大丈夫
砂時計の落ちていく砂みたいに
ゆっくり少しずつ
埋められていった心の傷口
とても長い時間が掛かったけど
このまま埋まっていくのだと
ようやく信じられそうだったんだ
一人に戻ってしまった時間が
重く深く圧し掛かってくる
埋まりかけた傷口に
あてがわれた鉄線が
そのまま
傷口を開いていく
なんてことはない
あの頃に戻るだけ
あの頃に戻るだけ
一人ぼっちで淋しくて
不安で恐くて震えていた
あの場所に
ずっとずっと
居たあの場所に
この人生で
一番長く沈んでいた
あの慣れているはずの場所へ
帰って行くだけ
こんな僕でも
前を向けた
明るい夢を見られた
憎むだけだった自分の弱さを
愛しかけられるところまで行けた
傷口はまた開いて
僕は時間と共に沈んで行く
最後に見られた
あたたかい夢を抱えながら
もう逃れることは叶わない
それでも
デスゲームの始まり
見せしめにされるモブキャラみたいに
惨めに抗ってみようかな
やっぱりもう
そんな気力も湧いてこないかな
大丈夫
僕は帰るだけ
何よりも長い時間を過ごした
あの場所へ
二度と見られない夢を
抱えながら