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オオカミの月夜  作者: 雪見
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成人式前夜

陽がまだ落ち切らない夕方、焚き火の前で20人ほど集まっていた。

「お前ら!成人式前の最後のエールもどきにカンパーイ!」エリックが大声で言う。

『カンパーイ!』大声でみんな甘酒の入ったジョッキを掲げる。

青年とはまだ言えない狼少年少女たちが騒ぐ。成人式前夜は大騒ぎしてもいつもは口うるさい長老達が何も言わずにいてくれる。だからみんなで思う存分騒ごうという魂胆だ。

「成人って言ってもまだ俺らは16歳だからちょっとアルコールは厳しいんじゃないか?」

シエルは甘酒の入ったジョッキを覗き込んでいった。

ガーンと効果音がつきそうなほどしょげた顔をしたエリックが

「え。。。そうなのか。。。」と呟く。

他のみんなも悲しそうにしているのを見てシエルが大慌てで

「いや、人間界では20くらいまで飲酒しちゃダメらしいけど狼族には規定ないかも」

という。

それを受けてみんながワーワーと狼族は何歳だったら飲酒していいんだろうとか人間界の生活とかについて議論し始める。それに見かねてか、長老の一人、ジェスがシエルたちのテーブルに来た。

「狼族は解毒作用を持つから飲酒は何歳でもOKじゃよ。」という爆弾発言を言った。

なっなんだってー!!!!と少年少女達はみんな思った。

みんなが驚いて、少々非難気味の視線を見て長老ジェスは柔らかく笑った。

「まあ 好きなだけ飲んで良いとなったら若ければ若いほど手がつけなくなるからな」だから 一応成人式まで狼族の飲酒は禁止してるんだ、と続けてジェスがいう。

納得したような納得していないな顔でみんなは不満を飲み込みジョッキを傾けて甘酒を仰った。


まあ それはアルコールが入っていない甘酒なのだがのう、というジェスの呟きは誰の耳にも入らなかった。


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