十話
久しぶりに書き始めてるので筆が進まないです。
今回も三ページの短い物ですが。
それでも良ければお楽しみ下さい
まず、現状の確認だ。
相手は義賊、破壊者、守護者、鷹の目、癒しの手、勇者+人形の十二名。こちらは戦闘を出来るのが三名非戦闘員が三名一人を非戦闘員に護衛につけている。
数からしたら絶望的な差がある…この戦い勝つにはサギを有効活用しないといけない…創造者である俺が指示をミスれば簡単に負けてしまう、だからこそ最初の一手は…。
「煙玉!!」
俺が指示を大声で出すとサギは十二個の煙玉を十二名に投げ出す…俺はそれにあわせて死の眼を発動し煙玉全てにポインターをつける、大体人の顔から上あたりから解除し矢を放つ。
丁度顔あたりで煙が散布された、これで少しは足止めになるだろう…さて、次にする事は。
「移動するぞ、北に走れ!!」
そう言いつつ俺たちは南に走る、少しの誘導にはなるだろうが鷹の目がいるためすぐに追いかけて来るだろう…それでも少しの間が俺たちには欲しい。
「創造者!!火薬と薬どちらにしましょうか!!」
薬にきまってるんだろ!!相手は味方だぞ!!と言いつつ作ってほしい効果をサギに手短に伝える。
「創造者!!もう追いかけて来ましたよ!!」
と一番後ろにいるアサメの言葉で振り替えると足が速いもの達が見えてきた…サギに何分かかるか聞くと。
「五分いや…三分下さい」
わかった、と伝えてアサメと共に足止めにかかる。
またさっきと同じ状況になったが今回はさっきみたいな不意討ちは出来ない…銃を使えればいいのだが人目がある、出来るだけ使いたくはない。なので仕方がなくまた弓矢を放とうとしたが…まさかの矢筒が空になっていた、走ってる時に落ちたのだろう…仕方がなくナイフを取りだし来るのを待つ。
接触する三秒前…二秒前…一秒前…零死の眼を発動する。
最初に義賊を止めるため走ってる足に蹴りをいれ転ばす、他の者達はまだ接触する距離ではないので義賊の後頭部を殴り気絶させる。
義賊を気絶させた後サギに触れ作業を速めさせる…その間に鷹の目や魔術師の人形の攻撃をアサメに防いでもらい…場をしのぐ。
サギに作ってもらった物と残りの勇者一行が戦闘距離ついたのは同時、俺はすぐにそれを投げ…俺達のパーティーを投げた物の後ろにふせさせる。瞬間後ろから熱を感じた。すぐさま勇者一行の状態を確認する…人形もあわせて眠っている。
「ぶっつけ本番だったけど…成功してよかった」
と俺の人形達や非戦闘員の三人が起きてるのを確認して、勇者一行を別の開けた場所に移動させた。
「さて…とリエラ達を別の場所に行かせたし…奏のこの嫌な気配をどうにかしますかね」
適当に枯れ木をとってきてと頼んで追い出したのはこれから指輪の力を使うためだ、これは銃以上に見せられんからな…さてとなぜか脱がすことの出来ない鎧と剣にむけ闇を放つ…気配をちぎり細かくして闇で消していく。そうすると剣と鎧は輝きを増していく。
「久しぶりだな、奏さんロウラ」
と正気に戻り先に目覚めた二人に何事もなかったように話しかける…リエラ達はまだ帰ってきてはいないが大丈夫だろう、人形達を連れていってるし。
「えっ…ワイズマンくん!!あ…えっ!?」
とリエラは状況をうまく整理出来てないのか混乱している、一方奏は…。
「………」
こっちは静かだが整理するのでいっぱいいっぱいのようだ。
「リエラとりあえず深呼吸して落ち着いて…奏さんも深く考え過ぎないようにな」
と落ち着くようにゆっくりと話しかけ二人に水をやる。リエラは少しずつ水を飲むが反対に奏はイッキ飲みして心を落ち着かせたようだ。
「ただいま、戻りました創造者」
水を飲ませたすぐにアサメ達が帰ってきた、とりあえず起きてる二人にリエラ達の事を紹介する。
二人に平手打ちをくらった…おもに恵のことでだ…まぁとっさに手が出たようだしそれに殴られると思ってたから平手打ちはマシな方だろう両ほほを手で冷ましながら…説明する。
納得はしてないようだが俺の嘘を信じたようだ…金が無い村から仕方がなく買ったと言う嘘にな、まぁこっちの話は正直どうでもいい…今度は俺達と別れた奏達の旅路を話してもらうことにした。
簡単にまとめると奏が剣を抜いた後から記憶が無いようだ…剣を抜く前の旅路は険しいがなんとか歩けていたらしいが…剣を抜いた後から眼が覚めたら俺がいたらしい…どうりで混乱した訳だ、いきなり別に旅した仲間が剣を抜いた後に現れるなんておかしいしな。
とりあえず俺はこっちで手にいれた情報を二人に話した…大前提の神と信じた存在が信じるに値するかどうか…と言うことを。
他のメンバーは未だに目を覚まさないし夜もふけて来たのでテントをたてることにした…結構な人数の為に俺は外で見張りの真似事をすることした。
バチバチ
とたき火の音を聞きながら怪鳥などのモンスターが来ないか空を見ている、他のメンバーが眠って二時間ぐらいたっただろうか…誰かがテントから出てきた。
「こんばんは…奏さん」
奏にあいさつして隣に座るようにうながす。
おとなしく隣に座る彼女にいい加減教えることにした。
「月が綺麗ですね」
隣で俺のいれた紅茶を吹き出す音がしたが…ああそういう事か。
「いや…純粋に月が綺麗だなぁ~と思っただけだよかなでちゃん」
決して告白してる訳じゃあ無いからさ安心してと笑いながら言う。
「かなでちゃん言うな!!」
と起こってきたがいつもの事なので気にしないで話す
「かなでちゃんは生まれ変わりを信じるかい?」
その言葉で押し黙る彼女にさらに分かりやすく言う。
「いや…日本人なら輪廻転生と言った方が分かりやすいか」
とケラケラ笑いながら何を言ってるか分かってない彼女に答えを言う。
「俺の前世の名は菊太 輪だよ幼馴染みのかなでちゃん」
そう言った瞬間またほほを叩かれた…何故に?と思いながら彼女の顔を見てみたら…泣いていた。
「な……なんで教えてくれなかったの…わ…私がどんな気持ちで…いたか…う…」
うえーん!!と本格的に泣き出した彼女を昔のように抱きしめる…背中をさすりながらただひたすらに泣き止むのを昔のように待つ。
「落ち着いた?」
と優しく聞くと。
「う…うん」
まだ涙が目にたまっているいるが彼女話をしてほしいようだ…幼馴染みだから相手の伝えたい事は大体分かる。そこからは俺の気持ちを全部話した…死ぬ間際会うのを止めようとしたこと…生まれ変わり君の事を何回も考えた事を…そして君の気持ちを気付いた事も。
「ごめんね、すぐに話す気にはなれなかったからさ」
と奏に謝る…彼女はそんな俺に頭を撫でてくれた。
「いいよ…りんくんがまた私の事を支えてくれただけで幸せだよ」
私こそごめんなさいと俺のバカな気持ちに謝ってくれた。
それだけで何故か俺も心が軽くなった気がした。
「ありがとうね…かなでちゃん」
そう彼女に言い…俺も彼女の頭を撫でる。
それからは昔の事、今の事を笑いながら話した、少なくとも今夜の俺の告白は確実に俺と彼女は救われた筈だ。
今回のワイズマンが奏に前世の事を話すのは奏が登場した時から考えてました…使いたいシーンと言うやつです。
今後も遅めの投稿となると思いますが次回で会いましょう。