35.王子20歳・夏。結婚。
約束通り、結婚することになりました。
けど身分差もあるし、年齢のこともあるし、すんなり結婚とはいかないと思っていたんですが。
実は養父にはかなり前から陞爵の話が出ていたのに、『もっと功績を上げてからでないとふさわしくありません!』とずっと辞退されていたようです。
今回、私の結婚のことを養父に話すと、さっくりと伯爵から侯爵に爵位をあげてもらっていました。
養父との血のつながりはないし、私自身に爵位があるわけじゃないけどそれでも良いのかと尋ねましたが、どうやら問題ないようです。
結婚は家と家のつながりなので、ベテラン敏腕宰相の家との繋がりが強くなるならと、陛下も大喜びしてくださいました。
私の年齢には目を瞑ってもらえたようです。
というわけで、さくっと結婚できました!!
そして今は夏!! 暑いのでみなさんで泳ぎに来ています!
「クレイグ、筋力が衰えてきてんじゃない?」
「馬鹿言わないでくださいよ。王子よりよっぽどいい体に決まってるじゃないですか!」
「じゃあ聞いてみようよ。アリサ! 僕とクレイグ、どっちがいい?!」
「俺ですよね、アリサ殿! じゃなくて妃殿下!」
「僕だよね、アリサ!」
どっちがいいなんて、そんなこと、わかりきっていると思いませんか?
「オースティン様がいいです」
私がそう言うと、自己顕示欲の満たされたオースティン様が、夏の太陽よりも輝くような笑顔になりました。
「妃殿下! 俺の筋肉のどこが悪いんですか?!」
「筋肉で決めてません」
「逆に僕の筋肉のどこが良かったの?!」
「筋肉で決めてませんってば」
どこか不満げな二人の顔を見て、私は笑って。
「私はオースティン様の、すべてが大好きですから!」
そう、高らかに宣言します。
宝石のついた指輪が、太陽の光を受けてキラキラと輝いていました。
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