十八話
難産&短いです。
今回も短く二ページです。
それでもよければお楽しみ下さい。
「広いな~海って」
そんな言葉が出る…俺達はスタブの魔法で嵐を止め船をだしてもらった、今は太陽が真上に来てる昼頃に俺は海を見たいた。
「創造者」
海風をあびていると…パンドラが近づいてきた。
「どうした?」
と特に問題が起きてる感じがしないので近づいてきたパンドラにそんな言を言う。
「もうすぐごはんだよ」
とそういえば腹が減ったなぁ…と思い「わかった」といいパンドラと一緒に食堂にむかう。
食堂…と呼んでるが実際はそんなに立派な…地球と同じような作りではない、まぁファンタジーだからガスコンロみたいな調理用のマジックアイテムがあるから温かい飯が食えるので別に文句はない。
「今日の昼飯はパンとスープか」
とメニューを見てさっさと料理をとり他のメンバーの所にむかう。
「シキロ、前に座っていいか?」
とシキロに言う。
彼女に了解を得て前の席に座る。
「聞かないんですね…」
と小さく出したシキロの声に俺は。
「話したいなら夜にな」
と俺も彼女にしか聞こえないように小さくつぶやいた。
飯も食い…特にやることもなく暇を潰すために船内を歩く…しかし娯楽が少ないとこうも船旅が退屈だと思わなかった、やっぱり地球って特別なんだなぁ~と考えてると…目の前に天使がやって来た。
「で…話ってなんだ?」
と人の来なさそうな場所に連れられて話があるとリエラに言われて俺が最初に出た言葉はそんな言葉だった。
「あんたは気づいてないでしょうが…船旅が始まってあの子の様子がおかしいのよ」
と名前を出してないが…俺は該当する人物を知っている。
「人魚の事か…」
と俺が言うとリエラは「そうなのよ!!」と今日の彼女の行動を言う。
「何故か分かんないけど…ときどき海を見つめるのよ、それについて聞いても何でもないと話したがらないし…ときどきため息をはくし…あんた何かしてないわよね!!」
と言われて…。
「なんで…そんな結論が出る?」
即答でそんな言葉が出た。
結局シキロの不自然な行動が何故行われてたかわからず…リエラとの話は終わった…ので再度船内を歩いていると。
「おっす、スタブさんや…あんたも暇みたいだなぁ」
と彼にそういいながら近づく。
「そういうあなたこそ」
と言いつつふらふらしてる彼に。
「あんま無理するなよ、なんでも神族の魔法なんだろ、今回使った魔法って」
とそんな言葉を言う。
いくら彼でも相当な魔力を使ったようで船に乗るときは気絶に近い状態で眠ってる時に乗せたのだ…その影響はまだ見ててあるようなので無理をしないように言う。
「それも…そうですね、もう少し眠っています」
ふらふらしながも彼は寝室にむかう…まぁこの場所から寝室は近いので大丈夫だろう…とまた船内を歩くのを再開する。
スタブとあった後夕暮れになって海鮮料理を夕飯に食べた後…シキロの様子は今だ不自然だった。
「悪いな…こんな夜遅くに付き合わせてな」
と目の前の彼女…シキロ用に用意したティーカップに紅茶をいれる。
「ありがとうございます」
そう返事をシキロは返すが…やはりどこか不自然だ…言ってる事はいつもと変わらないのだがそう思えてしまう。
「なつかしいのか…やっぱり」
と彼女の行動を見てて最初に思ったことをいう。
「……ええ、なつかしいですね」
そうか…と言いつつ俺は紅茶を啜る。
「すまんな…目の前に自分の住む場所があるのに触れさせないなんてな」
最低だな…と付け加えながら彼女の顔を見る。
人魚は泣いている気がした。
そんな気がしたが彼女は泣いてはいなかった。
多分必死に耐えてるのだろう…彼女も人間と変わらない喜怒哀楽がある…でもそれを押さえつけないと俺達は生きてはいけない。
ああ…なんて面倒な生き物なんだろう…自我がある生き物というのは…。
「必ずとは言わない…でもやるだけやってみる…お前のいるべき場所に帰れるようにさせて見せるよ」
だから…さぁ
「俺じゃなくてもいい…一人でもいい、お前が泣いて困る奴はいない…だから我慢するのはやめてくれ」
そういいながら…彼女の頭を俺は撫でていた。
ああ…神様よ、迷える子羊に救いの手をくれないのなら俺が救って見せるよ…それぐらいやっても良いだろう。
人は幸せになるために生きているんだから。