表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

書籍化・コミカライズ

【コミカライズ】氷の悪女は嗤いながら毒の花を咲かせる

作者: 里海慧

avarus様より発売の悪役令嬢にハッピーエンドの祝福を!アンソロジーコミック③でコミカライズされました(*´꒳`*)



 笑わない悪女——私はそう呼ばれている。



 確かに私はニコリともすることがなく、淡々と日々を過ごしていた。

 真顔で貴族たちと接しているうちに、私の言葉は悪い方へと捉えられ、噂がひとり歩きして悪女として名を馳せてしまった。黒髪に妖しく光る紫の瞳が余計に不安を掻き立てるのか、誰も近寄ろうとはしない。


 噂にはおひれがついて、悪女アリアナが微笑(わら)うと毒の花が咲くとも言われていた。


 だがそれは、父から笑うことを固く禁止されていたからだ。私が八歳の時に父は『お前が笑うと公爵家の不名誉になるのだ、わかるな?』と言った。

 私はただ頷くことしかできなかった。その代わり、ひとつだけ質問をした。


『わかりました。でも、もし公爵家より偉い……たとえば、王族の方などに笑えと命令されたらどうしたらよいのでしょう?』


 先月、王太子殿下の婚約者となった私は、これだけが不安だった。父の言いつけを破るつもりはないけれど、王族の命令にも逆らえない。


『ふむ、そうだな。その時は命令に従うしかないだろう。それ以外は約束を守れるか?』

『……それなら言いつけを守れそうです』


 深いため息をこぼす父に申し訳なさを感じたが、私ができるのは迷惑をかけないことだけだ。

 決して人前では笑わないと、この時誓った。




 王太子殿下の婚約者になってから十年。

 私と王太子殿下の仲が進展することなく、毎年恒例の社交シーズンを迎えた。


「アリアナ・セドリック! お前とはこの場で婚約を破棄する!!」


 煌びやかなシャンデリアの下で、キラキラと輝く衣装を身にまとい私の婚約者であるラインハルト王太子殿下が高らかに叫んだ。その腕にはぱっちりした二重を潤ませて、怯えるように震える義妹マリアが寄り添っている。


 夜会シーズンが始まったばかりのこの日、婚約者のエスコートもなく足を踏み入れた会場で突然宣言された。

 だけど私はぴくりとも表情を変えず切り返す。


「承知いたしました。このことはしかと父に伝えます」

「は……? いや、婚約破棄だぞ? 返事はそれだけか?」

「他になにかございますか?」


 私は不思議に思って尋ねた。


 婚約破棄を宣言されて受け入れたのだから、他になにをしたいのだろうか。ああ、もしかして書類を用意しているからサインでもほしいのか。


「婚約破棄の書類でしたら、後ほどセドリック公爵家に送ってくだされば署名して返送いたします。ご用がなければこれで失礼いたします」

「ま、待てっ! まだ私の話が終わっていないだろう!?」

「それは失礼いたしました。ではどうぞ」


 私は元婚約者に向き直り、その言葉に耳を傾けた。

 彼曰く、私はニコリともしないから、まるで人形と一緒にいるみたいでつまらないらしい。

 さらに王太子殿下の腕に虫の卵みたいにくっついているマリアに、義姉の私が嫉妬して茶会で意地悪したとか、オペラ会場では階段から突き飛ばしたとか、ドレスを切り刻んだとか、そんなようなことを言われた。


「以上でしょうか?」

「あ、ああ! どうだ、反論もできないだろう!!」


 肩で息をしながら、王太子殿下は私を睨みつけている。

 すべて冤罪だし反論もできるけれど、それをするためには父の言いつけを破らなければならない。


「…………」

「やはり、お前がやったのだな!? ここまで言われても表情ひとつ変えないとは……笑わない悪女とはよく言ったものだな! いっそのこと微笑って毒の花とやらを咲かせてみろ!!」


 笑わない悪女。

 それは事実だけれど、本当に毒の花を咲かせていいのだろうか? 父からは禁止されているというのに。

 だけど王族の命令であれば、やるしかない。


「王太子殿下、それはご命令でしょうか?」

「そうだ! できるものならやってみろ!」

「承知しました。では——」


 私はそこでゆっくりと口角を上げる。


 花がほころぶような笑みを浮かべて、王太子殿下を見つめた。

 王太子殿下はポーッとしてだらしなく口を開き、頬を染めているけれど大丈夫だろうか? 本番はこれからだ。

 しかし王族の命令とはいえ、やっと本心を話せる。ずっとずっとこらえていた、私の毒を吐き出せる。


「まず、私は笑えないのではなく笑わないだけです。笑って話すと本心がポロポロとこぼれてしまい、公爵令嬢としてあるまじき失態を犯すからと父に止められていました。ですが王族である王太子殿下のご命令とあれば許されるでしょう」


 まずはこれから起きることは王太子殿下の責任だと宣言した。穏やかな微笑みを浮かべたまま、私は言葉を続ける。


「その前に、つい先ほどまで王太子殿下は私の婚約者でございましたが、そこにおります義妹のマリアはなぜそのように距離感なく虫の卵のようにくっついているのですか? これは明らかに貴族としてのマナーから逸脱しておりますし、今後妃に迎えるとしても今日の出来事は貴族たちに鮮烈な記憶として残るでしょう。マイナスにしかならないのに、浅慮とはこのことですね」

「む、虫の卵ですって!? お義姉様、ひどいわ!! わたしはただ殿下と愛し合っているだけよ!!」

「なぜだと! お前を断罪するために決まっているだろう!? 私の愛しいマリアを悲しませたからではないか!!」


 たった今婚約破棄したばかりなのに、おふたりはすでに愛し合っていたらしい。自ら不貞を暴露していると気付いていないのだろうか。それなら婚約宣誓書に記した項目に従い進めるだけだ。

 私は笑みを深めて、さらに捲し立てる。


「ちなみにおふたりの愛はいつから育まれたのですか?」

「それは一年前からだ! まったく気が付かないお前は本当に滑稽だったよ! すでにマリアは私の子も宿しているから、お前と婚姻することは絶対にない!」


 さらなる言質も取れた。


「ああ、それは存じておりました。むしろ公爵家でもあれほど堂々とイチャついてしてらしたのに、私が気付かないとでも? おめでたい頭ですわねえ。では改めて王太子殿下の不貞による婚約破棄ですので、王太子殿下個人に慰謝料を五億ベリル請求、マリア個人には一億ベリル請求いたします。証人はこの会場にいる皆様です」

「なっ! そんなもの払わんぞ! それにお前はマリアを追い詰めたではないか!!」

「そうよ! それに義妹に慰謝料なんておかしいでしょ!!」

「いえ、そのように婚約宣誓書に記してあります。こちらをどうぞ。それからマリアには養子縁組契約書を」


 この茶番劇を事前に察知していたので、用意しておいたのが役に立った。

 さて、それではこのふたりにもわかるように説明してあげようかしら。


「お手元の宣誓書をよくご覧くださいませ。不貞の場合の慰謝料は先ほど申し上げた通りでございます。一切の減額や免除には応じません。慰謝料の請求とともにセドリック家は今後はいかなる王命にも従いません。圧力をおかけになるなら、国から離反いたします」


 王太子殿下が青い顔でブルブルと震え始めた。たったこれしきのことで頼りないお方だ。


「また、マリアについてはこの契約書の第6項、セドリック家の名誉及び利益を著しく損害した場合に該当するので、養子縁組は白紙撤回の上、別途公爵家から損害賠償を請求いたします。おふたりとも本当にこの書類に目を通されましたの? 私なら肝に銘じておとなしく過ごしますけれど、余程本能に忠実なのですね。まるで繁殖期の獣のように浅ましいこと」


 マリアは後妻としてやってきた義母の連れ子だ。父が温情で養子縁組しただけなのに、恩を仇で返された。裏では義妹を王太子妃にしようと画策した義母もただでは済まないだろう。


「ああ、それと、一方が慰謝料を支払えない場合は、もう一方へ請求することになっておりますので、なんならおふたりで協力してお支払いくださいませ」


 私の言葉に王太子殿下は義妹に支払い能力があるのか瞬時に計算したようで、少しでも減額しようと噛みついてきた。自分に被害が及ぶ時だけは計算が早いようだ。


「ならば、お前がマリアにした蛮行に対してこちらも慰謝料を請求する!! それに聞いていれば先ほどから私たちを侮辱する発言をしているな! 不敬罪だ!!」

「お義姉様はひどすぎるわ! 屋敷でもお義姉様に冷たくされていたのに……精神的苦痛を味わったのだから、全部まとめて慰謝料払ってください!!」

「ああ、もう声を出して笑いたい。自ら命令しておいて不敬罪だなんて。ご自分のお言葉もお忘れになるほど記憶力が乏しいのかしら?」

「なんだと!?」


 いけない、心の中で言うつもりが口に出ていたわ。これだからダメなのよねえ。


「失礼しました。それで……私がマリアを害した? それはいったい、いつのお話かしら?」

「だから——」


 王太子殿下の言葉を遮り、私は心のままに言葉を吐き出した。


「お茶会と言いましたけれど、招待されてもいないのに参加しようとしていたから止めたことはありますわ」


 王太子殿下はマリアに視線を向けるが、マリアは気まずそうに視線を逸らす。


「それにオペラ会場ですか? 確かにおふたりと同じ日時でオペラを鑑賞いたしましたわ。一般の観客席を挟んで反対の貴賓席から。そうそうおふたりが見られていないと思ってイチャつく姿も、始終拝見しておりました。あんなところで……あ、むしろあんなところだから興奮したのかしら? ふふふ、盛りのついた猿に見えて、笑いをこらえるのが大変でしたわ。それに端と端にある別の階段を使っていたのに、どうやって私がマリアを突き落とすのでしょう?」


 最初はポカンとしていた王太子殿下は、おふたりの様子を語り出したところで真っ赤な顔で震えていたけれど、最後の私の疑問に返す言葉がないようだった。

 マリアは鬼のように真っ赤に顔を染めて、私をきつく睨みつけている。


「それからドレスを切り刻んだと言っていたけれど、切り刻まれたのは私のドレスですわ。王太子殿下から贈っていただいたけれど、趣味に合わないものだったから処分してくれて助かったくらいよ。ありがとう、マリア」


 ドレスに関して説明している段階で、ふたりの間に拳ふたつ分の距離が開いた。王太子殿下は少しショックを受けたようだったけれど、いったいどこに傷ついたのかよくわからない。

 そうして私は満面の笑みを浮かべて、すべてに反論してやった。


「あら、私としたことが証拠をお見せしていなかったですわね。オペラの時の映像がここに……」

「わかった! わかったから!! 証拠など不要だ!!」

「残念だわ、とてもよく撮れていたのに」

「というか、お前はなぜそんなにも笑顔で反論してくるのだ!? 普段からそのように笑えばいいだろう!!」


 王太子殿下の疑問はもっともだけれど、それも婚約を結ぶ際に説明している。もともと王家がセドリック家の影響力を取り込みたくて打診してきたもので、とにかく嫁いできてくれればなんでもいいと言ったのは、国王陛下だ。


「あらあら、そんな残念な頭では十年前の父の説明など覚えていないのでしょうね」

「なんだと!?」


 隣にいるマリアも意味がわからないといった様子だ。


「私、笑顔で嘘がつけませんの。それはもうお世辞すら言えないほど、本心をポロポロとこぼしてしまうのです」

「だ、だからなんだというのだ……?」

「よろしいですか、貴族社会において、腹の探り合いなど日常のことです。そんな中で本心をこぼしまくっていたら、たとえセドリック公爵家といえども無事ではいられません。ですから私は笑顔を封印したのです。このことは婚約の際にもご説明しております」


 私は不器用さゆえ、今までお父様に散々迷惑をかけていた。

 それは『このドレス似合ってないですね』や『ああ、カツラだとバレバレです!』、『叔父様と一緒に歩いていた方は愛人ですか?』など、とにかく微笑んだだけでも嘘をついたり隠し事したりできないのだ。


 幸い子供の言うことだからと流してもらえることもあったけれど、一向に改善しない私の様子に笑顔を封じるよう家長として命じたことで、父にはどれほど心労を与えたことか。


 それでも二年前に本音で語れる親友と呼べる存在に出会い、これまで耐え忍ぶことができた。私の中ではこの親友の存在が本当に大きかった。


 私は笑みを浮かべたまま、本音という毒の花を咲かせる。


「それにしても、このような場所で婚約破棄してくださってありがとうございます。私のことを蔑み続ける婚約者も、嫉妬や妬みで噛みついてくる義妹も不要でしたので、ゴミ同士くっついていただき助かりましたわ。それでは、もうよろしいですわね? 貴重な時間を無駄にしたくありませんので、これで失礼いたします」


 私は心のヘドロをすべて吐き出し、スッキリとした面持ちで会場を後にした。






「——ということがあったのです」

「くくくっ……本当にアリアナ嬢の話はいつ聞いても面白いな。くくっ……ははははは!」

「もう、笑いすぎですわ。リオン様」


 婚約破棄から一週間後、セドリック家の中庭にある東屋で私は親友をもてなしていた。

 セドリック家は代々薬学を極めてきた家系で、各国から医師や薬学専攻の学生が集まってくる。この日も父のもとへ訪れたついでに、親友であるリオン様が私に声をかけてくれたのだ。


 リオン様と出会った二年前、私はどうしても抑えきれない本音を、中庭でこっそりと発散していた。そこをうっかりリオン様に見られたのがきっかけで、今ではすっかり打ち解けお互い素を出して接している。


 唯一私が笑いながら毒のある本音をこぼしても、丸ごと受け止めてくれた貴重な存在だ。だからいつも丁重におもてなししていた。


「はあ、でもよかったじゃないか。あのクソ王太子と別れられて」

「まあ、それはそうですわね。あのままでは、地獄のような結婚生活を送る羽目になっていましたわ」


 そうだな、と言ってリオン様は優しく微笑んだ。

 風になびく白金色の柔らかそうな髪、眩しそうに細めた瞳は新緑のように鮮やかで。スッと伸びた鼻梁、艶のある唇は優しく弧を描いていた。私のような不器用な人間にも優しくしてくれるし、相当貴族令嬢に人気があるだろう。


 あまりご自身のことを話したくないようで、もっぱら私の吐く毒を聞いてくれる心の広いお方だ。まだお若いようだからきっと薬学専攻の学生なのだろう。身なりはいいので貴族のようだけれど、次男や三男なら身を立てるため手に職を持つことは珍しくない。


 リオン様に婚約破棄されたと話したら「詳しく」とせがまれたので、お茶を飲みながら一連の騒動を説明していた。義母と義妹はすでに屋敷から追い出され、どこへ行ったのか父は教えてくれなかった。王太子殿下は騒ぎを起こしたとして廃嫡され、王妃様の実家へ避難したと父から聞いた。


「では、アリアナ嬢は今フリーということで間違いないな?」

「ええ、今どころかこの先もずっとフリーだと思いますわ」

「そうか、だが、もたもたしていて攫われてもいけないし」

「攫われる? なんのことでしょう?」


 私をジッと見つめるリオン様の瞳には、今までのような穏やかな光はなく、燃え盛る炎のような熱が込められていた。


「アリアナ嬢、俺の妻になってほしい」

「えっ!? 冗談はやめてください。リオン様ならその美貌でご令嬢は選び放題でしょう? わざわざ不器用な上に傷物の女に言い寄る意味がわかりません」

「そんなの、好きだからに決まっている」

「はあ!?」


 ありえない、笑ったら毒を吐く女なんて需要があるわけない。最近では嫌味な言い回しに磨きがかかり、より毒気が増しているのに!

 それなのに、リオン様がジリジリと私と距離を縮めてくる。ついに鼻先が触れ合うほど目の前に来てしまった。


「あの花が咲くような笑顔で、めちゃくちゃに毒を吐いていたアリアナ嬢を見た時から心奪われていた」

「えええ……リオン様、物珍しかったから、なにか勘違いされただけでは?」

「勘違いで君の婚約をぶち壊したりしない」

「……今なんと?」


 聞き間違いでなければ、私の婚約をぶち壊したと言わなかったか?


「どうやら俺の本気を信じてもらえないみたいだから打ち明けるが、元公爵夫人を唆しマリアをけしかけるように誘導したのは俺だ」


 まさかのカミングアウトがここで来た。確かにかなり短気な元義母がよく一年も我慢したなとは思っていた。それがリオン様の誘導だったなんて。


「どうして、そんなことを……?」

「……アリアナの笑顔を独り占めしたかったから」


 絡み合う視線を外すこともできなくて、リオン様から漏れ出す恋情に晒され続ける。心臓が自分のものじゃないみたいにバクバクと暴れていた。


「それでも元王太子がアリアナを大切にしたなら、引き下がるつもりだった。でも結果は今聞いた通りだ。だから遠慮する必要はないかと思ったんだ」

「遠慮……していたのですか?」

「ああ、こんな風に触れ合いたかった」


 そう言って、リオン様は私の手を取り指を絡ませた。思ったよりも冷たいリオン様の指先から緊張を感じ取る。

 もう唇と唇の間は数センチしかなくて、私は思考が麻痺していた。


「アリアナが好きだ」


 リオン様がこんな策士だなんて知らなかった。でも、求められて嬉しい気持ちもある。こんな風に愛されることなどないと思っていたから、戸惑ってはいるけれど。


「リオン様……」

「俺の妻になってくれるなら、このまま俺のキスを受け入れて」


 そんな言い方はズルいと思う。だけど私は抵抗しなかった。

 そっと触れた唇は驚くほど熱くて、柔らかくて、甘い痺れが広がっていく。離れたかと思ったら、今度は深く貪るように口づけされて、いろんな意味で死ぬかと思った。


「はあ、やっとアリアナを手に入れた。未来の皇妃も決まったし、これから忙しくなるな」

「はい? 未来の皇妃とは?」

「ああ、言ってなかったか。俺はバートレン帝国の皇太子エヴァリオン・ディ・バートレンだ。なにがあっても夫としてアリアナを支えるから安心してくれ」


 バートレン帝国とは、この国に接する大国だ。確かに隣国ということもあって行き来は盛んだけれども、なぜ皇太子がここに!? そしてなぜ、こんな不器用な私を妻にすると!?


「これは重要な事実の隠蔽にあたるので、先ほどの返事は撤回いたします!」

「アリアナ、もう絶対に離さないからあきらめろ」


 そうしてまた私の唇を塞いだリオン様に逆らうことなどできない。

 私はリオン様の策略にハマり、見事に絡め取られてしまった。


 リオン様が歴代一の愛妻皇帝、私が薬学の母と呼ばれるのはもう少し先のお話だ。




数ある作品から選んでいただきありがとうございます!

久しぶりに短編を書いてみましたが、お楽しみいただけたでしょうか?


少しでも面白いと感じましたら、ブックマークや★★★★★などで応援してくださると嬉しいです(*´꒳`*)


よかったら他の作品も読んでみてください♪

作者名から作品一覧へ、もしくは↓にリンクあります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 蛇足でしょうが、元婚約者達への ザマアが読みたい!(笑)
[一言] 私もコミカライズされた作品から探して参りました! 短い中、凄く良く纏まってる文章でコミカライズのイラストで登場人物を変換しながら読めたので、より面白かったです! 連載版でもっとじっくり読んで…
[良い点] コミカライズから来ました。 さらっと読めて、短いながらに分かりやすく、まとめられていて良かったです。 [気になる点] 幼少時から、こんな悪癖があったのに王太子への婚約者に選ばれるのは余程の…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ