170話/理想Ⅱ
元「お前にとっての、理想と神自身の理想は全くの別物。人間より世界を優先した」
神「そうだな。しかしそれは、人間に踏ん切りを付けたからだ。先のない、価値の無い」
元「価値か。でも、それは本当にお前が望んでいるものか?」
神「価値を見出すのがか?」
元「そうだな。どうも俺から見たら、価値を見出すのではなく。それすらを辞めたように見える」
神「根拠は?」
元「お前は、この世界全てを見ていない。あくまで一部分。悪い部分のみ見ている」
神「その理由は」
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はじめから分かっている事だった
神
それは、星を支配する為に星の内側を支配しようとする者
人間の外側を支配するとは、異なるもの
まぁ、魔術世界だけだがな
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それでも、あの神は、内側すら支配しようとしなかった。
だから、この時が来るまで、こちら側に来なかった
その理由は
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『今まで自分が積み重ねてきた世界を見捨てたくなかったから』
前世界の滅びは当たり前
その道の歩み方は数千年前から分かりきっていた
だから、前世界に、この惑星に神はいなかった
居なくなった
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でも奴はいた
人間になっても
どんなカタチになっても
その星に残っていたいと思った
この世界を作ったときもそうだ
星を捨てるでも、根本からでも変えるでもなく
もし続いて、平和で、理想で良い世界ができたのなら
そんな理想が生み出した物
でもそれは選ばなければならなかった
『続けていく人か』
『続いていく世界か』
彼にとっては、どっちも捨てたくは無かった
捨てたくは無かった
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でもそれは叶わない
どちら共の共存が出来るのなら
前世界は救われたはずだ
でも、救えない
だから、世界を優先し
その後自分が、全く同じ人類
新しい人類を作ろうとした
しかし
それは人の道から外れる行為だ
だって、
その人の代人は
『神』
で、あって
概念を捨てさせる必要があった
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だから、その場として魔術世界を使う
この世界は、実際に残ってはならない世界
存続は難しくなってしまうと分かる世界
だって、
厄災は滅びる為にある
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だから、先有りの科学世界
そして、新『神域世界』
を作ろうとした
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元「でもそれは…」
【空想】だった