158話/永久機関Ⅰ
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??「まぁ、一番の理由は、依存し過ぎていること」
元「依存?」
??「平和ボケしすぎた世界なんだよ。一般人はな。だから、他の人間からの悪意なんて受けない。傷つくのは、無意識で傷付いてるだけなんだ」
元「それは、何も知らないが故に、何が悪か判別出来ないと?」
??「そうだな。無垢なのか、アホなのかは分からないが、科学世界みたいに、自覚した悪意は存在しないが、自覚すらない完璧過ぎる人間の精神を殺すためだけの悪意は有る」
元「両方質悪いな」
??「そんな物だ。科学世界は、知識を与えれるものが居る。だから、半端に知識を与えられたのが、変に悪用し、結果、下らない悪意に成り下がる。しかし魔術世界は違う。この世界には倫理観も道徳心も欠片もない。あるのは、『気に入らないなら壊す。気に入るなら壊れるまで使う。』って考えなんだよな」
元「何故だ?」
??「詳しくは知らないが、この世界には新しい物が作られにくいんだよ。だって、新しい強い物が出来てしまえば、上にいる上層部は、自身が希少ではなくなる。という歪みに歪んだ考えから、そいつらを消すんだよ。その粛清者が、俺ら⬛⬛という組織だ」
元「へぇー。で、結果的に何が気持ち悪いんだよ?」
??「さっき言った。気に入らない点から一つ。そして、気に入るなら壊れるまで使うの点から一つだ」
元「まず前者は?」
??「この世界で、主に中心として回ってるのは都や王都などだ。それ以外は基本道具として扱われる」
元「そのぐらいか?」
??「この程度なら、気持ち悪いなんて言わないな。そして、その中で気に入らない奴ってのは、『なんの役にも立たない、意味の無いもの』これが、そう言われていた」
元「なんていうか…、科学世界で言ったら多分、俺なら抹消だな。意味のない人間は生きるな、は厳しいな」
??「まぁ、その意味が無かったものは、本当に意味が無かったのか疑惑はあるけどな。とは言えど、問題は意味があって、それが上層部に気づかれなかったものだ」
元「どうなるんだ?」
??「結論から言えば、そいつは人間の暮らしは不可能。まず、使用用途に合わせて、分解される。そして、そこからクローンを作り、永久機関にする。それが、この世界だ」
元「………」