192話/SAVE Ⅱ
元(要するに、奴はセーブしか持っていなかった。そのセーブの主な能力は、世界を保存する。そして、自身に相手のデータを保存する。だが、その保存は、ただ保存するだけ。使用する為の何かが必要であった。そこで、バグ。これによって、セーブで保存した能力を、ロードする事なく、使ったのでは…。いや、違う。バグをロードの代用で使ったのではなく、バグでロードを無理やり引き起こした。)
リン「何か、分かった?」
元「テオスが、センの器を使っているのであれば、そこにある能力はセーブ。そして、センの5大能力である真髄。真髄ってどんな能力なんだ?」
リン「その能力の底力の引き上げ。例えば、炎の能力を持っていたら、その炎が限界ギリギリの所まで温度を上げたり火力を強めたり出来る。要は、自身の限界に左右されない。限界は魔術法則、物理法則などの世界の根底にあるもの。これには抗えない」
元(なるほど、なら惑星級の出力を操れるのも納得だ。惑星級の出力は理論上出せる。この世界であれば)
リン「そして、真髄。それに対象外は無い。能力、魔術、厄災。全てに使える万能能力。」
元(万能能力…なら、それは宝権にも使えると。そもそも、奴は前世界の神が混ざっている。だが別にこの世界では神などの存在では無い。あくまで、肉体はセン。精神はテオスという感じだ。なら、奴の宝権は…)
リン「そして、真髄は単純な魔力放出ですら強化出来る」
元「え?」
(それって、普通の魔力放出ですら惑星級に成れると…。いや、それは流石に。強化は出来ても惑星級にはたどり着かないだろ。何が何でもただの魔力弾を鍛えたら惑星を壊しかねない威力になる。これもはや、法則すら壊してい…る…)
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厄災能力
それは
法則、秩序、この世界に存在するルールに縛られない
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元(なるほど、可能と…。厄災能力の欠片を持っていた奴だから…。それが出来た。そして、奴は魔術世界を破壊するもの。それに対して、世界そのものが何もしないわけがない。だから、ーーー。アイツが来た。アイツに知識だけがある理由。それは、知識だけで良かったから…。あのテオス。アレを倒す方法は唯一。この世界に、厄災を無くす。そうすれば、セーブによる魔力弾強化。前世界からの移行も、バグと処理され、消える。)