163話/衰退
元「じゃあ、神の件も厄災の件も、結局は…」
??「人類に敵対した瞬間に、滅びの対象になる。いや、衰退の対象になる、か」
元「そこまで、人間は進化しているのか?」
??「魔術に厄災。環境も環境だからな。本来であれば、人間は神化できても、そこまでだった筈だ。しかし、この星では異例が存在する。この星がおかしいと思うレベルの強さを人間が得てしまった」
元「起源は…?」
??「分からないが、惑星誕生前だな…」
元「え?」
??「そもそも、前世界で滅んだのは地球だけなんだ。それ以外は滅んでいない。だから、他の惑星はこの惑星に干渉出来ない。既に死んだ惑星に一つだけ力が与えられただけの星だからな。それが魔術だ。大厄災と言われるのは、人間からでは無い。何故、ここにいきなり辿り着いたのか、という星の形が厄災と化したもの」
元「唯一衰退の対象にならなかった、星に認められた大厄災」
??「そうだ。だから、厄災が分かったのは、魔術が厄災と分かったとき。しかし、その時に制限を掛けるか、という事になっても、人間は便利であるこの厄災に、制限は掛けなかった。むしろ増幅を掛けた。それを司るのも、バグだな…」
元「何でもしてるな。ソイツ…」
??「それな」
元「とはいえど。見つかるのか?本当に」
??「それは大丈夫。見つけた」
元「どうやって?」
??「死んだ石を探せばいいだけだ。此処の石は厄災の欠片。つまりエファアルティスが作り上げた物だ。その中で、此等はまだ存在している石。だから、概念は残っているんだよ。世界を構築するという。でも、エファアルティスは実質的に死んでる。世界が、崩壊しているからな。」
元「でも、崩壊している世界にそれがあるから、死んでいるのでは?」
??「いや、違うな。それだったら、俺達が生きているのがおかしい。だから、生還するまでは、生きている判定なんだな、此処の世界は。ただ」
元「ただ…?」
??「いや、やめておこう」
元「………なんだ。まぁいいや。それよりもソレは?」
??「大厄災の鉱物?結晶?の類だな…」
元「それにデータを打ち込むと」
??「いや、複製する。コピーでな」
元「消費量は?」
??「大丈夫。此処ら一体の物質をエネルギーに変換すれば足りる」
元「それでいけると」
??「そうだな」