148話/神怒Ⅱ
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ーーー「空洞…か…」
テオス「まぁ、これは、可視化できるほどにハッキリとしたからな、存在が」
ーーー「お前は…何が目的だ!!」
テオス「簡単だ。滅ぼしたいでもない。存続させたいでもない。ただ、生命体と言う座から堕ちてもらいたいだけさ。我々の目的は唯一つ。人間を機械化させる、まぁ、死ぬまで働いてもらうって事だ」
元「何故だ…」
テオス「わからないか?頭悪いなぁ。散々、君達も使ってきたじゃないか。神による概念の神域。まぁ物質が存在するためのものをさ、何年も何億年も使って、それを返さないのはなぁ…ふざけ過ぎてるだろ、そんな都合のいい話なんてねぇよ」
元「つまり…」
テオス「あぁ、しっかりと、世界の歯車の材料になってもらう。喜べ。お前たちに向けた怨念が貯まり溜まって、その歯車も完成しかけている。お前たちの魂のみだ、後は」
ーーー「概念崩壊は、そういう事か」
テオス「そうだとも。概念崩壊。いや、『魔術崩壊』人間の特権なんだ。魔術ってのは、それはそれは、面倒この上ないさ。だから崩した。再起不能なほどに、面倒なものは粉々にしないとねぇ、本来粉すら残す気なかったが。まぁ誤差だ、良かったな、しばらくは魔術が使えるな。まぁ無くても、有ってもどうでもいいからな。粉程度」
ーーー「そのことを世界に…する気か」
テオス「しないと勿体ないだろ?今まで丹精込めてした事だ。やるなら念入りに、人類なんてものは強欲でしかないからな。何でも手に入れたがる。それを阻むのが、今回の仕事だ」
元「お前は…その後どうするつもりだ」
テオス「科学世界の抹消。実際向こうの神も甘いからねぇ。邪魔だ、正直、どれだけ強いって言われても、神では限度がある。しかし、単体を世界で潰しに行くってなら話は別だ。我々は誰一人として裏切る事は無いからな」
元「信頼か?」
テオス「信頼?そんなのお前たち特有の考えだろ。信じるほど他人任せはないなぁ。信じるではなく、絶対に裏切れない環境を作ればいい。」
元「つまり…お前らは俺達に絶対勝てると」
テオス「人間は、強い方につくんだ。それも、そいつにメリットのある事を言えば尚更な。お前は、正直残す必要もないと思っているからな。此処が墓場でもいいだろ。」
元「それは…」
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その一瞬
脳裏に浮かんだ
この世界は…何故
此処まで神と決別しているのだろうか
そりゃあ、戦争か?
そんなものではない
最も、神が人類を滅ぼそうとしたのでもない限り