155話/煤Ⅱ
元「その腕…」
そのときに見た、
どのように捉えようが生きようとすると言う事は全くと言っていいほど感じなかった
死
それだけが、見えたものだっただった
Faker
それは偽物で本物では無いのだけども
あぁ、この世界が狂っているのは
此処かと思ったさ
『偽物の命は軽いと』
いや
『本物でも偽物でも関係がない』
『不必要な者の命は軽いんだ』
元「っ…」
何処の誰かも分からない
それに、コイツらは、アイツを殺した
その事実に怒っていた俺だが
何故か分からなくなった
コイツは
どんな人間なんだと
??「っち…右腕は使えねぇな。おい、お前。確か剣あったな。今は時間がない。此処に回復の魔力が集中する前にそれで切り落とせ」
元「え…?」
??「え?じゃねぇよ。今は無駄にする分の魔力すらないんだ。いいから切れ」
元「ーー」
絶句した
コイツは何処まで阿呆なんだと
何故、そこまでするのかと
元「何故だ?」
??「あ?」
元「何故、そこまでするんだ。お前は」
??「言っただろ?俺は仕事を受けたらその為だけに動くんだ。人の心なんてものは無い」
元「仕事…か、」
??「そうだな、お前には今それしか出来ねぇからな。」
元「っ……」
??「ならば、復元しろ。時間はかかるが、元々この世界のデータのバックアップ取ってるんだろ!?なら直せ!」
元「え、あぁ。まかせろ」
ーーーーーーーーーーーーー
リン「何処だ…此処は…」
ーーー「何もない空間か」
リン「その声は、」
ーーー「まさか、声は通じるんだな」
リン「まぁ…そうなんじゃない?何処に居るか分からないけど」
ーーー「光は無いのか」
リン「ブラックホールみたいね」
ーーー「あれは違うだろ。粒子単位まで分解するゴミ箱だ」
リン「あれをゴミ箱…いやまぁ、アンタなら、そのぐらいやりそうだけどね」
ーーー「ま、やってるからな。極力物質は残したくないんでね」
リン「証拠隠滅派かよ」
ーーー「いや、誰でもそうだろ。消せるものは消す」
リン「そうか。そういう人か」
ーーー「人かも怪しいけどな」
リン「それよりも、ここは何処なのか」
ーーー「光を発生させようとしても無理だな。魔力すら使えない」
リン「完全に『魔術が切離された空間』じゃないの?」
ーーー「それはおかしい。外壁の様なものは、魔術的刻印を打っている」
リン「う〜ん、何なのか…」