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18.王子14歳・春。釣書。
「オースティン様、陛下から釣書に目を通せときつく言われているのですが」
この国で男性が結婚できるのは十八歳からですが、王族や貴族はそれよりも前に婚約者がいることも珍しくなく、それはオースティン様も例外ではないのです。
「いらないよ、全部捨てて」
「そういうわけには……陛下になんと言い訳すれば……」
「僕はアリサと結婚するからそんなもの必要ないって言えばいい」
ちょ、なんなんですかその言い訳ーー?!
私のクビが飛ぶので、冗談でもそんな言い訳は使わないでくださいー!!!!




