159話/永久機関Ⅱ
??「今回、神がしようとしてる事と、同じ事だ」
元「どういう事だ?」
??「まず、この世界の人間は、2つに分けられる。『叶わない意味を持ち生きるものか』『意味が与えられずに居るものか』」
元「その前者…か…」
??「そうだな。叶えられないのは、魂が永遠に残り続けることだ。例え肉体を無くしても」
元「神は、肉体を排除してこの世の輪廻を固める…って感じだよな」
??「その通り。人間を分離させ、魂という材料を使い、永遠と世界を存続させる永久機関」
元「永久機関って作れないじゃないのか?」
??「それは科学だからだな。魔術と科学の法則は全く違う。だから、科学に不可能なことでも、魔術で出来てしまう…と…話がずれたが」
元「後者の方か」
??「そうだな。やっているのは、神と同じ。目指す地点が違うだけだ」
元「それは?」
??「人類が、ただ存在しているだけか、人類が存続し続けているか。だな」
元「存在と存続か…何が違うんだ?」
??「この世界に存在するなら、何でもいい。石でも土でも、それ以外に空気でも。 とりあえず、生きている、では無く、その存在は確かにあるが、どのような物かは気にすらしない、って事だ』
元「後者は?」
??「存続は、人類が今、尚生き続けている。それは誰にでも分かる。そのような存在だ」
元「よく分からないが」
??「気にするな。俺に語彙力を求めるな」
元「せめて語彙力は有れ、何を言ってるのかさっぱりだ」
??「ま、ということで、着いたな。ここだ」
元「何…ここ…。月面のクレーターかな?」
??「よく分からないが。」
元「何か欠けてるわ。お前」
??「とりあえず、探すか」
元「え…?」
??「この数億という石の中から一つだけ。なぁに、大丈夫、大丈夫。すぐ終わると思うよ」
元「何個あるんだ…?此処の石…」
??「最低でも3億はあるんじゃない?広さはほぼ、無限大クラスだし」
元「何それ意味不明」
??「大丈夫、すぐ終わると…ごめん。終わらないわ」
元「え?なんで?」
??「全部魔力反応あり…」
元「ウソぉ…」
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リン「とは言っても…。出口も何もないし暇だね…」
??「いいんだよ…今ぐらい」
ーーー「そういや、お前どこから来たんだ?」
??「厄災能力保持者か?」
ーーー「違う違う。どういう経緯で、この場所に来たのか」