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むかしむかし公園で幼女が泣いていた


 公園で幼女が泣いていた。

「うえーん、ああ、なんでやぁー! ええーん!」

「どうしたのか、カナエちゃん?」

 幼い男子が話しかけた。


 幼女は説明しようとする。

「ぐずん、にん……にン…」

「ニンニン? わかった! ニンジャごっこにまぜてくれなかった」

「ちゃう! にんぎょ――」

「わかった! にんぎょうをなくした」

「ぢゃう! にんぎょ、ひめ」

「にんぎょうひめ? ……わかった! ひなまつりがしたい!」

「ちゃぁうぅ! にんぎょヒメがかわいそうなの!!」

「にんぎょひめ?」

「ヴン。あわになってきえてしまたんよ」

「……そっか」

「……ぼやがらがなじぃ……」

 幼女は、顔をぐしゃぐしゃにして泣きじゃくる。

 当時、彼は『人魚姫』について何も知らなかった。


「わかった!」

「え?」

「じゃあ、おれがかなしくないようにしてあげる!」

 とにかく明るく笑っていた。

「え? どういうこと」

 少女は理解していない。


 そんな彼の一言で、物語が始まる。


「おれがしわあせにしてあげる!」




 おそらく『しあわせ』と言いたかったのであろう。


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