イベント②:「鋼の妖精 セイバーアリス STRIKERS RELOADED」
【導入フェイズ/イベント②:「鋼の妖精 セイバーアリス STRIKERS RELOADED」】
クロックワーカー。
かつて、この世界を機械化しようと侵略してきた異世界「スチームガーデン」の軍勢。
しかし、その脅威は“鋼の妖精”たちによって退けられ、彼らが通り道としているゲートは閉ざされた――はずだった。
ついこの間、クロックワーカー再臨の予兆あり、と情報を受け取ったセイバーアリスことアキラ、そしてポリッシュ。またしても同様の情報がもたらされた。しかし、今回はその影に「地獄兵団」の話もついてまわっているようで……。
ポリッシュ:スチームガーデンの方じゃ誤報だったんじゃないかって説も出てるけど、アキラにはナイショだよ!
GM:その情報をアテにして探りを入れようとしたところ、君たちは今まさに地獄兵団が街で暴れている現場に出くわすのであった――
アキラ:マジかよ。
※街で暴れている
特に理由や作戦もなく街で暴れるのは、悪党特有の生理現象である。決してシナリオの手抜きではない。
地獄兵団A:「ヒャッハー!汚物は消毒だァ!」
柴田:爆音を立てて無数のバイクが街を疾走する。
地獄兵団B:「チャンピオン、俺を見てくれェ!」
柴田:先頭ではギタリストの"ミュージシャン"が重低音のエレキギターをかき鳴らしている!
ポリッシュ:つまり演出バトルをしたりしなかったりするといいよって感じかな?
GM:そうですね。演出で蹴散らしてもらってOKです。
GM:どういう因縁ができるのか描写するのが目的のシーンです!
アキラ:なるほど。
アキラ:「っ…こんな場所にヴィランだって…」 逃げる人混みに押されつつ。
市民a:「うわぁぁぁぁ、に、にげろおおおお」どたどた
GM:人々は君に肩がぶつかろうが目もくれず、一心不乱に逃げていく。
ポリッシュ:「む、あれは地獄兵団じゃないか。彼らはクロックワーカーの尖兵じゃないかって疑いがあるんだ」
アキラ:ポケットの中からポリッシュが語りかけてくる。
アキラ:「アレが?全然タイプが違うじゃないか…本当なのか?」
GM:アキラの言う通りですね。
GM:目的のあったクロックワーカーとは違い、地獄兵団はあまりに無軌道。それぞれが思うままに破壊の限りを尽くしている。
地獄兵団A:「地獄兵団のモットーはァァァ!!」
地獄兵団B:「エンジョイ! アァンド! エキサイティングッ!!」
市民b:「あ、あたしの店が!みせがぁぁぁ」燃える家屋に手を伸ばしている
地獄兵団A:「ハイオクのガソリン袋ォ!みいつけたぁ!」逃げ惑う市民を捉え、チューブを首筋に突き刺す。
市民a:「あばばばばばば」血がどんどん抜かれていく。
みんな地獄兵団やるの楽しそうで何よりです。
ポリッシュ:「ホントホント。マスコット嘘つかない。だから…ホラホラ」
市民c:「なんで、なんで私達がこんな……」
市民c:「だれか、誰か助けてよぉ……」
アキラ:「…まぁ関係あろうと無かろうと、ヒーローが来ないんじゃ…やるしかない、か」 特大のため息をついて。
ポリッシュ:「そうだね!変身だよ!へーんしん!へーんしん!はよ!」
アキラ:「っ…うるさい、やってやるよ!」
アキラ:廃ビル(についさっきなった)の屋上まで駆け上がる。
ポリッシュ:あ、まだアバンだからね。変身シーンは飛ばすよ。それはクライマックスさ。
GM:ここなら誰も見ていない…おーらい!
市民を蹂躙しようとするヴィランたち。
しかし彼らがそれを成し遂げることはなかった。
空から降り注ぐ何かがヴィランたちを貫く。
それは剣──大小、種類、様々な剣が降り注ぎ、ヴィランたちを地に縫い止める。
「──そこまでです!」
地獄兵団A:「あぎぇ!?」
地獄兵団B:「なんだこれェ!?動けねェ! ……なんだァ、てめェ!」
アリス:剣の出処…宙を仰げばそこには小さな少女の姿が。
市民c:「ああ、ああっ……!」
市民c:「私、知ってる……!あの子、知ってるわ」
ポリッシュ:「そう、この子こそ──」
アリス:「鋼の妖精 セイバーアリス!あなたの罪を一刀両断!」
アリス:「地獄兵団!あなた達の非道もそこまでよ!」
GM:「ブレイドフェアリーだァ!?」「んだそりゃ知らねーよ、デスるぞ!!」
GM:※地獄兵団はしょっちゅう死んで組織の新陳代謝が早いから知識の蓄積というものがないのだ!
ポリッシュ:「キミたち、テレビくらい見たまえよ。知ってる?てれびじょん。あ、ご存じない?」
アリス:「煽らないの…」
ギャーギャーギャーギャーと喧しいザコたち。しかしその中で、
――へぇ。テメェが『セイバーアリス』か。
まるで知っている風に呟く者が一人いる。そいつは、バイクにまたがって、低いエンジン音を不気味に鳴らしている。
ロードウォリア:「5年経ってるってのに、小せぇままなんだな」
アリス:「!?」
ポリッシュ:「それが世界の選択ってやつさ」
トランプ:魔法少女が成長するとファンが(以下略
ロードウォリア:「ククク……なぁオイ」
ロードウォリア:「俺の名前を言ってみろ……!」
アリス:「…えぇと」
GM:GM注釈:知りません。
GM:向こうは知っているようでも、君はこの男に見覚えがありません。
市民c:「……」ハラハラしながら見守っている
ポリッシュ:「ロードウォリア。地獄兵団の幹部だね。でもよく死ぬから代替わりが激しいよ。だから知らなくても不思議じゃないよ、アリス」
アリス:「…ロードウォリア、さん」 とても棒読み。
地獄兵団B:「ウォリアアアアァ!」 「うおおおおお、グロリアス・デス!!」
ロードウォリア:「……知らねえか。知らねえだろうな。ククク」
アリス:「すみません」
ロードウォリア:「構わねぇよ。俺は寛大だ」
地獄兵団:「オラッ!謝罪しろ謝罪!」 「こくそ?こくそするぞ!」 「D・V・D!D・V・D!」
ロードウォリア:「寛大だっつってんだろ!」 車輪でギャリギャリギャリィ!
地獄兵団:「「「ぎゃあああああ!」」」
ポリッシュ:「寛大 #とは」
アリス:「…って、なんで謝ってるんですか!地獄兵団!そしてロードウォリア!あなた方にこれ以上好き勝手はさせません!」
ロードウォリア:「フン。これ以上なにもするつもりもねーよ」
ロードウォリア:「今回はテメェが本当に復活したのか、おびき出そうとしただけだ。長い付き合いになりそうだからな」
アリス:「…(え、なんで…5年前でも別に因縁とかないよね。もしかして本当にクロックワーカーなのか?ポリッシュの適当なやつじゃなくて)」
アリス:「そうですか。でもだからって素直にバイバイってわけにはいきませんよ」
アリス:「G6にも連絡済みです。…逃しません!」
ロードウォリア:ええ。それはGMも承知しているので、ロードウォリアはシナリオムーブで撤退します。
要は、ここで倒されたり捕まったりしては困るので、「大人の都合」で逃げるということ。しかし、ただ逃げるだけではヒーローが間抜けに見えかねない。「これは逃げられても仕方ない」と思える華麗な撤退は、悪党の必修科目だ。
ロードウォリア:具体的には、部下たちを捨て駒の肉壁にしながら走り去ります。
アリス:「シャッター──」
アリス:召喚した剣が砕け、細かな破片となる。
アリス:「──ストーム!!」
アリス:破片は舞い上がり渦を巻き、ヴィランたちを斬り刻む。
ロードウォリア:「おっと――その技は“知”ってるンだよォ!」
ロードウォリア:バイクが爆音を発したと思うと、地に縫い付けられていたザコたちが衝撃で舞い上がり、
地獄兵団:「グロオオオリアァス!」
ロードウォリア:ロードウォリアへと向かう破片をその身に受けることになる。
ポリッシュ:「アリス!あいつ雑魚を壁にしてる!効いてないよ!」
アリス:「ッ…」
アリス:刃の嵐が収まった時、そこには無数のヴィランたちが倒れていたが──そこにロードウォリアの姿は無かった。
アリス:「逃げられたか。ロードウォリア…地獄兵団、一体何を企んでるの…」
GM:君の問いに答える者は(ポリッシュ以外)いない。
ポリッシュ:「Bパートに続くよ」
この一件以来、君は「クロックワーカーが関わっているというのは信憑性のある話かもしれない」と地獄兵団の動きに注視していたのだが、ある日、この間の無軌道な暴れっぷりからは考えられないような情報が入る。
――地獄兵団が、幼稚園バスをジャックしたらしい。