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世界最強の召喚者。  作者: 幸乃守 真冬
一章 現実とは程遠い現実
2/2

2話 魔法

辺り一面真っ白な空間。

感覚が狂いそうなくらい真っ白。

「あぁ、またか。」

そう漣は呟くと起き上がった。

目の前には女神がいた。


「やぁやぁ漣くん。

異世界生活一日目はどうだった?」

「まぁ、まだなにもやってないから特になにも。」

「あら、つまんなーい。

もっと色々あると思ってたのに。」

「ご期待に沿えずすみませんね。

それより、一つ質問いいか?」

漣の真剣な顔に女神の微笑んでいた顔は消えた。

「なに?」

女神の声のトーンが少し落ちた。

「…いや、なんでもない。」

「え、あ、うん。」

意外な返答だったから女神はキョトンとした。

「じゃ、じゃあ、またそのうち会いに来るね。夢の中出だけど。」

漣は、気づいていた。

あの真っ白な空間にいた人影を。

どこかで見たことある影を。




2日目の朝。

部屋の場所的に朝日は差し込まないがちゅんちゅんと小鳥が鳴いてそうな窓からの光。

ゆっくりと状態を起こす。

「今何時だ?」

この部屋には時計がなかった。

昨日8時に集合と聞いたので、時間と言う概念は存在する。


トイレを済まし、洗面台で顔を洗っていると自分の顔が少し変わっていることに気づいた。

どこがと言うと目だ。

元は黒目だったが、少し赤みがかっている。

目の色が変わっているのと関係があるのかわからないが、他の人の能力が頭に入ってきたり、実際見ていないのに誰が何をしているのかが分かったりしていたのだ。


漣は顔をもう一度洗ったあと、水を一口含んだ。

「ん、美味しい。」

日本の水道水の味とは違い、水にしては美味しい。天然水とも違うようだ。

少しすると皆が部屋から出るのを感じて漣も部屋をあとにした。


いつものように眠そうに目を擦るもの、まだ不安そうな顔が抜けないもの、昨日泣いたのか目が腫れているものなど様々だ。


昨日の夜とは違いおはようの挨拶をするくらいで会話が少ない、昨晩改めて感じたんだろう、自分達が今どうなっているのか、皆の顔を見ていると察しがつく。

「おはよう、漣。」

後ろから新太が話しかけてきた。

昨日寝れなかったのか目の下には隈が出来ている。

「おはよう。」

二人は、並んで歩きながら食堂に向かった。

その間、会話はなかった。それは、日本にいた頃とあまり変わらない。


「おはよう、勇者達。」

食堂にはクルルと40歳くらいのダンディな男がいた。

朝食は、パンとサラダに紅茶っぽい飲み物。

地球の食べ物と似ている。

昨日の夕食とはうってかわってシーンとしている。

咀嚼音と飲み物を飲む音しかしない。

皆が食事を終えると、クルルから今日の予定を聞かされた聞かされた。


「えー、君達はこれから訓練場に行ってもらう。

そこでは、魔法の使い方、剣の使い方などをこの隣にいるトイフェルから習うように。

この後のことはトイフェルから話がある。

では、私はこれで。」

そう言い残すとクルルは消えていった。


「ごほんっ、えー、初めまして。トイフェル ローダンと申します。

トールと呼んでください。

私は君達勇者の教育係に選ばれました。

君達は私達にとって大事な戦力です、最初はなにがなんだか分からないと思います、それは当たり前のことです。0からのスタートなのですから。

少しずつ強くなっていけばいいのです。

ただ、びしばししごいていくから覚悟しろよ?」

最後の言葉に勇者達は顔をひきつらせた。

「じゃあ、今日の予定を言う。

まず、これから12時まで基礎訓練だ。午後は2時から5時まで午前と同じ訓練をする。

今日は初日だからいつもより訓練時間は少な目にしている。そのうちどんどん増えていくからな!

へばるなよ?

以上!さ、移動するぞ。」


乗る気じゃないものも何人かいるようだが彼等に拒否権はない、なぜなら、この世界では当たり前だからだ。勇者以前に、魔法の使い方は誰でも教わる。例外なしに。


教官に連れられついたのは直径100mくらいある丸い空間。地面は砂で壁や天井は結界みたいなものが張られている。


「まず最初にするのは着替えだ。

すまんな渡すのをすっかり忘れていた。そこに更衣室があるから着替えてきてくれ。」

渡されたのは体操着のようなもの。布とは違う別のもので作られている。とても動きやすそうだ。


「さぁ、訓練を始めよう。

まずは、魔法の使い方だ。

見本を見せるからよく見るんだ。

手のひらを上に向けて前に出してその出した手に力を込めるんだ。

そうすると、こんな感じに火の球が出来る。ちなみに俺は適正が火属性だから火の球が出来るだけでお前らはお前らの適正属性の球が出来る。

この魔法は子供でも使えるレベルだからお前らも出来るはずさ。

じゃ、早速やってみてくれ。」


手のひらに力を込めてみると、手のひらに魔力のようなものが集まっていくのを感じた。


皆それぞれ適正属性の球が出来上がった。

漣は、闇属性。新太は、火属性。梓は、風属性。斎は、光属性。

他の人達もそれぞれ適正属性の球が出来上がる。

魔力量で大きさも変わってくるよ。


属性の種類は、火、水、風、土、木、光、闇の7種類。

適正属性はその属性の魔法が得意なだけで他の属性の魔法も使えるよ。

人1人が使える種類はだいたい3種類くらいだよ。

もちろんそれ以上使える人も1種類しか使えない人もいるけどね。


「みんなそれぞれ出来たな。じゃあ、力を抜いてくれ。

次はあの的に魔法を当てるんだ。

なに、そんな難しいことじゃないさ、ただ、頭の中であの的に当たれって思いながら投げれば当てられる。

もちろん、百発百中とは行かないが飛ばす対象をしっかりとイメージ出来ていれば当てられるさ。

誰からやっていく?」

「俺からやっていいですか。」

まず最初にやるのは斎。

自分が皆の先頭に立たなければいけないと思っているからか、積極的になっている。


斎は光球を作り、30m先にある的に思いっきり投げた。

光を纏った丸い球は、纏った光を振り払うかの勢いで的にぶつかった。

ぶつかった衝撃で光球は弾け散った。


次に投げるのは久我 隼人。

彼は斎の相棒。高校で知り合って3年間同じクラスというのもあるが、1年の時から仲がよい。

久我の適正属性は水。

彼の水球は斎程大きくはないがスピードは久我の方が速い。


投げたあと、斎にお前の方が速くね?と言われるが久我は斎を見るだけで無反応。

ちなみに久我は無口無表情キャラ。


そのあと新太、梓などが投げ、最後の漣の番になった。


漣の魔力は900。この中で一番魔力量の多い梓でも160なので、漣の能力がチート過ぎるのが分かる。

普通にやったら、やばそうだから大きさを斎のくらいにしてそーっと投げた。


しかし考えが甘かった。漣の投げた闇球は音を置き去りにして的を破壊し、そのままの結界に衝突し、訓練場全体に耳の痛くなる音を残してゆっくりと消えていった。


静まり返る訓練場。

漣が何事もなかったかのように戻ろうとすると、後ろからガシッと肩を捕まれた。

「おい漣。お前の魔力量いくつだ、あの的を破壊するなんて聞いたことないぞ。

それになんだあのスピードは、納得の行く説明をしてくれるんだろうな?」

何が起きたかまだ理解しきれていない顔のトールと表情は普通を装っているけど内心めちゃくちゃ焦ってる漣。


漣は必死に言い訳を考えた。

「いや、まぁ、なんであんな速かったのはよく分かりませんが、的が壊れたのは耐久値が零に等しかったからでは?」

「的が壊れた例は無いが、長年使ってきたから耐久値が無くなったのは分かった。

だが、あのスピードはなんだ、見たことがないぞ。」

まだ、納得のいかないご様子。

「それは俺にも分かんないですよ。トールさんだって的に当たるまで一秒もかかってなかったじゃないですか。それと、今のでかは分かりませんが、腕がこんなんになっちゃったんですが。」

闇球を使った左手は手のひらの皮が全部剥けそこから血が溢れている。手首や腕にも切り傷のようなものがいくつも出来ていた。

それを見たトールは慌てて応急処置をし、漣を医務室につれていった。


訓練場に取り残された斎達。

トールに漣を医務室に連れていくとしか言われずどうしたらいいのかな分からないので、適当に駄弁ってることにした。




~フリード王国王宮内廊下~

トールの一歩後ろを歩く漣。

「それで、君は何を隠しているのかな?」

急な質問と内容に思わず立ち止まる漣。

なんのことです?と、とぼけてみるも撃沈。


言わなきゃ君の居場所を無くしてもいいんだぞ?などと、脅しをかけられるも知らんぷりを続けるが、おっさんとこれ以上0距離会話はしたくなかったのでここで見たものは見なかったことにする。と約束をし、漣はポケットから本当のステータスプレートを取り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】 古河 漣

【職業】 魔法剣士

【レベル】 1

【体力】 770

【筋力】 960

【耐性】 1000

【敏捷】 1400

【技術】 600

【魔力】 900

ーーーーーーーーーーーーーーー


これが漣の実際の能力。総合能力が1番高い斎でも遠く及ばない。

これを見たトールは言葉を失う。


能力値が100あるだけでも特別なのに、彼の能力は最低でも600。1番高い能力なんか1400。

能力が4桁なんて、300年前の勇者以来だ。ただ、その記録は本に書いてあるだけだから実際のところは分からない。


いわゆる化け物。

この力があればなんでも出来る。国王に言えば、世界が変わる。なんて、考えていると漣に釘を刺される。


「この事を他人に言えば、あなたやこの事を知った人間例外なくこの世界から永久に退場していただきます。」


トールは、この言葉がただの脅しでは脅しではないと思った。今手にしてるステータスプレートを見たらそう思う以外ない。


なんだよ、1400って。いくら召喚者とはいえこりゃないだろ。トールは頭を抱えて笑った。

「ハハハハハハハハハハハハハ。

あー、いいよ。これは、俺とお前だけの秘密だ。約束しよう。まだ死ぬには早いしな。」

信用していいのか、まだ、分からないが悪い人ではなさそう。

今のところは、問題なさそうだ。


けど、これから魔法の使い方には気を付けた方がいい。これを、トールさん以外に見られたらどうなるか分からない。まぁ、なんとか…なるかな?


ほんとにそんな能力持ってるやつがいるなんて今でも信じられねぇよ。

なんてトールが一方的に盛り上がってるのであった。


この後ちゃんとトールさんに治療してもらいました。


漣は先に部屋へ帰らせて訓練場に残った斎達は普通に訓練を再開した。


近々漣がまたやらかすのでお楽しみに。





はい、どうも作者です。


2話目はどうでしたか?


今回は文字数話減らして少しの時間で読めるようにしてみました。


まぁ、文字数はその回によって変わると思いますがよろしくです。


てな感じで、また次回お会いしましょう。さいなら!




幸乃守

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