トウカイテイオー後継種牡馬プロジェクト

　トウカイテイオー後継種牡馬プロジェクト、大手に紹介され反応は上々のようでいいですね。何様なんだと言った口ぶりで恐縮ですが。

　オルフェーヴルというメジロマックイーンがサンデーサイレンスと共に送り出した稀代の名馬は、JRAの勝ち鞍のみならず、世界最高峰とも呼ばれる凱旋門賞を2年連続2着とその競走馬生で輝かしい金字塔を打ち建てました。

　それはつまりパーソロンとサンデーサイレンスの、ダーレーアラビアンとバイアリータークの理想的な配合が、タフな欧州の馬場にも耐え得るということを暗示しているとも言えるんじゃないでしょうか。

　パーソロン旋風の吹き荒れていた、スピード馬場に特化する今より少し昔の日本の血統は、むしろ今の日本よりも欧州に対応し得る可能性を秘めていたと思います。

　自分は勝手に思い続けているんですが、ルドルフの陣営が仲違いをせず、もしも万全の状態で凱旋門賞に送り出すことができたのなら日本競馬の悲願はすでに達成されていたかもしれない、なんて考えたりします。

　パーソロンの血が色濃い皇帝によって。

　もちろん日本競馬において大種牡馬サンデーサイレンスは偉大です。彼なくして今の日本競馬は絶対に語れません。現代のダーレーアラビアン系の礎です。

　それは日本における究極のサラブレッド"ディープインパクト"に代表されると思います。体調不良もあり負けてしまったとはいえ、凱旋門賞ですら下馬評では「彼が絶対に勝つ」と言われていたことが全てだと思います。

　ディープはサンデーの後継として立派なサイアーラインを作り上げましたし、シンボリクリスエス、キングカメハメハ、ルーラーシップ、ハーツクライなどと比べてみても、その成績は一線を画していると言えます。

　しかしながらルドルフのような、源流を欧州に持つ昭和の名馬たちというのは、やはり今の名馬たちよりも血統的な面で凱旋門賞への可能性が大きい部分もあったと思うのです。

　そして日本がどうしても凱旋門賞という世界最高峰の欧州グレードを望むのなら、その血を再興させる努力というのは不可欠なのではないかと外野ながらに感じます。

　だってそれがオルフェーヴルという可能性を生み出したわけですからね。

　テイオーは前代未聞の、1年ぶりの出走で有馬記念制覇という奇跡の復活を果たした名馬です。

　その産駒であるクワイトファインにも、当然その奇跡の血が流れているわけです。彼がオルフェーヴルと決定的に違うのは、シンボリルドルフ、トウカイテイオー、ひいてはパーソロンの後継ということです。オルフェーヴルはマックイーンを母系に持ちますからね。

　バイアリーターク系の再興を託すのにこれほど相応しい種牡馬が他にいるでしょうか。

　ここまで文章がぐちゃぐちゃで恐縮ですが、自分はこのクワイトファインプロジェクトというのは素晴らしいものだと思いますし、微力ながら参加させていただいていることに誇りすら感じています。

　人間のエゴでやっている命に尊さなんか感じてはいけないのかもしれません。正直、自分もサラブレッドというものに、競馬というものに思うところがないわけではありません。

　でも、それでも願わずにはいられないのです。

　自分がディープインパクトに魅せられた時にはもう既に消えかけの蝋燭だったバイアリータークの血が、どうかまた煌々と燃え上がって欲しいと。

　自分もまだ生まれる前の1993年12月26日に起きたあの奇跡が、どうかまたもう一度起きてくれないかと。

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