中国人の名前についての初歩講座
初エッセイ?です。
ここでは創作に役立つ中国語の名前の付け方や中国語の基本のキの字くらいを解説していきます!
筆者は中国語が話せるわけでもなんでもなく、幼少期一年間親の仕事の都合で中国の北京語圏に住んでいただけの人です。
大学での第二外国語もスペイン語選択でしたし、まったくもって中国語のスペシャリストではないので、細かなミスはご容赦ください。
ちなみに中国滞在時は、現地で親が買ってくれたクレヨンしんちゃんやドラゴンボール、アラレちゃんなんかのDVDを観て育ったんですが、中国語で日本のアニメを観て育った日本人としてレアリティを発揮できるかと思います。
閑話休題、本題に入りましょう。
幼き日の記憶と、今ググったり調べたりした知識を合わせて書いていきますね!
1,拼音
まず大前提で、中国語という言語は全て漢字で構成されてますよね。
当然ながら中国の子供たちは日本の子供と同じように、学校で新たな漢字を習っていくわけです。
日本語では読み方の分からない漢字がある時主にひらがなで読み仮名が振られるわけですが、これに相当するのがピンインです。
例えば、苹果は「píngguǒ」のように、読みがアルファベットで振られ、そのアルファベットの上に、四声と言われるアクセントの記号が書いてある、これがピンインになります。
ちなみにアルファベットは大体ローマ字読みで大丈夫です。
これで、りんごという意味のこの単語はピン↗︎グオ↘︎↗︎という発音とアクセントで読むんだなあ、ということが分かります。
四声については文字通り四種類。
・第一声:平声と呼ばれ、アー→と平坦に発音
・第二声:上声で、アー↗︎と上がり調子
・第三声:去声といいアー↘︎↗︎と一旦下がってから上がります
・第四声:アー↘︎と下がり調子のアクセントで、入声と呼ばれています
文字だけだと分かりにくいと思うので、詳しい発声はYouTubeで検索してみてください!
2,中国人の名前について
中国人の名前は姓で一文字、名で一文字か二文字という人が多いです(二文字の姓もありますが少なめ)。
そして13億人もの人口に対し、日本より姓の種類が少ないため、同姓同名の人が大量にいます。同姓同士、同名同士なんてもっとです。
ググったところによると、今一番多いのは王さん、二番目は李さんらしいです。
つまり下手するとクラスに王さんや李さんが複数人ずついることになるからか、中国ではお互いフルネームで呼び合うことが多いです。
これから詳しく説明していきますが、拙作に恩豪然という中国人の少年キャラが出てくるので、それを例にして使います(恩が姓、豪然が名です)。
この時、恩〜、おはよう!だとか、豪然、おはよう!とはあまり呼ばずに恩豪然〜おはよう!と呼称するわけですね。
学校の先生も生徒の名前をフルネーム呼び捨てしたりします。ただ日本人生徒は漢字名があるとはいえ四文字など名前が長いので、大抵は下の名前だけで呼び捨てですが……。
日本でフルネームで田中太郎!なんて呼び捨てされたら超失礼な感じがしますが、中国ではむしろ親しみが込められた呼び方になります。
余談ですが中国では夫婦別姓が基本で、子供は父親姓を名乗るのが一般的だそうです。
3,あだ名について
中国の方もあだ名で呼び合います。
日本人は、〜ちゃんだとか〜てゃだとか、あだ名を縦横無尽に自由につけますが、中国人はあだ名の付け方が規則的で三種類しかありません。
1つは、日本のパンダのように名前の漢字一文字を連続させるやり方です。
恩豪然なら、下の名前の豪然の文字どちらか一方を取って、豪豪、または然然と呼びます。可愛いですよね。
2つ目はメジャーなやり方ですが、名前の最初一文字目に「小」をつける方法。
小豪、で豪ちゃん、みたいな意味になります。
中国で視聴したクレヨンしんちゃんも小新と呼ばれていました。
しんちゃんて新ちゃんだったんだ……と幼心に驚いた記憶があります。
3つ目は、名前の後ろに儿(発音がどうしてもカタカナに落とせなかった)をつける形です。
例えば、恩豪然なら豪儿。
この、小や儿の使い分けは、その人の名前によって違和感があるものとそうでないものがあるらしいのですが、ちょっとそれは近くの中国語ネイティブの方に聞いてみてください。
豪然は豪儿よりは小豪のがしっくりくるよねー、みたいなのがあるらしいです。
最近は最初から小を入れてつける名前もあるみたいですね。本名がすでに可愛い雰囲気に聞こえるんでしょうか?
4,人気の名前
日本人に人気の名前ランキングで、女の子は美月ちゃん、陽菜ちゃん、男の子は蓮くん、陽翔くん、なんてあるように、中国でも人気の名前があります。
調べてみたところ、上記の通り似たような名前が多いので、他と区別するために下の名前を二文字にするのが流行ってるらしいです。
中国の名前には男の子用の名前!女の子用の名前!という枠組みがあまりないらしく、〜は男の子に多いよね、とかその程度らしいです。
名前を見ただけでは性別が分からなかったりするものも日本より多いみたい。
というわけで、調べてみた近年の男児の人気の名前を10個ご紹介していきます!
浩然 hao ran
子轩 zi xuan
皓轩 hao xuan
宇轩 yu xuan
浩宇 hao yu
梓睿 zi rui
梓轩 zi xuan
浩轩 hao xuan
俊熙 jun xi
梓豪 zi hao
浩、轩、梓という文字が人気っぽいですね。
それぞれ意味を調べてみました。
浩:日本語と同じく、広い、広大であるなど
轩:高い、ひさしなど
梓:日本と同じ、植物の意
ざっとですが、高い、や広いなど、日本人の名前に込められるものとほとんど一緒ですね!
親の願いが分かります。
次は女の子編
梓萱 zi xuan
梓涵 zi han
诗涵 shi han
可馨 ke xin
一诺 yi nuo
雨萱 yu xuan
欣怡 xin yi
子涵 zi han
晨曦 chen xi
子轩 zi xuan
梓や轩は男女共通して人気なようですね。
他に多い漢字の意味は、
萱:日本語と同じく、植物の忘れ草、ススキなど
涵:含む、包含など
子:子、息子、汝など日本語と同じく大量の意味がありました……。
植物の名前や広い、大きいという漢字は日本と同じように使われるようです。英語もジャスミンとかマーガレットとか花の名前ですもんね、名付けは万国共通ということがわかりました。
ちなみに前述のフルネーム呼びが多いことから、姓と合わせた名前の付け方も多いとか。
例えば、張さんの子供であれば、張宇浩天と名付けて宇宙と天が広大であるという意味のフルネームにしてしまう。
白さんの娘さんは、白雪公主と名付けて白雪姫という意味にしてしまう。
など、これら2つはキラキラネーム扱いですが、姓とセットにして名付けるのは日本にはあまりないので楽しいですよね。(日本にもオカリナさんがいたりしますが)
余談ですが、自分の日本語名を中国語読みにするとワクワクして面白いので、ぜひピンインを検索してみてね!美月ちゃん→メイユエちゃんなど。
いかがでしたか?
日本人はひとりひとりはミミズだが、集まると龍になる。中国人はひとりひとりは龍だが、集まるとミミズになる。
なんてジョークがあるように、よく日本とセットになる中国の文化は本当に奥深く興味深いです!
暇ができたら随時更新しますが、皆様の創作の中国人キャラのヒントになれば幸いです。




