178話/解放Ⅱ
ーーー(下手に絡むな。リン)
リン(え?なんで?)
ーーー(察しておけよ。実際に元は??の死で萎えている。そこにある本体は、なんと言っていいか分からずに困ってる。その問題は今解決させるな。後で、しっかりやっておくからよ)
リン(ん?そう?じゃあ任せるわ)
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ーーー「とりあえず、そっちの事は色々分かった。それでここまで来て、『解放』に至ったと」
元「そうだな。そっちは何かあったのか?」
ーーー「分かったことは、いくつかある。大方2つかな。」
元「一つ目は?」
リン「この世界の状況ね。実際に、今この世界はとてつもない時間のスピードが流れてる。」
元「理由は?」
リン「世界に、歴史という表向きを構成するため。この世界は、言えば世界の裏側。だから時空干渉は受けないけど、表側に出たら、凄い時間凝縮が一気に流れるから、死ぬと」
ーーー「分かった理由としては、まずこの世界には、どう足掻いても正当な引き継ぎが不可能だ。理由としては、空想では無くて、揃ってなさすぎるんだ。確かに、この世界はあの、テオスの独裁世界だな。でも全てを賄えている訳ではない。むしろ空間だけを作って、他の過程は早送りしている世界だからな。」
元「ん?時間のスピードが速いのは、表側か裏側かどっちだ?」
ーーー「両方だ。でも、進むスピードでは、こっちが遅い。要は追いつけていない。表側に力を注いだが故に、こっちまで手が回らなかったのだろう。それでも、凄いスピードが流れてる。一秒で数十、百年近くだな」
元「じゃあ外に出ると…」
ーーー「それは想像を絶するだろう…。ま、対策はあるんだがな」
元「それは?」
ーーー「テオスをこの世界から、排除して、世界の運営のストップをかける。そうすれば、時の流れも緩やかに戻り、ダメージも減るだろう」
元「なるほどな。それで2つ目が?」
??「テオスがこの世界の存続で払う犠牲だ。奴は、魔術世界に留まらず、科学世界の破壊も目指してる。無理矢理空想を、現実にしようとしてる。そして…」
ーーー「その理論は、厄災の断絶によって、なし得る。つまり、お前は殺すべき対象になっているということだ…元…」
元「なるほど……な……」