139話/蘇生Ⅱ
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元「完治するまでに掛かる時間は?」
リン「あと一日ぐらいじゃない?」
メルト「まぁ、しばらく休んでおきなさい」
元「あぁ、助かる」
メルト「でも困ったものね。他の人の魔力反応が消えかかっている」
リン「外部との切断?」
メルト「いや、本当に消えている。」
元「この世界では確認できないと」
メルト「そうなるね」
リン「とりあえず、状況を」
メルト「まずは、レンね。死んだにしては、おかしい消え方だから、何か外部的要因があったわね」
リン「次」
メルト「エファ…アルティスは、消息不明。まず魔力が定まってないからね」
リン「次」
メルト「今分かるのは、この位よ」
元「一つ聞いていいか?」
メルト「何?」
元「何故、助けたんだ?」
メルト「そりゃあ、必要だったからでしょう。ま、そのまま放ってはおけない状態でもあったしね」
元「なるほど、」
リン「…ちょっと待って」
元「なんだ?」
リン「この空間…消えかけている?」
元「いや…そうか?」
メルト「そうね、そこまで変動して無いわよ?」
リン「違う。ここの存在が、観測されなくなっていない?」
メルト「!?」
リン「この穴だけじゃない。此処の仮想空間に神が生じたから、切断されかけている」
メルト「え…?」
リン「まさかとは、思うけど…」
元「逃げ出す術は…?」
メルト「無いね…本来、目的が終わるまで、この世界は続く」
元「厄介すぎないか?それ」
メルト「まぁ、大厄災な訳だし」
リン「いや…それならマシだけど。スピードが異常じゃ無い。このままだと、此処は、後一分近くも持たないでしょう」
元「…厄災…か」
メルト「え?」
元「元々の、魔術崩落も、厄災。いや大厄災、魔石だろ?」
メルト「……分かった。正式名称、大厄災の位置に達して、0という原初の数に戻る厄災。その名も【Abyssal stone】奈落の石。全てを、無に返すと言う、大厄災。世界を作り上げる、エファアルティスとは違う、物」
元「!!」
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大厄災0の席
原初に戻す
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元「なるほど…だからか…」
メルト「え?」
元「大厄災が発生した理由。それは、厄災能力による世界の負担を0に戻すための作業だったって訳だ」