150話/神怒Ⅳ
元「開放?何故」
テオス「お前は何も思わないのか?転生したら力付いてるなんて、裏しかねぇだろ。」
元「まぁ…都合は良いけどな」
テオス「その埋め合わせで、俺らは『使命』が存在する。お前はこれから見つければいい。知らないのに知らせるのは、鬼のような考えだからな」
元「なんだ?お前の使命は」
テオス「セーブ。つまり、『世界の保存者』、これは表書きだ。本来は」
『神のサンドバッグである人間を繰り返し、復元させる能力者』
テオス「お前は、これをどう思う」
元「まさか…」
テオス「神が消されたのは、この理由もあってだ。システムの誤作動で起こし誕生させたのが、この『厄災能力保持者生成』なんだ。」
元「神の…道具って事か?」
テオス「あぁ、12回目の転生者で世界が滅びるのは、12回で、人間もシステムも世界も壊してしまえる量の人を集めれるからだ。神の使い方ってところだ。」
元「お前は…センなのか?それとも」
テオス「その詮索は止めておけ。知れば傷つく者も居るからな」
元「それは…いや、何でもない。で、どうなんだ?お前は人間を滅ぼしたい側なんだろ?でも、神は、厄災能力保持者なんてくだらないものを作っている、どっちの味方だ?」
テオス「神だな。そもそも、神がこの厄災能力保持者を作ったのは、ある原因があるんだよ」
元「それは…?」
テオス「人間の強欲さだな。全く…吐き気しかしないこの世界。強いしカッコイイとか、思っているのは人間だけだ。神は、『うわァ…こいつら殺し合いしか出来ねぇのか…』だな。あの大会も、所詮は殺し合いをオブラートに包んだ、中身ドス黒い、最悪の催しだ」
元「それで、人間を殺す側と」
テオス「あぁ、そうだとも。魔術なんて、まともに使えば『平和で安定した世界』が作れるのに、それをしない。所詮、自分さえの世界なんだよ」
元「根拠は?」
テオス「じゃあ、なんで一位を競うんだ?それも、殺し合いで。」
元「それが、この世界なんじゃ無いのか?理解ぐらいしなよ」
テオス「悪いけど、理解なんて出来ないね。勝手にやってる分には構わないさ。どうでもいいからな。でもそれを俺達に飛ばしてくる以上、どうしようもない、救いようのない、ゴミのような集まりだってわけさ」