムーズに進む。身分の証明が必要だがそのようなものは持っていないので、やむなくクーンに保証人になってもらった。


(何から何まで世話になりっぱなしで悪いな)


 無事手続きが終わって、冒険者ギルド側から登録時の注意と依頼受け方、等級について説明があった。


 依頼の受け方には複数あったが、いまの僕らには張り紙をみて受ける方法しか選択できないと言われた。


 等級にも個人とパーティがあって、低い方から第九級~第一級まで分かれていた。登録したばかりの僕らは当然、最底辺である第九級である。


 パーティ登録もしようか悩んだが、パーティでしか受けられない依頼もあると聞いてこちらも登録することにした。僕は自分を含めた三人とクーンでパーティ登録することにした。


「なぜ僕を入れるニャ?」

「もし昨日、クーンで出会えなかったら、いまここに僕たちはいないんだ。一緒に依頼をこなせば、クーンの冒険者としての信頼が上がる。そうすると前よりもお金を稼げるんじゃないかって思ったんだ」

「うーん、シュウはなんていいヤツだニャ」


 感動するクーンは置いて、すぐに掲示板を覗き込んだ。常時依頼のあるゴブリン・オーク討伐依頼、薬草、人探しなどなど。オークは食料にもなるらしく、倒したら冒険者ギルド持ち込みで報酬が上がる仕組みになっていた。


(あれを食べるのか……)


 それぞれの依頼内容と報酬を流して見ていた僕は、ふとある依頼が目に止まった。それは野盗退治の依頼であった。


 依頼書に書かれていた場所は、ここから海と反対側へ徒歩一時間程度の場所にある集落で、討伐証明は野盗の確保で生死を問わず(デッドオアアライブ)、依頼主は教会シスターマリーと書かれていた。


 そこは僕らが襲われそうになって逃げだした集落の位置と非常に近くて、気になっていたこともあったのですぐに受けることを決めた。


「いきなり野盗退治だなんて大胆だニャ」

「ちょっと気になることがあってね。野盗退治の依頼って頻繁にあるのかい?」

「ちょくちょく出てくるニャ。トレドは塀の中は比較的安全で商売が盛んだけど、そこに移動してくる商隊を狙う野盗が付近に住み着いて、小さい集団が集合して大きくなって退治されて……というのを繰り返しているんだニャ。数が多いので警備隊も全部まで手が回らないニャ」


 同じ一階のテーブルで酔っぱらっていた冒険者が僕たちに突如絡んできた。


「お前ら初心者だな? 野盗退治を受けるってそんなに無理することねぇよ。どうせ死んじまう。猫人族と組むなんて、無駄死にするだけだ。やめとけ」


 酒臭い息で絡んできたのは、無精ひげに整えられていない縮れ髪で赤顔の冒険者だった。


「それよりも、俺らと組めば楽させてやるぜ」


 ふらつく足取りで近づいてくる。


「どういう風に楽にさせてもらえますか?」


 僕は毛頭こいつと組む気はなかった。


「へっ! 生意気な奴だな。黙って俺達の手伝いをしてりゃ、いい夢みさせてやるぜ」

「俺達? 後ろで座って酒飲んでいるお前と一緒の貧相な仲間のことか?」

「なぁにぃ」


 絡んできた奴の後ろには同じ雰囲気の中年男性が数人ほど、こちらの成り行きをみて笑っていたので、指摘してみたらすぐに睨んできた。


 その目線の中には僕を睨む奴もいたが、大半はレイナを嫌な視線で見ていた。


 一触即発の雰囲気になったが、先ほどの受付職員のアイルが、


「ギルド内でのケンカは仕掛けた方が厳罰ですよ!」


と自制を促した。その言葉は温厚な言葉ではなく大声で、一瞬体が硬直するような感覚を覚えた。


(何かの能力か? 彼女も強者だな)


 僕はもうそいつを見ないで仲間と冒険者ギルドを出た。


 あとでクーンがさっきのやつはジドだという名前で、新人に絡んで良からぬことをしていると噂があると教えてくれた。前にはクーンが人間族とパーティを組めそうになったことがあったが、彼に邪魔されてその話はなくなってしまい、そのうち行方不明になっていたそうだ。


(どこにも他人の邪魔する奴はいるのか……)



 ニーナばあや宅へ戻り、教会、武器防具屋、冒険者ギルドのことを報告した。うんうんとずっと話を聞いていたが、クーンと一緒にパーティを組んだことを聞くと突然笑い始めた。


「とうとう仲間が見つかったかい。クーン、良かったね」

「いままでずっと一人だったのかい?」


 僕は聞いてみた。するとにーなばあやが、


「一人だったから、冒険者ギルドの依頼を受けるのは危なくてできなかったんじゃ」


と言った。


「クーン、職業と階位はどうなっているの?」

「斥候《見習い》で、階位は一だニャ」


(僕らよりも初心者だな。まさか⁉)


「クーン、一つ聞きたいがゴブリンやオークを殺したことはあるのかい?」

「ないんだニャ」


 予想通りであった僕ら三人は顔を見合わせた。


(道理でクーンが弱いはずだ)


 すぐにゴブリンを殺してもらうことにして、出発を一時間後に決めた。ニーナばあやには、傷に使うポーションと魔素回復のポーションを数本もらって、僕らはトレドを入ってきた門から出た。


******


 ニーナばあやの指定した薬草は、斥候であるクーンが比較的簡単に見つけた。


 途中でゴブリン数匹と何回か遭遇したが、新しい武器の使い勝手はすごく良かった。ゴブリンの首ならば魔素を少し通すだけで僕の技量でも切り飛ばせた。


 レイナも全く問題なく、それどころか新しい技を編み出してゴブリンの頭に風穴を空けていた。ヤツは当然即死である。


 戦闘が終わって、


「どういう技なの?」


と僕が聞くとレイナは、


「前に戦った時は炎の魔素の塊をぶつける技でした。それだと音が出てしまうので奇襲になりません。なので、静かに敵を倒せる技に変化させました。『炎束(えんそく)』と名付けてみました』」


だと言った。


 そういって地面に向けて『炎束(えんそく)』を披露してくれた。


 それは以前の『炎塊(えんかい)』よりもずっと細くて、レイナの持つ杖先から直径二センチメールぐらいでレーザーのように勢いよく炎が放出された。


 まるで銃を撃ったみたいな軌道で地面に突き刺さった。範囲を絞って貫通を高めていると言ったレイナは、近くにあった木にもう一度それを放つと木の幹を貫通していた。


 炎の魔素は回転させていると言うが、僕の動体視力ではそれはわからなかった。


(すごいな、レイナ。彼女の機嫌は絶対損ねちゃだめだ)


 感性豊かな彼女に最新の注意を、と自分に言い聞かせる。


 この戦闘の間で、弱らせたゴブリン一体をクーンに短剣で倒してもらった。クーンも上がった身体能力を感じたらしく、嬉しがっていた。


 嗅覚も上がったようで、視る以外で嗅ぐでも薬草を見つけられるようになって、回収がより楽になった。依頼されていた薬草は数種類でそれぞれ体力回復や毒消しに使うものだった。魔素を回復させる薬草は貴重で今回は一つも回収できなかった。


(こんなもんだろう)


 太陽は傾き始めていて、もう二時間ぐらいで沈むだろうと思われるときに、百メートル向こうにゴブリン集団が山の茂みに入っていくのを目撃した。


「まだこちらには気づいていないな。どうしようか?」

「正直まだ戦闘が足りないな」


 珍しくシグレが好戦的だった。ゴブリンを倒して階位が上がったせいかもしれない。


「レイナはどう? 魔素に余力あり?」

「まだまだ大丈夫です」

「オーケー、やつらをつけて仕掛けよう。クーン頼む」


 ニャと言ったクーンを先頭に身を低くしながら後をつけると、匂いの数が増えたと言う。念のためにおいが集まっているところに直接向かわずに迂回するように丘を登って崖から見下ろすと、ゴブリンが百体近く集落を作っているのが一望できた。


「トレドの近くにこんなにいやがったニャ」

「さすがに数が多いな、さてどうするか……」

「提案があります」


 悩んでいるとレイナが言う。


「今見えているゴブリンで、この集落のすべてが戻ってきているとは限りません。それに戦い始めて後ろから回り込まれたら私たちは挟み撃ちにされてしまいます。大学校舎でゴブリンと戦った時、オークの咆哮があったとはいえ、夕方になるとゴブリンは一度撤退して休んでいました。現にこの集落にもゴブリンが戻りつつありますので、活動の時間帯は日中に限られていると思われます。今日は場所だけ覚えて、明日の朝一番で先制攻撃をかけませんか?」


 反対意見がないので、集落の配置とゴブリンの武器を見える範囲で覚えて、僕らは撤退した。中には体格が良くて杖とローブを持ったゴブリンが二匹、剣を持ったのが五匹、弓を持ったのが五匹いることがわかった。崖から撤退中にも数匹と出くわしたのでレイナの『炎束(えんそく)』で決着をつけてもらう。


(あのまま戦闘に入っていたら、挟み撃ちだった。迂闊な行動はできないな)


 レイナの聡明な判断で僕らは危機的状況になることなく、トレドに帰還した。


 冒険者ギルドに寄って、討伐した魔物の証明部位を提出する。ゴブリンは左耳と決められていた。合計二十五体分で、換金してもらって銅貨五十枚を受け取った。


(あれだけ倒しても銅貨五十枚か。ゴブリンは一匹銅貨二枚。正直割に合わないな)


「帰りましたー」

「お帰り」


 ニーナばあやが魔素屋で四人を迎え入れてくれた。


「……でゴブリンの集落を見つけたので、明日の朝一番で襲撃しようと思います」

「なかなかやるじゃないか。集落の討伐は評価が上がるよ。さっさと寝て体調を良くしな」


 明日の作戦を全員で練る。


 日の出前に出発してゴブリンの集落着ついたら、二組に分かれて集落の入り口側からお互いに距離を保ちつつ、可能な限り奇襲することとなった。


 敵が侵入者である僕たちに気づいて戦闘態勢になったら、四人で固まって行動。討伐する敵の優先順位は遠距離攻撃のある杖持ちと弓持ちに絞って、それらはレイナが遠距離攻撃で倒すことを約束した。万が一敗れたり、不測の事態が起きた場合の撤退ルートも決めた。


 大学校舎の経験もあり、きっとうまくいくと思った僕はすぐに深い眠りについた。



 翌朝、日の出前に起きて全員の体調を確認、ゴブリン集落に向かった。朝になって、今回はニーナばあやも行くと言ってきたので、今僕らは五人で移動している。ニーナばあやの得意な得物は杖で、水の属性が得意だと教えてくれた。


 到着すると日の光が少し入り始めて周囲は容易に見渡せた。敵は僕らには気づかずに寝ているようで、集落に踏み込んで初めのボロ小屋にゴブリンが寝ているのを見つけた。そっと歩み寄って、自分の剣に魔素を通す!


(さあ――)

『――蹂躙せよ!』


 お読みいただきありがとうございます。

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