表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『リード・エンド・リーディング』

『リード・エンド・リーディング』



「トリアエズ※の群れは、どこから検証地へやってきたのか」


静寂、後、男が地上に星を見るようにしゃべりだす。


「おお、神よ、罰を与え給え、謙遜、いや、地上には何もなかった、芸術はあの世だ」


もう一度、静寂、後、人々が集まってきて、トリアエズの様に、聞き耳を立てる。


「お前は、地上を軽蔑した、そして、あの世にしか世界の地上が存在しないと、断定した」


祖国※のことを思ってか、人々は逆に、散っていく。


「敵を作り過ぎたのだ、そして、尊敬は軽蔑へと変わり、復讐に変化する」



まだ知らない土地のことを、思い浮かべている。


「ただでさえ、拒絶反応が全くない世界に、落ちて来たのが、幸福の証か」


何が言いたいんだ、という風貌で、直視した視線は、自分のほうに向かってくる。


「沢山、楽しんできただろう、もう、お前に取り残されたのは、死、あるのみだ」


大きな声で叫んだ後、書物※をもって、此方に遣って来る。


「これを読んで、知識を蓄えろ、お前には、無知が多すぎる」


書物を渡された男は、くるりと振り返って、狂ったように、書物を破り去った。


「お前の言うことは、聞かないことにした、自分の人生は、自分で決定するさ」



太陽と月が、入れ替わりに、昼夜を創造していることの、不可思議を思う。


「称えよう、暗黒の漆黒の昼夜逆転よ」


今度は、太陽と月が、入れ替わり、月と太陽の順番になる、人々が駆けていく。


「脳内の言葉を、すべて言葉にするほど、自分は狂ってはいない、しかし、この思想は、狂っている」


自分で、その狂った思想書※を、周囲も気にせず、執筆し出す。


「己の墓地は、思想書あるのみ、芸術あるのみ、文学あるのみ、音楽あるのみ」


周囲が去って、一人になって、ふと天を見上げたら、降雨があった。


「人間と、芸術と、どっちが大切などと言う思想は聞き飽きた、どちらも不要で、どちらも必要だ」


やはり、周囲には人は居らず、一人で、意識が消失して、主人公は、倒れて、死の淵※に居る。


※トリアエズ・・・この物語の主人公、舞台の上で、狂人めいた動きを取っている。

※祖国・・・ここでの、祖国は、トリアエズが元いた天国。天国で悪行をし、地球に落とされた。

※書物・・・聖書の様で、聖書ではないもの。聖書らしいことを書いてあるが、何処かの誰かが無造作に書き散らした、偽聖書。

※思想書・・・トリアエズの人生から得た、自己の歴史から還元された、思想の断片。

※死の淵・・・現世での死のこと。やがて、トリアエズは、元いた天国に帰ることになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ