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今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

縁結びの黒ネコさま

作者:おみくじ
『あんたを虐める悪い娘に、呪いをかけてあげるよ』

 真夜中の0時。

 俺の部屋のベランダ窓に現れた黒猫は、そう言った。助けてくれたお礼らしい。

 俺はこの夢のような出来事が信じられなかった。だって、猫が言葉を喋るんだぜ? そんなの誰が信じる? 

 黒猫が去ったあと、悪い妄想を見たって思って、無理やり寝た。明日の朝になれば、いつもの日常が待っている。幼なじみである花宮華憐(はなみやかれん)に忌み嫌われる日々が待っているんだってな。

 でも、そうならなかった。

 次の日から、花宮華憐は中学に突然来なくなったんだ。長期の休学。

『なんかさ、部屋に引きこもってるらしいんだよね……』
『一言も喋らないんだって……』
『急に人が変わったみたい……。何かに取り憑かれたというか、呪われてるというか……』

 クラス内での噂に、俺はいてもたってもいられなくて、花宮の家に行った。黒猫の言ってた『呪い』は本当だったんだ。俺のせいで、花宮はつらい思いをしている。

 助けたい。

 あいつの部屋のドアを無理やり開けたんだ。そしたら花宮はーーー、

「にゃ、にゃに勝手に入ってきてるにゃ!? へ、変態にゃああああん!!!!」
 
 って、伸びた爪で引っ掻いてきやがったんだ。

 ちょ!? 何その喋り方!? にゃん!? にゃんってなに!? いた!? ちょっ、ま、待て、尖った爪で引っ掻くなああああっ!!!!

 花宮華憐は『にゃん語』を話す呪いにかかってたんだ。

 なにそれ? えっ? ええ?? にゃんって……。小学生のあの頃ならともかく、中学生にもなってさ……、花宮さんよ。いや、そ、そんなこと考えてる場合ではない。

『みんなと普通に話したりできにゃいのっ!! す、すっごくは、恥ずかしいにゃん
!! うぅ……、い、樹(いつき)……、た、助けて、にゃん……』

 ……そんなの、言われなくてもそうするさ。

 恐ろしくも、超可愛い呪い。俺と花宮の『にゃん語解呪』の日々が、幕を開けた。
 
 
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